クジラはいずこに…(クジラタケ)
肌にあたる風はとても冷たく、指先は真っ赤になっていました。寒さでかじかんだ指先は、物をつかんだ感覚も鈍らせるものでした。
ここの桜並木では葉がなくなり、地肌が露出した木が悲しげにたたずんでいました。
近くの公園をあるいていると、落ち葉だまりのような場所を見つけました。地面に落ちたサクラの葉は重なりあいながらいろんな生き物の通り道になっていました。小さな小さなアリが目的地を目指して歩いてたり、どこからか落ちてきた水は枯葉に落ち、滑り降りるかのように地面へとしみ込んでいきました。そんな風景の中、サクラの枯れ枝がぽつぽつと落ちていました。
「きのこ」は漢字でかくと「木の子」。つまりは、枯れ木に生えている姿から生まれた言葉だといわれています。
ということは、あそこに落ちている枯れ枝にも何かついているかもしれません…
近寄って見てみることにしました。
「あった、あった」
遠目からでもわかるような、白くて大きくて、硬いきのこ…
それはよく見られる”クジラタケ“というきのこでした。
「クジラタケじゃん!」
「でも、なんでクジラタケなのかなぁ、クジラには見えないよな…」
しかし、このクジラタケ。
なぜこのような名前になったのかはまだわかっていないそうです。
意外とどこでも見られるきのこほど沢山の発見がありそうですね。
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