「きのこ展」 in 犬丸荘(北九州)
アミちゃんの「きのこ展」に行ってきました。
大阪からは新幹線に乗って小倉まで行き、小倉からはJRの在来線で戸畑駅まで約10分足らず。犬丸荘という不思議な名前の未知な空間へは、そこから歩いても10分もかからず行くことが出来る。
犬丸荘って??なんぞなもし??
そんな「異空間」へと自分は足を向けているのだ、と実感しながらアミちゃんが描いた怪しげな地図で現在位置を確かめた。
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そう言えば新幹線に乗った瞬間にこんなメッセージがアミちゃんから送られたきた
「確認だけど郵送料は164円だっけ?」
あいかわらず主語の無いメールである(笑)。
しかし、すっかりその内容から主語を連想することが出来るようになった僕は、正しい文章を頭の中で組み立てた。
「TシャツのLやLLをクリックポストで送る郵送料は164円だっけ?」
とこれが正しい文章である。
こんなことは「ザラ」なので、いちいち気にしてはいけないのだ
問題はその後だ。
犬丸荘のオーナーである犬丸さん家へ宿泊したらしいアミちゃんは、犬丸さんと二人で朝食を食べ、僕の噂話に花を咲かせていたらしい。どうりで朝から鼻がムズムズしていたわけだ。
そして、その勢いで僕にこんなメッセージを送ってきた。
「犬丸さんがめっちゃ会いたがってるよ~」
だいたいこういう時は「おもろいオジちゃん」と喧伝しているのである。そして自分の変なトコロは差し置いて、僕の変なトコロを得意気になってしゃべってるに違いない。
なので、、、
「犬丸さんが会うのをめっちゃ感動してるけん、着いたら紹介するね~」
何だろうこのメッセージは、、、(*^^*)
僕は即座に
「『会うのを感動』って日本語おかしいぞ!」
と返したが、実はこれも何が言いたいのか分かっていた。
分かってしまう、自分が、、怖い(笑)
犬丸荘へ到着
犬丸荘へ到着した。
一つ前の筋を右に折れて、直ぐに間違いに気付き、次の筋を曲がると駐車場に止まっている車に
「いらっしゃいませ 「きのこ展」開催中」
と垂れ幕が下がっていた。
その直ぐ脇にある古びたアパートに足を向けると女性が一人、アパートの一階に入っていき「講演は2階である」と言われて階段を登っていく様子を目にした。
なるほど、、2階へ行けばいいのね、、、
そう思い、ちょっと急な階段をトボトボと登り、女性が入って行った入り口を開けると結構たくさんの靴が見えた。
「あぁ、良かった、人が来てる」
正直、心配であった。
Facebookの友達は多いものの、まだまだひよっこの講演で、しかも戸畑にある「犬丸荘」という不思議空間(犬丸さんすんません w)、そんなある意味ミステリアスゾーンの中に何人の人が講義を受けに来るのだろうか、、、
入り口から部屋に入るための扉を開けてみる。ぎりぎり講義が始まったとこであった。
内容は大きくわけて
・キノコの分類について
・キノコの見分け方
であった。
その講義を聴きながらアミちゃんが、淀みなくキノコの性質について説明が出来、聴くものを飽きさせることなく、しかも知識のベースがしっかりしている、という事を感じた。
それは、1階の居間に置いてある精密なスケッチを見て「あぁあの講義の源泉がここにあるのだ」という事が納得できるのであった。スケッチすることによりその特徴をしっかりと頭の中に叩き込み、まるで地下水のようにそれらの知識を貯めこんでこういう時にその知識の蛇口をひねりドクドクと泉のように湧き出させているのでしょうね。
それでは、そのスケッチたちを見ていくことにしましょう。
人生植菌図譜
まずは「人生植菌図譜」と銘打った不思議な巻物を見て下さい。
全体で8mぐらいあったでしょうか?
全体を載せるには一つ一つの絵が小さくなってしまいますので、何枚かに分けて載せておきます。
確か以前これだけで個展を開いていたと思うのですが、この絵巻というのか、巻物というのか、一つ一つを詳しく見ていけば思わず時間を忘れてしまうのでは無いでしょうか、、、
のぼろ
以前に記事に書いたことがありますが、九州と山口県のみで発売されている「のぼろ」という雑誌に掲載されているアミちゃんの連載(と言っても文章は違いますが w)がありまして、題して「キノコ観察記」といいます。
「以前の記事」
その連載が載っている本がこの写真です。
皆さん買ってくださいね!!
キノコエッセイ
一つきのこをクローズアップして、エッセイ風に仕上げております。
「きのこびと」の記事を書く以前のものらしい、、ちょっとういういしい(笑)
販売しているもの
まずはTシャツ!!
みんな買ってね~~~!!
で、宝珠山きのこ生産組合の「おいしいたけせんべい」と「手ぬぐい」
フロッピー原画
この様な紙に、不要になったフロッピーの読み込み口の部分を外して、紙に貼り付けて、そこに絵を描くというなんともトリッキーな画法で仕上げた作品達。
本人曰く
「あたしねぇ、これスゴイと思っとるっちゃ」
と言うてはりました。
そうだっちゃ?(笑)
観察記
そして今回の個展のメインである「観察記」。
この観察記にはキノコだけに限らず、植物や昆虫、そして風景なども詳細に書き込まれていますので、じっくり眺めているだけでも、山の中にいるような、そんなワクワク感が伝わってくるのですよね。
表紙もその初期の頃からどんどん変わってきているのがわかりますね。
では中身をちらちら見ていきましょう。
きのこ展を見終わって
あれは2年前、「ドキドキきのこフェスティバル」というイベントが大阪で開かれており、その際にあるFacebookのキノコグループのオフ会が開かれたのですが、その時に福岡からイベントのために来ていたアミちゃんと初めて会ったのでした。
そのオフ会で持ってきていた「観察記」。
それを見た時に「う~ん、これはイケる」と思いました。
何が「イケる」のか、という具体的なものを思い浮かんだわけではありません。
単なる、「イケる」です。
でもそれはまだそこから大きな花が咲いたわけではありませんが、こうして皆さんの目に触れ、感動を呼び、記憶に残っていくというのはやはり素晴らしいものであると感じた直感は間違っていなかった、と思えるのです。
単に写真を撮るだけではなく、良く観察し、特徴を捉え、文章に刻んでいく作業というのは、とてつもなく時間のかかる作業であります。それ故に、その時間をかけた分だけ、人の心に浸透していく深度が深いのである、と来ていた人の反応を見てそう実感するのです。
それはもしかして、彼女の意図するところでは無いかもしれません。
いやきっとこれは彼女自身の自己満足のためだけでやっていることなのだろうとつくずく思うのです。
でもその「自分のためだけに」行っていることが、逆に他の人にはまったく媚びることのない新鮮な「輝き」というものを僕たちは感じるのかもしれない、、と思うようになってきました。
もし、本日行ける人がいれば、是非是非行ってみて下さい。
この記事では伝えきれない、もっともっと大きな感動を発見することができると思います。
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最後にニョロ先生の作品達をご紹介します。
精密に作られたキノコたちの粘土細工。
本日の講演で使われるようです、、、(*^^*)