ヤマケイポケットガイド15 きのこ
写真図鑑のヒットを連発してきた山と渓谷社の人気シリーズ『ヤマケイポケットガイド』の一冊。
手のひらサイズの携帯図鑑にはきれいなキノコ写真が収められており、さらに生育場所や発生時期、形の特徴などを箇条書きにしてあるきのこデータ、くわえておなじみ小宮山さんのソフトで要を得た解説文が添えられている。
構成は、発生場所別(シイ・カシ林、カラマツ林など)になっていて、キノコ狩りにはもってこい。箇条書きのデータが使い勝手がよい上に写真のレベルが高く、見ているだけでも楽しい。
スペースの都合上、掲載種が約220種と物足りないのと、字が細かくて読むのが少しつらいのがタマに傷だけど、数多あるコンパクト図鑑の中では傑作の部類に入るだろう。このサイズの制約の中でよくぞやった、という感じ。内容を別にしても、このサイズ、厚み、重さ、装丁の配色バランスまで含め、持っていてなんとも気持ちがよくて絶妙なのだな、これが。
ちなみにこの写真のは2000年発行の旧バージョンのもので、現在は2010年に発行された新装版『新ヤマケイポケットガイド10 きのこ』が出回っている。ところがこの新装版というのが、この旧バージョンのより大幅にダサい装丁で。しかも紙質が変わって厚みも重さも半分近くに。「コンパクトになって使いやすい」って?
違う、それは違うんだ!
ああ、せっかくのパーフェクト持ち心地が……ちょーっと責任者さん、出て来てくんないかなー。
「月刊きのこ人」(こじましんいちろう)2012年01月26日に掲載分を再掲載
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