紫の錯覚
今年は、このきのこをよく見る年であったように思う…
今年の夏、太陽が鋭く光っていた。…この時期テングタケ類やイグチ類がでていてもおかしくないのに、その姿すら見る機会が少なかった。
「こりゃ、秋にぼっと出るかもしれんね。」
「でたらいいけどね~」
菌友たちは、何度もこの会話をしている。
秋に入り、大雨の日が何度も続いた。それに伴いきのこたちも一気に出てき始めていた。
「あっヒメベニテングタケ!あっちにはカバイロツルタケもあるよ!」
「すごい~シロマイタケがあったん!?」
「きてきてーこっちはナラタケがバリバリなってるよ!」
周りから声が消えることはなく数歩歩けばきのこ。しゃがむときのこがある。そんなきのこまみれの世界だった。
みんなできのこを探している最中、私は後ろのほうから歩いていた。
すると、やや左手に濃い紫色のきのこが生えていたのに気が付いた。
「あら?ムラサキフウセンタケかな?」
しかし、不思議なことにこのきのこの存在に気付く人はいなかった。
「あっムラサキフウセンタケがありましたよ!」
大きな声でみんなを呼んだ。
「あらーこれは気が付かなかったね…」
「紫色だからすぐにわかりやすそうなんだけどねぇ」
確かに、ムラサキフウセンタケは名前の通り濃い紫色をしています。茶色とかではないので見つけやすそうですが、これがなかなか見つからないんです(笑)
光の加減にもよりますが、木漏れ日が差している林内だとわりかし見つけやすいですが、曇天の林内では薄暗くよく目を凝らしてみてみないとみつかりません。
ムラサキフウセンタケはどちらかというと人里に近いところで見かける気がします。
人里に近いといっても、まぁ人の目もたくさんあるので見つかりやすいというのもあるかもですね。