きのこの100不思議
私が学生のころには書店の自然科学のコーナーでけっこう幅をきかせていた「100不思議シリーズ」の一冊。
何のことはない、いろんな人たちの持ち寄った見開き2ページ分のコラムを100コ寄せ集めたという、いくぶん投げやりながらも多彩な(悪くいえばゴチャゴチャな)内容。
社団法人が編集者(現 一般社団法人日本森林技術協会)ということで、原稿を依頼された人々が、森林総研や国立大の研究者など、相当に官公庁寄りではあるのだが、さすがにこれだけ人数がいるので(一人で複数書いてる人がいるので80人くらい)、かなりいろんな話が読める。メインはやっぱりキノコの生態や変わったキノコの紹介、それに栽培キノコや毒キノコ、薬用キノコなんかのエピソード。中にはオオキノコムシの研究やキノコの方言の地域性なんかの話もあっておもしろい。たまにアカデミック(マニアック?)過ぎてよくわからんのが混じってるけど。
今じゃ飯沢耕太郎さんが頑張ってるけど、文系方面からのアプローチが多ければ、もっと多様にできたと思う。ただ、それだとますます雑多でわけわかんなくなってしまうので(本屋のどこを探せばいいのか分からなくなる)、とりあえずこれでいいと思うよ、ウン。
三洋電機の研究者でヤコウタケの研究してる人がいたのには笑った。缶詰会社の取締役が次代のマッシュルーム工場について熱く語ってたりするのもいい。もっと民間の人ばかりを集めて同じような本をこさえてみたいなー。かなり面白い本になるかもしれん。
「月刊きのこ人」(こじましんいちろう)2012年01月31日に掲載分を再掲載
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