謎イグチ図鑑 その3(ウラベニニセイロガワリ(城川仮称)みたいなやつ)
神戸の観察会に行く途中に変なイグチを見つけた。
「ん?妙に足が赤いなぁ、、、」
そんな第一印象を持ちました。
もちろん「柄が赤い」というキノコは何種類かありますが、イメージ的にはそのどれとも違う印象でした。
この写真で分かる特徴と言えば
- 傘の色が茶褐色
- 少しビロード状であること
- 柄がつるつるである
- 白の地に薄っすらと赤みがさしている
まぁフォルムからしたらほぼイグチと判るのであるが、まずは採取してカットしてみました。
柄にご注目下さい。
「白地」と書きましたが、こうやって見ると「黄色地」に見えますね。
そしてわずかですが、縦に縞が入っているのが分かります。
全体的な色は上部が黄色で下部に行くに従って赤みが強くなっているのがわかります。
柄の肉はほんの薄っーーーーーーすらと青変しています。
傘の肉は青変が見れらない(と言っていいかな?)。
そして色は傘も柄も乳白色であることが判ります(ここ重要!)
そして管孔の薄さを見て下さい。
これはニセアシベニイグチなどのキノコに見られるような薄さであります。
管孔は黄色で、引っかくとあっという間に青変します。
こうやってもう一度柄を見ると黄色~白~赤というグラデーションになっておりますな、、、綺麗だにゃぁ~
さて、で、このキノコは何でしょう?
いろいろ調べてみましたが、これと言った該当キノコはおらず(これ良くあること)、TwitterとFacebookのキノコ部で聞いてみました。すると想定外の答えが返ってきました。
きのこびとの「謎イグチ図鑑」に載せようと思っているイグチ。傘は少しビロード状で、柄が半分より下が妙に赤い。
傘の裏はこすったら青変し、肉はほんの気持ち色が変わった。思い当たるイグチが無いのだが、誰か「これに似てる」っていうのでもありますかね?ちなみに見つけたのは10日ほど前です。 pic.twitter.com/zjZenJ4yDv— きのこびと (@kinokobitonet) 2018年8月22日
牛研さんによると「イロガワリに似た謎イグチではないか、、」とのこと。
ただし、以下の2点でこの謎イグチとは異なるらしい
- 傘の質感
- 柄の肉下方部が黄色くない
う~む、さすが牛研さん、僕はまったく思いつかなかったです。
しかし、、、
実は僕もその日、「イロガワリに似た謎イグチ」を何回か見ていました。
「あぁ、イロガワリに似た謎イグチね、、」
というのがこれです。
傘の径は20cmぐらい
このツヤツヤ感、、わかります?この「焦げた感じ」が「イロガワリに似た謎イグチ」の傘の質感なんです w
管孔は傷つけるとあっという間に青変します。柄とは離生していますな。
柄は少ししか確認できませんが、下部に行くに従って赤みが増している感じです。
そして肝心の肉の断面。
青変はほとんどしておりません、、ところどころ以外。
そして柄の基部はやはり黄色味を帯びているのが判ります。
これぞ「イロガワリに似た謎イグチ」という感じですよね?(笑)
しかし最初の画像とは「イメージ」が異なるんですよね、、、僕の目では。
するとすると、Facebookの方できのこびとメンバーのS田さんからこんなコメントを頂きました。
「これってウラベニニセイロガワリ(仮)じゃないっすか?」
なぬ?ウラベニニセイロガワリとな???
聞いたこと無いなぁ、、と思って検索してみると引っかかったページがここです。
https://ameblo.jp/kanagawakinoko/entry-12396278895.html
ここでは「ウラベニニセイロガワリ城川仮称?」となっているものです。
柄の赤みがかった感じや、傘の質感などとっても良く似ていますね。
しかしここでも「柄の下部が黄色味がかっている」という特徴が見て取れます。
牛研さんによりますとこの神奈川キノコの会の「ウラベニニセイロガワリ城川仮称」というのは「イロガワリに似た謎イグチ」と同種ではないか、ということ。
なるほどなるほど~~~
ってことは、柄の基部が黄色味がかっていないこのキノコは果たして何なのか???
ちなみに「里山歳時記」というWEBサイトでもウラベニニセイロガワリの説明があります。
http://www.satoyama-saijiki.net/Urabeniniseirogawari2014-8-3all.html
この中に「似たキノコ」が一覧されているのでちょっと引用させてもらいます。
アメリカウラベニイロガワリ
イロガワリ
ウラベニイロガワリ
ウラベニワライイグチ(仮)
オオウラベニイロガワリ
う~ん、結局どれとも違う様ですね。
ほんとイグチの闇は深い (*^^*)