ヨツデタケ(2021年初見&不明菌)

2021.05.01 大阪

4月後半から5月頭はまだキノコがそんなに発生しているわけではない。

ある場所を除いては、、、

その「ある場所」というのは、言うまでもなく「ウッドチップエリア」である。
春がやってきたなぁ、、とようよう白くなる空をぼーっと眺めているだけではいけませんよ。寒いのと暑いのが交互にやってくるようなそんな季節の中で発生している奴らがいるのです。

腹菌類と呼ばれていたキノコたち(現在は腹菌類というカテゴリーは無くなりました)はこの季節、そしてウッドチップ上などにすでに卵をせっせと作っており、地面を良く眺めてみると赤い子実体の近くには土の中からポコポコと卵が半分ぐらい出ているのがわかります。

そんな腹菌類の中で最初に見つけたのがサンコタケでした。

これがそれですが、実はこのサンコタケ、腕が4本あったのです。
4本腕のサンコタケもある、というのは知っていたので、特に珍しいとは思いませんでした。
卵の殻を破って上に伸びていったように見える腕は、天辺で繋がっていて、その腕の内側に黒い粘液状のものが見えるのは、そこから強烈な匂いを発する「グレバ」に間違いありません。

そして綺麗な子実体を見つけたので、そちらを撮ることにしました。

2021.05.01 大阪

それがこれです。
天辺でそれぞれの腕は繋がっていませんが、恐らくこれは発生して時間が経ったので、それぞれの腕が分離したのだと思われます。
この時点ですらこれは「サンコタケ」と思っていました。

そしてこの写真をTwitterにアップしたところこういう指摘を頂きました。

「腕が基部で分離しているのでヨツデタケのように見えますね」

ヨツデタケ、ヨツデタケ、ヨツデタケ、、、、
頭の中で言葉を反芻した。

が、知らなかった。
この世にヨツデタケなるものがあるということ。いくら反芻しても出てこないわけだ(笑)

ではこれが本当にヨツデタケなのか検証してみましょう。

ヨツデタケをかどうか検証してみる

2021.05.04 大阪

この写真は5月1日に撮ったものがヨツデタケではないか?ということで再度5月4日に行って、詳しく写真を撮ったものである。
綺麗なものはあまり無かったのであるが、その中でも原型を残しているものを1本抜いて写真を撮らせてもらった。

先の2枚の写真とこの写真とで検証を進めたいと思う。
今回は詳しく特徴が書かれている「北陸のきのこ図鑑」を使っておこないます。

ヨツデタケ(四手茸)
Linderia columnata (Bosc)G.Cunn.(columnata→円柱状の)

 

大分類 小分類 ヨツデタケ サンコタケ
発生 季節 夏~秋 樹雨期~秋
  場所 林内の腐植多い地に発生、稀 竹林、林地、路傍の腐植多い地に単生、散生
  分布 日本(石川、小笠原)、北中南米、ハワイ、豪州 北半球一帯、豪州、ニュージーランド
子実体 幼時大きさ 高さ2~2.5cm、径2cm 高さ2cm、 径1~1.5cm
  幼時色 内外で汚白色 白色
  幼時形 卵形 卵形
  成菌大きさ 殻を破り径0.5cm、高さ5~7cm托4本を伸長し  
  成菌形 互いに頂部結合し外側へ湾曲 裂開して3(~6)本の托柄(腕)と円筒形の柄を伸長
  托外側 平坦で両側面に2本の稜線あり、  
  托内側 不規則な横じわと突起があり、  
  托上方 緋紅色で下方ほど淡く朱橙色を帯びる 頂部は橙赤色で下方ほど黄色っぽく、柄は黄色
基本体 暗緑褐色粘液 黒褐色粘液
  形態 托内側に付着し悪臭を放つ 托枝の内側につき悪臭を放つ
殻皮 形態 外皮の表面は細裂し暗褐色となりつぼとして残る。 基部につぼとして残る
胞子 長楕円形~紡錘形、表面平滑 長楕円形で
  淡黄緑色 無色平滑
  大きさ 3.5~6×1.8~2.5um 4~6×1.5~2um

特徴と合致するものを赤字のボールドにしておきました。
また、外見上、サンコタケと区別出来そうなところを青色のボールドにしてあります。

その中でも一番重要な特徴

サンコタケは柄が途中まで存在し、そこから托柄が3本(~6本)が伸びている

ということ。
それが良く分かる写真を貼っておきます。

2016.10.02 神戸 サンコタケ

これでみたら明らかに途中まで柄があり、そこから3つの托(腕)が出ているのがわかります。
これは典型的なサンコタケで、ヨツデタケは卵からいきなり托(腕)が出てきています。

2021.05.04 大阪

卵が割れて、そこからいきなり4本の托(腕)が出てきていますね。
これによりこのキノコはヨツデタケと呼ばれているのもに一番近いと思われます。


では、検鏡もしておきましたので貼っておきます。
ちなみにヨツデタケの胞子もサンコタケの胞子もさほど違いはありませんので、決め手にはなりません(苦笑)

ヨツデタケの胞子

ヨツデタケの表皮細胞

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