ゼニゴケツブチャワンタケOctospora ithacaensis
時期
秋~冬(福岡県内では主に初冬に観察できます。)
発生環境
ゼニゴケ上にはえます。低地~亜高山帯で広く観察されるようです。ちなみに今回見つかったものは標高200mほどの場所。
特徴
きのこの大きさは0.3mm~0.8mmほどのとても小さな菌類です。ゼニゴケ上に淡橙色の子実体を形成します。
コケ植物生菌類のいろいろ
コケ植物に生える菌類は、実はいくつも知られています。あまりの小ささに見過ごされることが多そうです(笑)
これまで、フィールド探索して見つけたものを一部紹介します。みなさんの身の回りのコケ植物にも、もしかしたらいるのかも…
ケゼニゴケニセチャワンタケOctosporopsis erinacea
福岡県では冬場、湿度ある場所のケゼニゴケ上にて観察されますが、発生率は高くありません。
アラゲタチゴケチャワンタケNeottiella albocincta
福岡県内では比較的見つかってる種類で、今のところ梅雨と冬の2度ほど福岡で活動してくれてる子供ちゃんが見つけてくれています。今回の子実体は標高100mほどの低地で、年に2季見られることに驚きました。もしかしたら、もっと多くの時期に発生しているかも…?
ゼニゴケ生不明菌Bryoscyphus sp.
今回、ゼニゴケツブチャワンタケを観察中に見つかりました。本種はゼニゴケツブチャワンタケと比べると、縁に小さな毛があるのが特徴的でした。
ケゼニゴケ生不明菌類Bryoscyphus sp.
福岡県内では、主に3月頃見られる菌類です。しばらくほおっておくと、ケゼニゴケは円形状に枯れていきます。
コケ植物生不明菌Epibryon sp.
福岡県内で最も多様なコケ植物に見られる種類の菌類です。冬場に見つかることが多いですが、小さすぎて観察には苦労します…
ミドリコケビョウタケMniaecia jungermanniae
福岡県内では比較的多く見られる菌類ですが、こちらも小さいので見つけにくいかもしれません。冬場に多く、上記Epibryonと一緒に見つかることが多いです。ミドリコケビョウタケについてはブログに書いてるので、こちらをご覧下さい。
という感じで、一部紹介でした!コケ植物菌類はまだまだ未知のものも多いと言われています。新発見するのは、次はあなたかもしれません。
漫画「さすらいのきのこ」
■前回の物語「ウドンコカビの仲間たち」はこちら
参考
きのこびと「コケ植物生および非コケ植物生盤菌類4種が日本新産種として発表されました」
身近な菌類の観察(神奈川県立生命の星・地球博物館)