石垣島のキノコたち(その2)
石垣島のキノコたちは「まずは疑ってかかる」ということが大事。
どういうことかと言うと「本州のものに当てはめる」のではなく「本州のものとは違うでしょ?」という目で見るのですな。
確かに似ているものはたくさんあるのだろうけど、それらは似ている別種なんじゃない?っていう疑いのマナコで見て丁度いいぐらいなんだと思うな。
ナヨタケ属のキノコ
この時期に出ているこういう材上性のキノコといえばウラベニガサの仲間が多いのであるが、ぱっと見はイタチタケの仲間かなぁ、、とは思ったが思い当たるキノコはおらず。でもやっぱりウラベニガサの仲間の何かなのかなぁ、、とTwitterに書いたら高橋春樹さんから救いの手がのびてきた。
イタチタケが属するグループ(広義のナヨタケ属)の一種と思われます。 https://t.co/9CbgaUdy2u
— 春.高派@Har. Takah. (@har_takah) May 1, 2019
なるほどなるほど、、、、でもどこにでもいそうな感じなのですが、思い当たるフシがなく、途方にくれていると、、、
石垣島で良く見かける胞子が10µm以下で側シスチジアを欠くタイプに似ています。
— 春.高派@Har. Takah. (@har_takah) May 1, 2019
Psathyrella sp. Jul. 2006, Ishigaki Is. Photo by me pic.twitter.com/upXY8RkxwZ
傘の鱗片まで似てますね。
— きのこびと (@kinokobitonet) May 1, 2019
これも特徴のひとつなのでしょうか?
傘の鱗片は特には意識していなかったのですが、どうもこのキノコの特徴であるみたいですね。
ヒダウロコタケ
傘の表もそうであるが、傘の裏はかなり特徴的なキノコ。
これはらじかる君に教えてもらったキノコで「ヒダウロコタケ」というものらしい。僕は当然初見なのですが、らじかる君は和歌山の南側で見たとのこと。
沖縄やここ石垣島では普通種らしいが、本州ではかなりレア種とのこと。
波多野さんが以前これの情報を集めていたらしく、、、
日本では、1960年に初めて西表島で発見され、南西諸島に分布してるヒダウロコタケが、2001年こちらで確認され、発生分布を調べておりました🍄分布は「大分と九州のきのこ」に掲載されています!
ということでらじかる君の情報提供をしたとのことでした。
チチアワタケ近縁種
遠くから見て、「お!なんじゃこりゃ、ヌメリイグチか!!」と思ったキノコがこれ。ここには2本このキノコがあって1本を抜いてひっくり返して見てみました。
すると「ツバがない!!」
確か1年前に和歌山県の串本でヌメリイグチを見たので、「こちらでもか!!」と思ったのですが、ツバがないということはチチアワタケなのですな。
でもね、、、なんか違うのよね。
なんていうか、柄がとってもスリムなのです。
違和感を抱きつつTwitterにアップすると、またも高橋さんからの引用コメントが・・。
石垣産チチアワタケは顕微鏡的特徴などから本土に見られる種類とは系統が異なるようです。 https://t.co/T10SOsf3OF
— 春.高派@Har. Takah. (@har_takah) April 27, 2019
やはり違和感は間違っていなかったですね (*^^*)
ほんとにチチアワタケにそっくりだし、ほとんどチチアワタケの近縁種と言って良いのでしょうけど、何かが違う感じを受けるのは、きっと最初から疑ってかかっているからなのでしょう。
そしてこれ、、、
オオツルタケ近縁種
さてさて、これは最初見た時は「チャタマゴタケ?」と思ったものだ。
傘の色は中央が濃く、周りに行くに従って薄くなっている。また条線は深く刻まれており、かなり目立つ。
ツバはなく、柄のダンダラもなし、ツボらしいものはあります。
で、注目すべきはヒダの枝分かれ。
撮ってる時はあまり気にしなかったが、こうやって見ると枝分かれしたり、くっついたりと変わった形をしている。
39さんからは「オオツルタケかも?」という指摘を頂いておりました。
これもまた高橋さんのフォローを引用してみます。
先日石垣島に発生した傘と柄がやや茶色を帯びたツルタケの仲間です。
— 春.高派@Har. Takah. (@har_takah) April 27, 2019
傘中央部が濃色な点で石垣島産サンプルは、暫定的な学名が付けられている北米産Amanita cyclops Tulloss, Kudzma & Wasilewski nom. prov.に近縁かもしれません。 https://t.co/qDYPEl3zry
ふむふむ、やはりツルタケの仲間であること。そして北米産Amanita cyclops Tulloss, Kudzma & Wasilewski nom. prov.の近縁かもしれない、ということ。
ですので、安易にツルタケとは言えなくって、あくまでもツルタケの仲間に留めておくべきものなのですね。