謎イグチ図鑑 その5
「謎イグチ図鑑」は私的メモ的なもの。調べて分からなかったイグチを勝手に謎イグチとして載せております。ですので、後でこれじゃないか?と判明するかもしれませんが、それはそれ、これはこれで(笑)。
栃木のとある公園で見つけたイグチ。栃木の菌友何人かとキノコ散策をしていて発見したもの。ただし、他の菌友からはほとんどシカトされ(近くにキタマゴタケがあってね、騒然としてたの w)、結局顧みられることの無かった可愛そうな子なのだが、それでも僕は念の為とこのキノコの観察を始めた。
ぱっと見ただけじゃわからない。
そして
よく見てもわからない(笑)
困った困ったこまどり姉妹、、、ってことで後々検証出来るようにするため謎イグチ図鑑に載せることにしました。
ただ最初にこれを見たときは僕自身あまり興味を引くものではありませんでした。その姿からして管孔が白、もしくは紫で、齧ったら苦いやつ、、、、そうニガイグチの仲間だと思ったわけです。
ところがです。
こいつをひっくり返してビックリ、そして引っ掻いて2度ビックリ!!
青変するとは思っていなかったので、傘裏書道するのを忘れておりました(笑)
いや、そんなことはどうでも良いのですが、この青変の濃さを見てください。もう「青変」というより「黒変」に近い濃紺なのです。
また青変する速さもあっという間なのでした。
さて、ここでもう一度このキノコは何だろうか、、と考えてみる。
少なくともニガイグチの仲間ではなさそうだし、管孔は全体的に黄褐色で、少し赤みがあるように見える。
もしかして、イロガワリの仲間だろうか???
管孔の拡大写真を見てみます。
管孔は淡黄色で少し赤みがさしています。
こういった感じはイロガワリの仲間に多い気がします。
たとえば、こんなやつ
黄色の地に赤みがさしているのがわかりますね。
これはアメリカウラベニイロガワリ近縁種の傘の裏です。
この手の傘の裏は黄色~赤褐色まで結構バリエーションがあるのですが、少し赤みがさしているのも珍しくはありません。
ふむむ、傘の裏だけ見ているとイロガワリの仲間に見えるな、、、
と、推測はここまでにしておいて、柄の部分も特徴的なので見てみましょう。
なんと網目があります!!(@_@;)
肉は白っぽい地に赤い網目が柄の上部から中部より少し下あたりまであり、下部に行くに従って網目が深くなっています。
良く見える様に拡大してみましょう。
これですこれ、、見たことありますか?
少なくとも僕はこの柄の質感に見覚えはないです。例えばイロガワリの仲間達も網目があるものはありますが、この様な白地に赤の様で繊細な網目のものはたぶん無いんじゃないかなぁ?
で、強いて言えばヤマドリタケモドキなどはこの様な網目模様なのですが、、、でも赤じゃないけどね(笑)
そして真っ二つに!
ものの見事に傘全体と柄も瞬時に青変します。
やはりイロガワリの仲間・・・・なのでしょうか?
謎です。。。ほんと。
ではここで、特徴を記しておきましょう。
大項目 | 小項目 | 詳細 |
場所 | 都道府県 | 栃木県 |
標高 | 約100m | |
環境 | 自然公園 | |
植生 | シラカシなどの樹下 | |
時期 | 日付 | 2019.9.1 |
傘 | 色 | 肌色っぽい |
質感 | 少しビロード状、粘性なし | |
傘裏 | 形態 | 管孔(穴は小さい) |
色 | 淡黄色で少し赤みがさしている | |
青変 | あり(黒に近い)、素早い | |
柄に対して | 少し離生 | |
柄 | 色 | 白地に赤い網目、下部は黄土色 |
太さ | 直径1cm | |
形 | やや下部に行くに従い太く | |
肉 | 形態 | 中実 |
青変 | 全体的に素早く青変する |
もし「これだ!」という方がいれば教えて下さい。
“謎イグチ図鑑 その5” に対して2件のコメントがあります。
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広義のアメリカウラベニイロガワリではないかと・・・・見えますが。。。。長野県で特にイグチに特化して研究されている種山さんと言う方によると、同キノコは、類似種が10種類位あるそうです。私は、顕微鏡も持たないレベルですが、参考までに
髙橋正博
どうもありがとうございます。
Twitterの方で種山さんから Suillellus luridus の近縁種じゃないか、というコメントを頂いております。
和名は一応「ウラベニイロガワリ」とついているそうですが、まだ日本での報告例はないそうです。