「六甲山のキノコ展」に行ってきました
1月8日「六甲山のキノコ展」に行ってきました。
六甲山は僕が所属している神戸きのこ観察会がフィールドとしているところでもあります。
ですので「六甲山のキノコ」と聞けばぜひぜひ行かねばなりませぬ!!
さてこの「六甲山のキノコ展」を主催している御影高校には「環境科学部」という部があるらしく、その中の「生物班」という班が今回の展示の中心となって活躍しているらしい。
御影高校の部活動の紹介より、、、
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mikage-hs/seitokaibukatsudou/environment.html
生物班
兵庫きのこ研究会、県立人と自然の博物館、市立森林植物園、神戸YMCAなどと連携しながら、六甲山のキノコの多様性を、標本作製や生態分析から明らかにする活動を行っています。また研究成果は生態学会や菌学会をはじめとして、地域の様々な場所で公開、発表しています。
さてそんな御影高校のみなさんがどんな展示を行っているのだろう?と思って観に行って驚いた。
「すごい標本の数やん!!」
近寄ってきた学生服くんに聞いてみると
「これはですね、凍結乾燥で標本にしています」
とのこと。
「凍結乾燥とは」
キノコを低温で凍結した後、気圧を下げ、水分を昇華させて作る標本。
同じ処理は無理ですが、家庭ではシリカゲルに埋めて冷蔵庫に入れることで形と色の良い標本を作ることができます。
「きのこ検定テキスト」より
そう言えばフクオカきのこ大祭でも乾燥標本を販売していた女子がおりましたなぁ~~(笑)
こんな感じ。
https://twitter.com/kinoko0304/status/934003846623326208
で、後日談がありまして、この乾燥標本女子とは、小倉で行われた「きのこ展」in 犬丸荘で再会したのでした!!
で、
「あれ、もしかしてフクオカきのこ大祭で乾燥標本売ってました?」
「はい、売ってました~~♪」
なんて会話を交わしたりして、、、
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ではでは、その標本達を見ていきましょう~
「おいしいキノコ」たち
タマゴタケがチャタマゴタケになっているのはご愛嬌。
ヤマドリタケモドキなどは、えぇ感じで残っておりますなぁ、、、、
「形の面白いキノコ」たち
さすがにハナビラタケは六甲に無いかとは思いますが、なかなか珍しいキノコたちもおりますね。
カノツノタケ、キブリイボタケ、コウモリタケなどは聞いたこともありませんでした。
それとカンゾウタケはさすがに草臥れたアケビのような感じ(笑)
「アミガサタケ」
アミガサタケは綺麗に残ってますね。
これはノーマルなアミガサタケ。六甲ではトガリアミガサタケが多いので、結構ノーマルは珍しいのですよね。
「見られたり、見られなかったりするキノコ」たち
「見られたり、見られなかったり」というのはどういう意味でしょうか?
おそらく年によって「見られたり、見られなかったり」ということなのでしょうね。
そう言えば何年か前まで毎年見ることが出来ていたモエギタケはここ何年か見た記憶がありません。
もしかして別の場所にひっそりと出ているのかもしれませんが、そういうキノコたち、なのでしょうね。
「チシオハツ」
元の色がくっきりと残っていますね。
キノコによってはこの様に色がしっかりと残るものがあるようです。
ベニタケの仲間はすべからく色が残る、っていうわけじゃないと思いますが、こうやって元の色が残っていると標本しててもきっと楽しくなることでしょう。
「めったに見られないきのこ」たち
このキノコたちはなかなか圧巻でした。
「めったに見られない」と銘打っているだけあって、かなりレアなキノコたちが並んでおりました。
名前を見ていっても馴染みの無いきのこの多いこと、多いこと。
中でも制服くんが自慢げに
「これを見て下さい」
と差し出してくれたキノコがこれ
確か和田匠平くんのブログで見たことがあるキノコですね。
この標本、去年3本見つけたうちの一つらしく、凍結標本にしてやっとこの色が残ってくれたのがこの一本だった、らしいです。
「コウジタケ」
個人的に「欲しい!!」と思ったコウジタケの標本。
ガラス(?)の中に乾燥した後に閉じ込められているのでしょうか?
制服くんに「これどうやって作るのん?」と聞いたのですが「う~む、、」と首を捻ったまま何もでてきませんでした(笑)
しかし、とってもいい色で残っておりますなぁ~(惚れ惚れ)
コウジタケは麹の香りがするらしいですが、僕は未だに麹の香りがしたことがありませぬ。
さすがにこの標本も匂わなかったですな (*^^*)
「再度公園以外のキノコ」たち
確かにソライロタケやアケボノタケは再度公園には無いでしょうね。
六甲山系では僕は一度見たことがありますが、やはり少ないのではないでしょうか、、、
ちなみにベニテングタケなどは100%ありませんな(笑)
「名前がわからないキノコ」たち
うん、乾燥したら余計わからん(笑)
会場は御影駅から徒歩で5分程のところにある「ユースプラザ神戸」。
この様な活動を高校時代から出来る、というのはとっても有意義なことだと思います。
しかもこの標本の多くは、先輩たちが一生懸命集めて、標本として作って、そして残してきた証。
標本というのは研究者にとって唯一無二のものである。
これによって研究者の栄誉も授かることも少なくない、と聞いたことがある。
ほんと大したものです。