材木アート(シックイタケ)

太陽に向かって生える一直線にのびたスギの木には、もう、スギの花が大きく膨らみ始めていました。重さに耐えられなかったのか、道端には生々しい色のスギ枝がぽつぽつと落ちていました。
そんなスギ林の中、(福岡県内では)ほぼ一年を通して見られるきのこがあります。
まるでスギの材に白いペンキを塗ったような、それとも白い絵の具を塗ったような…そんな木をこの林ではよく目にします。
「こんなところに、誰か絵の具でもこぼしたとかいな」
そう思い、近寄ってみると白いけれどちゃんと小さなきのこたちが密集して生えていました。
表面は木材のように硬いけれどスギの木からはこのきのこをぺりっとはがすことができました。裏側をめくると小さいながらきちんと管孔も確認ができました。

『シックイタケ(漆喰茸)』名前の通り、木に漆喰を塗ったように白いことからこの名前が付きました。
しかし、このシックイタケ、環境によってその絵の具を塗ったような白さが見られない場合もあります。
今回観察したところでは近くに水が流れていて、あたり一面コケの森になっていました。コケがびっしりと生えた倒木にわずかながらきのこが列を作って行儀よく並んでいました。

発生環境によっていろいろな生え方を見せてくれるシックイタケ…。予想ができないその生き方はいろいろな考え方を気づかせてくれたようでした。
単色に見える色でも、それは複雑な色が絡み合ってできているもの。ほんと、生き物から学ぶことは多いなぁと感じる一日でした(笑)

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