きのこは原始的な生物なのか?③
・・・・・・・なんて話が、きのこゼミであった。
ところで、
みなさんは、イグチからショウロに変化していったと聞いてなにも疑問には思わないだろうか?
そう、きのこは原始的な生物なのか?①を飛ばさず読んでくれた方ならわかるだろう。
「生物って単純から複雑に変化していくものでないの?」っていう疑問である。
そこで、思い切って質問してみた。
「生物って単純から複雑に進化するんぢゃないですか?
イグチ型からショーロ型に進化したって、それって、おかしくないですか?」
はい、いつもわたしはこんな質問をする。
先生は、少し困った様子で少し考えてから、
「進化といってもいろんな形があります。
複雑になった器官を喪失して単純化させるのも
進化のひとつ(退行的進化)です。
そもそも、きのこには傘を開かない子実体を作る奇形があります。
そう、「松きのこ」みたいな。
もしかしたら、そんな奇形が集団の中に定着して、
やがて単系統的に進化していったのかもしれませんね。」
🍄🍄 松きのこを知らない人は、きのこびとのこの記事を読むべし。
単純な生物は原始的といっていいのか?
そもそもさ、
「単純な生物は原始的」って、
単純に思ってるところはないだろうか?
ここでイリサ式検証
げんし‐てき【原始的】
[形動]おおもとに近いさま。まだ初期の段階で、十分に進化・発達をしていないさま。また、素朴で単純なさま。「原始的な形態」「原始的な方法」
(デジタル大辞泉)
うぅ~む、この意味で解釈すると、
一度、傘もヒダもある きのこ型🍄から、
その複雑な形態を手放す変化をしたんだから、
その意味では 「原始的」は当てはまらない。
素朴で純粋・・・たしかに、腹菌類は素朴で純粋かもしれない・・
けど、それって誰がどう判断するんだ?
あ~、そうか
そういうので考えちゃダメなんだ、進化っていうのは。
大事なのは、その環境にどう適することが出来るかどうか。
そして、その変異をその集団に固定させることが出来るか?
環境に適する、といってもそれはけっこう難しい。
せっかく、突然変異などにより、かっちょいい形態を 運よく獲得しても、
大災害にあったり、食べ物が不作であったり、相手が見つからなかったり~・・・
そんなこんなで、子孫が残せなかったら、そこでフェイドアウトである。
もし、適する可能性があるのならば、
そしてその集団にその変異を固定することができれば
それは子孫を残すことで未来へつながっていく。
せっかく かっちょいい傘を獲得しても、
突然変異による奇形が 集団に固定されて狭い土中に潜ることも、立派な進化であるし、
それは、必然ではなく、偶然が積み重なった奇跡だ!
コロナウィルスという目に見えない生物とも言えない存在に、
簡単に人間社会は翻弄されまくっているけど、
きのこは、そんなコトは露知らず、我が道を突き通す。
春が来れば、またアミガサタケやハルシメジなどのきのこが
コロナ風吹くこの地上に、当たり前のように姿を現すであろう。
きのこは、原始的なんかぢゃない!
どんな環境の変化にも適応し子孫を残してきたから いまここにいるわけだし、
傘が開かないといったちょっと困った突然変異でも、
だからなに?のごとく その変異を受け入れ進化してきたのだ!
でもさ、
普通に”単純”から”複雑”へ形態が変化していってくれるのなら、
こんなに悩まず、やっぱり新型って最高!進化って最高!って
なんの疑問も持たないでいられるのに。
きのこの生態や進化をみると、
ヒトが思う当たり前っていうのがぜんぜん当たり前ではなくて、
そんなヒトが思いそうなことの裏をかいてくるところがあって、
もしかして、ヒトが生物の中で一番だと思ってない?なんて言われている気がして
だから、きのこはやめられないんだなぁ~🍄🍄
まだまだ、ヒトの考える当たり前を覆すこと、きのこを知るとたくさんあります。
そんなことを、ぽつりぽつりとインセイの視点で伝えていけたら、と思ってます。
・・・でも、いいね!とか、コメントないと、続かないかもよ!!
(2021.1.8 文責 C. Hayashi)
“きのこは原始的な生物なのか?③” に対して2件のコメントがあります。
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いいね!だけでも、続かない~www