二階建て

あるとき、父から一通のメールが届いた。
「あみさん、変わったきのこがあるっちゃけど、これなんやろうか?」
また、何か変わったきのこをみつけたらしい…

早速、その写真を見てみる。写真には紅色の傘で柄が白っぽいきのこが写っていた。
「これ、普通のベニタケやないと?」
返信をし、数十分たったのちメールの返信が帰ってきた。
「いやいや、でもさこんなに二階建てになるとかいな?」
もう一度見てみる。そのきのこは傘の上にもう一本、きのこが乗っていたのだ。

「なにこれ!すごくない!」
「いまさ、このきのこって生えとると⁇めっちゃ見に行きたいんやけど…」
父に返信をした。
すると、数十分たったのち電話がきた。
「これいまあるよ!」
その一言だった。メールで返せばいいと思うが、おそらく操作が苦手なのだろう…
ただ、何も言わず心の中でちょっと笑ってしまった。

現地を訪れてみる。
シイの森の中をとことこ歩く。ちょうど雨が降った後だったので蒸し暑く、蚊がたくさんまとわりついてきた。
あちこちにかゆみが襲い歩くのがとてもしんどかったが、目の前にそれは現れた。
あの写真そのままの姿で立っていた。
「これか~」
特徴を見てみる。
・赤い傘で白っぽい柄
・柄を触ると、中がスカスカのようだ(虫食いの恐れあり)
・きのこは縦に裂けずぼろぼろになる
この特徴から、ベニタケの仲間ということがわかった。
ベニタケの仲間の大きな特徴は子実体が縦に裂けす、ぼろぼろになることだ。
ただ、種名(そのきのこの名前)にたどりつけるつけるのは難しい…
なぜなら、似ているものがたくさんあるからだ。

今回もこのきのこは「ベニタケ類」と同定した。

きのこは、生息環境によって大きく変化し時には悩ませることも多いが、ただ、私たちに自然環境の様子や面白さを与えてくれる生き物なのだ。

 

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