とんがり帽子の表と裏
「よし!今日は林道走るぞ!」
「朝から元気だね~」と言わんばかりにみんなの視線がこちらに集まってきたように感じた。
今日は久々に外に出れる日。こんな機会は逃しませんよ(笑)
車は、車道から山道へ…。まわりを見渡すと苔植物やシダ植物が肩を寄せ合いながら生えていました。
「ここは湿気が多いんですね。」
「ちょうど谷やからねぇ」
地元のおじちゃんは、車を運転しながら山について語ってくれた。この場所はもともと緑に覆われたところで道はなかったという。植林をしてからというものの、伐っていたのは一時期だけで気が付けば木は大きく育ちそなままになっているそうだ。
「昔はなぁ黄色いマントを広げたきのこがでとったんやけど、もう見れんごとなったな。」
車を走らせていると苔の間から赤いきのこが何個か目についた。
「すみません!ちょっと停めてください!」
「おっなんかみつけたんか?」
端に車を止め、現地に向かうととんがり帽子のかわいらしい赤色きのこがありました。
ぱっと見ためヌメリガサの仲間。そして、よく見てみると傘の一部が黒く変色をしていました。
「もしかして…」
そのきのこを触ってみました。それから10秒ほどでしょうか。じわりと灰色に変色していきました。
「アカヤマタケだ!」
早速地元のおじちゃんにこのきのこを見せてみた。すると…
「特徴を言われてもね~ちびっちゃいきのこやけんわしの目では見えんわ」
「でもですね、このきのこ時間がたつと黒くなるのが特徴なんですよ!ちょっと、車においとってもいいですか?」
「それはいいばってん、本当に色がかわるんか?」
作業場に戻りあのきのこを見てみる。
すると…赤色だったきのこの色が黒色へと変化していました。
「色が変わっとる…」
地元のおじちゃんもアカヤマタケを手に取り不思議そうに見ていました。
どうして、赤色から黒色へと変化するのか。。。これもまた、謎の一つです。
まるで太陽が当たっているところと日陰が出ているところのように色の差ははっきりと出ていますね。