きのこはどうやって胞子を遠くに飛ばすのか?(10)

Twitterにて役に立たないきのこ氏「(流体力学的)きのこの仮説」というコラムを書いた、というTweetが流れてきた。
実はこれ、以前から気になっていたのですが、まったく手を付けられずにいました。そんな僕にとって「我が意を得たり」と思い読み進めて行った記事は、僕の想像の遥か3000m以上上空を飛んでおりました (@_@;)
この記事は役に立たないきのこ氏から許可を得て、画像、文章を転載させていただくことになったものです。また転載の際には僕なりの批評も付けてね、と言われちゃいましたので最後にちょこっと感想も付け加えておりますので、最後までお読みください。


いざ旅立ちの時

【注意】
この話は科学に無知な筆者が付け焼き刃の知識を基に書いた、いわゆるエセ科学と同等の記事で、内容的な正確性は未検証です。

Fig.7-1

第1仮説から第6仮説では様々なきのこの形や生え方を例に挙げて、流体力学の観点から説明を試みましたが、じつは傘の裏側については都合よく条件を無視したまま進めて来てしまいました。しかし胞子散布への貢献を考察しながら、いつまでも肝心の胞子の出所を無視するわけには行きません。風は傘の裏側でどう作用するのでしょうか。

まず今までの考察ですが、傘の裏側については真っ平らなものとして扱って来ました。しかしこのような仮定が当てはまるのは、水平に開き切った傘か、ベニタケの仲間によくある反り返った傘か、またはイグチの仲間のような肉厚な傘の場合です。薄い傘を持ったきのこにおいてはドーム状の傘の裏側は、ヒダの形状にもよりますが、ほぼ表側と似たようなドーム状にえぐれていると考えてよいでしょう。[Fig.7-1]

Fig.7-2

傘の内側がえぐれている場合の風の流れですが、これは今までの仮説で何度も触れて来たように、急な角度の変化によりはく離が起きやすい状態にあると考えられます。身近な例としてワンボックスカーやSUVなど箱型に近いフォルムの乗用車で後端が張り出しているものがありますが、これは張り出しを設けることで角度変化を緩やかにし、境界層のはく離を遅らせることで圧力抵抗を低減し、走行安定性や燃費向上を期待するものでしょう。

Fig.7-3

きのこの傘の裏側はまさにこれを逆手に取るもので、傘の縁で下側の気流に急激な角度変化を与えることで傘の内側に乱流による渦を発生させると考えられます。[Fig.7-3]

傘の内側に発生した乱流渦は担子器を刺激し、これによりきのこは風の発生を感知して、胞子を風に乗せるのに最適なタイミングで大量の胞子を放出することが可能になるという仕掛けです。

これが流体力学的きのこの第7仮説、きのこは傘の裏側に発生した乱流渦により風の発生を捉え、そこに胞子を放出することでより遠くに胞子を運ばせるというものです。いかがでしょうか。


【この仮説における問題点】

  • 胞子紋の取得や数々の画像により、きのこの胞子が無風状態でも放出されていることは確認されていて、乱流によってより多くの胞子が放出されるかは根拠が薄い
  • ヒダが深いきのこでは、傘の内側の空間は放射状に区切られた状態になっているものがあり、横から見た縦に二次元的な流れだけでなく水平方向の動きも加味した分析が必要なのではないか

編集後記

さて、今回のコラムはいかがでしたでしょうか?
いよいよ傘の裏が出てきました(笑)。
町で傘をさして歩いていて、強い風が吹いた時には傘が裏返ったという経験は誰しもあるはず。もちろん裏返るぐらいの強い風は吹かないまでも、真正面から吹いた風に向かって傘を斜めにして歩かねばなりませんよね?
それはつまり正面から吹いてきた風によって傘の下部分で乱気流が生まれているからに他ならないからではないでしょうか?
そしてヒダが風に揺れる洗濯物の様にヒラヒラと揺らされて胞子が舞い上がる、、、
そんな光景を目に浮かべてもらえればいいかもしれません。


【参考文献】(敬称略)

『流れのふしぎ』遊んでわかる流体力学のABC
日本機械学会編 石綿良三・根本光正著(講談社ブルーバックス)

『鳩ぽっぽ』初心者のための航空力学講座
Oki (https://pigeon-poppo.com)

『機械設計エンジニアの基礎知識』流体力学の基礎を学ぶ
MONOWEB (https://d-engineer.com/monoweb.html)

『楽しい流れの実験教室』
日本機械学会 流体工学部門 (https://www.jsme-fed.org/experiment/index.html)

Facebook コメント

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。