きのこの柄のヒミツ☆~ササクレヒトヨタケの場合~

どこかでも使ったけど・・・ササクレヒトヨタケ
めちゃくちゃ美しい!けど採取するとすぐに壊れてしまうほど脆い・・

ブラーの英語は、ややこしい!

わからない単語ばかりだし、昔の分類のままなので種名さえもすぐにはわからない!

やたら文章が長すぎて、主語と述語の位置がわからない!

言い回しが古すぎて、Deepl もGoogle翻訳も、そんなもん、ぜんぜん役に立たない !!!

ブラーの「Researches on Fungi」 が発刊されたころ、日本は明治時代・・・

明治時代の文献も読むのに難儀するのに、英語なんてなおさら!!

たとえば、

In different species stipes very much in length, thickness, and in the nature and disposition of the materials of which they are composed ; but no doubt there is always a correlation, and often a close one, between their structure and the work which they have to do in supporting the pileus at a distance from the ground, and in keeping the gills in exactly vertical planes.

Researches on Fungi Vol.1 39p

そのまま Deeplくんに放りこんでみると

種によって、縞模様の長さや厚さ、構成する物質の性質や性質は大きく異なるが、縞模様の構造と、地表から遠く離れた場所で毛状体を支え、エラを正確に垂直に保つために必要な仕事との間には、常に相関関係があり、しばしば密接な関係があることは間違いない。

Deeplくん 翻訳

最初にここ読んだ時は、さっぱりピーマンでなんのこっちゃ!!だった。

しかも、ブラーって、

『オレ様って凄いんだぜ!
誰もが気が付かなかったこと気がついちゃったもんね~!』

って自己陶酔するところがあって、なんていうか~・・・くどい。

ちなみに、この章のタイトルは、

THE FUNCTIONS OF THE STIPE AND OF THE PILEUS FLESH
きのこの柄と傘の機能(第3章)

これまでも似たようなことさんざん語ってきたぢゃん・・・

(そうなんです、、第1章も第2章も、ずっと傘がどうの~子実層がどうの~と語り続けてます・・)

まだ、話し足りないの~??とわたしはちょっと食傷気味・・・

ところがだな!!

読み進めてみると、あれ??いやまじ?面白い・・・かも??

「Wayside&Woodland FUNGI」から、Coprinus comatus の図
これは、ピーターラビットの作者としても知られている
Beatrix Potter が描いたもの

ササクレヒトヨタケの柄の秘密

この章では、きのこにみられる面白い柄の秘密をいくつか紹介しているのだが、

そのうちのひとつ、ササクレヒトヨタケ(Coprinus comatus)を、今回は紹介しよう。

きのこ好きなら一度は見つけたことがあるのではないだろうか?

大きく縦長のベルの形をしたきのこだ。

ヒトヨタケは傘のフチから徐々に胞子が出来ていく、
そして同時に溶けていく~!
美しいだけでなく不思議がいっぱいのきのこ!

わたしは、クルマで走行中に道路脇の雑木林にこのきのこを見つけたのだが、

次の予定時間がせまっていて急いでいたのにも関わらず、迷わずUターンをした。

(この世にササクレヒトヨタケよりも大事な用事なんてあるのだろうか???)

高鳴る胸を抑えつつ、雑木林の中に凛として立っているササクレヒトヨタケに近づく。

ああ!!なんと洗練された完璧なフォルムなのだろう!

こんなに美しいきのこであるのに、
一夜にして自ら溶けてしまうなんて、その儚さがまたたまらない。

ブラーもこの美しいきのこに魅せられたようで、
多くの実験をして新しい知見をたくさん残している。

おっと!!面白いヒトヨタケの話はたくさんあるのだが・・・それはまた機会があればw

話を戻そう。

Those with the longest stipes, e.g. Coprinus comatus, scarcely sway on very windy days, whilst most fruit-bodies remain practically unstirred even during gales.
In a field, the stability of a Mushroom may be contrasted with the instability of a neighbouring grass stem ;

もっとも長い柄をもつ・・・たとえば、ササクレヒトヨタケ をみてみると, 強い風の日でもほとんど揺れたりしない。ほかのきのこでも同じことがいえる。
それは、隣の草茎と対比させて観察してみるとよくわかるだろう、草茎は風に抵抗することなくなびくが、きのこは風になびくことなく凛と立っている(林 超超意訳)

Researches on fungi Vol. 1 41 p.

たしかに!

わたしが風が強い日に観察したとき、
たしかに!きのこはほとんど揺れていなかった!!

まぁ、どんなに風が吹きつけてもじっとその場で動かず耐えている姿が
また意地らしくもあり可愛いのだけど❤

ブラーは、ササクレヒトヨタケのような もろいきのこでも
なぜ強い風に吹かれても倒されずに立っていられるのか、考察している。

In Coprinus comatus the pileus has the form of a bell, and its centre of gravity is situated at some distance below its place of at- tachment to the stipe.

ササクレヒトヨタケの傘はベルの形をしているので、子実体全体の重心は、柄が傘に着いている所より少し離れた下方に位置する。(林 意訳)

Researches on fungi Vol. 1 43 p.
引用されている図
ササクレヒトヨタケの断面図
(Plate I., Fig. 1).

ふむふむ、重心なんて考えたことがなかったけど、

たしかに、地面と水平に傘を広げているきのこは
おそらく子実体の重心は傘と柄の接着部分になるだろうけど、

ササクレヒトヨタケの場合は、
傘が広がらずベルの形なので、それよりももっと下部分になるよな・・

でも、それって風が吹きつけても傾かないためにどんな効果があるんだろう?

It is thus in a state of stable equilibrium, and doubtless, in correlation with this mechanical fact, it happens that the pileus and stipe are very loosely attached together.
If one slightly tilts the stipe of a fruit-body which has just opened, the pileus refuses to become tilted too, but instead remains in its optimum position.

(傘がベル型であるという)構造学的な特徴に加えて、さらに傘と柄がとても緩い感じでつながっていることで、非常に安定で平衡を保っているという説明ができる。
開いたばかりの子実体の柄を少し傾けてみると、傘は傾かずに元の平衡を保つのがわかる。

Researches on fungi Vol. 1 43 p.

おお!ササクレヒトヨタケを採取したことがある人はわかるだろうが、

非常に脆いきのこである、採取したとたんにバラバラに壊れてしまう。

そんなきのこであるにも関わらず、風が吹いても負けずに立ち続けていられるのは、

  • ベル型で重心が傘と柄の接着部分よりも下の方にあること
  • 傘と柄のつなぎ目が緩い感じでつながっていること

そんな構造なので、仮に柄が風でなぎ倒されそうになっても、傘部分は水平を保ることができ、

そして、傘に強い風が当たり流されそうになってもその力が柄に直接伝わることがなく、

しかも重心が下にあるので安定する、ということなのか!!

ちょっとわかりにくかったら、反対に考えてみるといい。

もし、傘が水平に広がるキノコであれば、
傘と柄の接着が緩かったら風が吹いたら傘が飛んでしまう、

それよか、不安定でグラグラになってしまうだろう。

いやぁ~、ほんと、自然の作り出すフォルムには美しいだけでなく、

なんでもちゃんと意味があるのだ!

そして、そんなことを知ると、そこに完璧な自然律を感じて心から驚嘆する。

ブラー、あんた本当にすごいよ!!

よくそんなことまで気が付いたよ!!

と、実はそんなことは序の口で・・・

もっとすごい秘密があったのでありました。

それは次回までお楽しみ~🍄

(2021.4.6 Chie H. )

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