『きのことトリュフの魔法鍋』in きのこの里
菌友たちと大阪心斎橋にある「きのこの里」に行ってきた。
目的はズバリ!
『きのことトリュフの魔法鍋』
を食べるため、である。
実は前に一度僕は行ったことがありまして、その時にこの『きのことトリュフの魔法鍋』を頂いておりまして、この味を是非我が菌友たちにも食べさせてあげたい!!と熱望しておりました次第であります。
そして、その「念願」がやっと叶いました。
人数は6人。
席の都合上カンター席とテーブル席に別れてしまいましたが、席が隣接していたので一体感は損なうことはありませんでした。またカウンターに座らせてもらったので、ちょこちょことレシピや秘訣などについても店の方に聞くことが出来たので、むしろそのほうが良かったのかもしれません。
さて、僕たちが予約していたメニューが
「きのこ狩り付き カジュアルコース」
というやつでして、その中に『きのことトリュフの魔法鍋』は含まれております。それに加えてキノコ観察会メンバーとしてはこの「きのこ狩り」というのは絶対にハズせないですよね?(笑)
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「えーっと、カジュアルコース6つで良かったですかね?」
イケメンの兄ちゃんが聞いてきた。
確か電話で予約の確認をしてきたお兄さんかな?
「あ、それでお願いします~」
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しばらくしてコースの最初の料理
「名物!きのコレ7~7種きのこの食べ比べ~」
が運ばれてきた。
これぞ「きのこの宝石箱やぁ~」
と言いたくなるような一品達ですよね。
ひとつひとつ丁寧に作られたキノコ料理。キノコ自身はさほど主張はしていない代わりに、料理の引き立て役としてちゃんと仕事をしている、そんな感じでした。
もちろんこれはメイン料理ではありませんが、キノコ好きとしては、「小さなキノコ達のささやき」が聞こえてくるようでとても嬉しくなる料理なのでした。
その次に出てきたのがこれ
何が「トリュフ」なのかと言いますと、このポテトフライは
「トリュフオイル」
なんてものを使って揚げられておるのですね。
左のオイルがそれです!!
謎なオイルですよね~(笑)
まぁ「おぉっ!トリュフの味だ~」とは分かりませんでしたが、めっちゃ美味しかったことは確かですよん♪
きっとトリュフ好きのI駒さんがこれを見たら
「そ、そ、そのトリュフオイルどこで買えるのん!!」
と聞いてくるやろなぁ、、、、(笑)
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そんなこんなでちょっとずつお腹が膨らんできました。
そして期待も膨らんできます。
だって次に出てくるものは分かってますもんね~~
なんて言ってるうちにやって来ました!!
どどーーーーーん!!
これが「きのことトリュフの魔法鍋」なのですな。
思わず同定したくなりますよね?(笑)
していいです。
でも、たぶん分からない (^_^;)
基本的にこの中のキノコたちは栽培ものです。天然ものではないのでワイルド感には欠けますが、実に「安心して」食べることが出来ます。いつも天然キノコを追いかけている我らを見ている人たちは、
「え?採ったもの食うんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、正直言うと「安心」と言う意味では栽培ものに勝るものはありません。
しかも手軽で、しっかりと美味しいしね!!
さてさて、ではどんなキノコが入っているかというと左から
- タモギタケ(黄色いやつね)
- かきのき茸(エノキタケの栽培種)
- ブナピー(ブナシメジの栽培種)
- エノキタケ(栽培種だがかなり脚が長い~)
- エリンギ(知ってるよね w)
- トキイロヒラタケ
- 博多スギタケ(スギタケの栽培種?)
- ヤナギマツタケ
- ブナシメジ(たぶん)
あとですね、重要なポイントとしては
真ん中に皮を向いたトマトがあること
そして
トリュフソースが含まれたジュレがかかっていること
この2つがキーポイントとなることを強調しておきたい。
さて、その2つのキーポイントは、それだけでも「おおっ!」と思うのですが、もう一つ覚えておかなければならない最重要な要素があります。
それを言っちゃいますね、いいですか、、それはですね
お鍋のダシがテールスープであること
です。
言っちゃった(笑)
これはね、この魔法鍋の「キモ」と言って良いかもしれません。
つまりテールスープだからそこ醸し出される風味、そしてその風味に包み込まれるように溶け合うキノコの旨味は、多分他のスープではどちらかが勝ってしまってお互いの味を消し合う、、、そんな気がするのですね。
そして、きっと貴方はこう思うでしょう「家でもやってやるぞ!!」とね。
確かに最近はスーパーに行けば、お鍋のスープは売っています。それを使えば、料理の出来ない男たちでもなかなクオリティの高いお鍋を楽しむことは出来ます。
しかしこの「テールスープ」なるものは果たして売っているでしょうか?
無いですよね?
そして器用な方なら、「自分でなんとか作ってみよう」と思うのではないかな?
しかしながらこれを家で再現するのは難しいでしょうなぁ、、、(遠い目)
僕の横にいた「きのこポエマー(自称)」はいろいろ思考を巡らせておりましたが、「無理ですね(ニコリ)」として五・七・五で「テールスープ無理の歌」を詠んでおりました(ウソです w)。
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そして、食べている途中で兄ちゃんがシイタケを持って登場!!
ん?チャラい??
まぁ、そうだね(と、認めちゃう w)
でもね、チャラくはありますが、彼が作ってくれる料理は全て美味しいのですなぁ~
キノコに例えれば一見フニャっとしているが、芯はしっかりして歯ごたえがあり、味も旨味があって美味しい「ハタケシメジ」って感じでしょうか?
通称「シメジ王子」、、嫌かな?(笑)
ん?何もキノコに例える必要ない?
やはりきのこびとだもんなぁ、、キノコに例えるのが一番わかり易い(笑)
で、兄ちゃんが持っているシイタケの菌床から一人一本キノコ狩りをするんですね。
この採りたてのシイタケを鍋に即投入!!
知らない人が多いと思いますが、シイタケの一番美味しい食べ方の一つに
「採りたてを食べる」
と言うのがあります。
どんな料理をしようと、どんな味付けをしようと、この採りたてのシイタケを食べるのに勝るものはないのだよ、、、とキノコ農家の某御仁が言うておりましたな~(マジです)
そんなこんなしているうちにお鍋の半分ぐらいを食べちゃいました。
ここで「でーーん」と残っているのが例の
「皮むきトマト」
であります。
↓↓↓↓ これこれ、、これだす。
で、このトマトをどうするかと言いますとグチャグチャに潰すんですね~
わかります?この潰す意味。
これで一気にスープの中にトマトの酸味が広がるんです。
リコピン酸がお鍋全体を染め上げていき、キノコたちがこのサプライズに驚いている様子が分かるでしょうか?
そしてそのサプライズにもうひとつの役者が登場します。
それを入れちゃいます!!
「生クリーム」
に見えますよね?
シメジ王子曰く
「これだけは教えられない」
らしいです。
「他の事は教えますよ、、、でもね、これだけは、、、」
と、あの軽かった口が急に重くなりしまいには閉じてしまいます。
それだけ重要な企業秘密がこの中に隠れているのでしょう。
そして、それを入れた瞬間に一気にスープが洋風化したのです!!
まずは一回目の「魔法」です!!
あのトマトと、秘密の生クリーム的なものでこれだけ味が変化するものか、、
やるなシメジ王子!!
とことんキノコ愛に溢れておりますなぁ、、しみじみ。
その洋風化した鍋においてもキノコたちは相変わらずいい味を出してくれております。
先ほどきのこ狩りで新たに投入したシイタケもそろそろ食べごろになってきます。がっしりしたその肉厚な姿は美味しいしるし。まさに「私を食べて」と言わんばかり。
満を持してシイタケを皿に運び一口パクリ!
「やはりシイタケがキノコの最高峰やなぁ、、」
なんて事をつぶやきたくなるような美味さである。それもそのはず、食べ菌達は天然のキノコを採って、食べることに夢中でその存在を忘れたかのようであるが、シイタケはグアニル酸という旨味成分を含んでおり、しかも乾燥するとレンチオニンという香り成分とグアニル酸が増すというキノコの中でもエリート級の素晴らしいキノコなのだ(キノコ検定本で勉強したぞ w)。
そして、だいたい食べ終わった時に、またシメジ王子が登場する。
「いいですか、皆さん!!」
もったいぶった言葉であるが、悪い気はしない。
「これから食べるものの為に、お鍋を食べる、といっても過言ではありません!」
そう言ってご飯をその鍋の中に投入する。
そしてご飯にスープが染みてきた時を見計らってお椀を持って再び登場。
そのお椀の中にはタマゴとチーズが入ってる。
...そう、コースの〆であるリゾットを作ってくれるのだ、ブラボーーー!!
それがこれ
このリゾットはお鍋の中に入っていたキノコの旨味成分がすべてこの中に凝縮されている、というシロモノです。
こんな中身の濃いリゾットは簡単に作れるものじゃないことはおわかり頂けるでしょうか?
なのでもう一度シメジ王子の言ったことを書きましょう!!
「これから食べるものの為に、お鍋を食べる、といっても過言ではありません!」
はい、王子の言うとおりです。
一ミリの間違いもございません。
そしてデザートはこれトリュフがちょろっと載ったアイスクリーム。
あ、この黒く大きいのは例のアレです、、大阪人のお約束ね(笑)
こんな素晴らしいコースがたったの2500円で食べられるのですよ。
一人でも多くのキノコ愛好家にこれを食べて欲しい、と思ってしまうのですよね。
大阪に来た時は是非ここに来て「魔法鍋」を食べてみて下さい。
間違いなく「キノコ愛」は深くなる事でしょう~❤❤