瓦屋根のすぐそばで(カワラタケ)
ここは、光が差しこむ森の中。ジメジメとした感覚はあまりなく、どちらかというとカラッとしたような場所でした。その証拠に、地面に落ちた枯葉は足を動かすごとにパリパリと、お菓子を食べているような音を奏でていました。
枯れ木に深い藍色の物が重なり合って生えていました。よく見ると、その子実体は枯れ木を取り囲むように生えていました。それは「カワラタケ」という硬いきのこでした。
カワラタケは、わりと普通に見ることができ、街中にも現れます。言わば、身近で見ることができるきのこなのです。
また、一年中見られるきのこでもあり形が変わったことすら気づかないことが多いです。しかし、カワラタケを観察しているとあることに気がつきます。
重なり合ったカワラタケに、白い粉がついていました。
「お化粧してるみたい…」
その時、カワラタケの裏側から小さな顔を出すものがいました。じっと見ているとカワラタケの縁沿いを歩いたのち、その小さな姿は見えなくなってしまいました。
きになったので鏡を取り出し、カワラタケの裏を見て見ると小さな小さな虫たちが歩いているではありませんか。体の色はオレンジ色や黒色でピカピカと輝いてました。
調べてみると〝きのこむし〟と呼ばれるグループの虫たちでした。確かに、カワラタケの裏側は食べた後のようなものがちらほらと見えました。
ひとつひとつの命はこうして循環をしているんだなぁと、あらためて気付かされた日でした。
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