きのこに、オス・メスみたいな性があるのでしょうか?
きのこの性について(1)
はじめましてw
この”きのこびと”に、入れて入れて~!もう原稿書いてるから!と半ば強制的に仲間入りを果たした”はやし”です。
菌類を勉強しています、それでいて、ヘンテコな実験が趣味ですw
さてさて、記念すべき最初の投稿は、
わたしがきのこに憑りつかれるきっかけとなった、“きのこの性”について、、、
・・・これ非常に説明するのが難しい!!
ちなみに、
キノコに、オスとメスみたいな性があると思いますか??
動物だって植物だって、オスとメスがあるくらいだから、
きのこにだってそういうのはきっとあるだろう・・なんて思ってはいませんか?
答えは、キノコにはオスメスのような区別は・・・ない!!
ちょいとめんどくさい説明をすると、
生物学的な“性”の定義は、自分とは違う遺伝子を受け取る側がメス、遺伝子を与えるのがオスってことになってます、
その定義で考えると、キノコは自分とは違う遺伝子を受け取る側にも与える側にもなるので、性はないってことになります
ぢゃぁ、キノコの交配はどうやって説明するかというと、
オスメスの代わりにキノコの場合は、“極性”なんて言葉を使います
極性の数え方は、ザックリと自分と同じパターンか違うパターンか、で数えます
そして、そのパターンは“因子“って言葉を使います
担子菌キノコで一番多いといわれているのが、
スエヒロタケやエノキタケにみられる四極性(A因子、B因子)で二対の不和合因子があるパターン
(AB、AB、AB、AB *同じ色は同じ因子)
だから、4極性、A・B因子どちらかでも同じパターンがあると交配できないので、二対の不和合因子がある、という)
四極性のほかにも、二極性(A,A)で一対の不和合因子があるキノコ(ササクレヒトヨタケなど)、
ナヨタケ属(Psathyrella coprobia)には三対の不和合因子(A,B,C因子)で八極性なんていうすごいやつもいる!!
まったく、交配のパターンもヒトや植物のように単純ではなく、
わけわからんくらいバラエティに富んでいて複雑なんですねぇ~・・!
わたしが、きのこの生態を考えるときいつも感じること、
「ヒトの常識はまったく通用しない!」
↑ ここ大事!!
ちなみに、一番上の写真は、スエヒロタケの培養菌糸を核染色したものです、黒いポチポチが核です、
きのこは、ひとつの細胞に2つ以上の核を持っている(通常は2つ)と教科書に書いてありますが、
なんと!実際に核染色をしてみると、一つしか核を持ってない細胞や、核を失っている細胞もある!!
まったく、教科書通りにいかないところがイケずでたまらなく好き♡
もちろん、きのこの性の話はこれだけじゃありません・・・・・
どうしてこんなに複雑なのか~?
次回は、そんなことも交えてここに書けたら、って思いますw