「きのこ!キノコ!木の子! ~きのこから眺める自然と暮らし~」(その1)
大阪自然史博物館で明日7月21日より開催される特別展「きのこ!キノコ!木の子!~きのこから眺める自然と暮らし~」に一足早く観に行ってきた。
あれは2週間前、生キノコのサンプルを募集していると聞いていたので、大阪の箕面で採取後、博物館の方に届けにやってきたんだけど、その時にチラッと「展示するであろう」内容を見せてもらった。
で、その時の思ったのが
「こんな状態で間に合うんやろか、、、(@_@;)」
であった。
そんな状態から、良くぞここまで!!って感じの見事な展示とその内容でしたが、大阪自然史博物館の学芸員でもあり、今回の特別展の責任者でもある佐久間さんがポツリと
「あんな状態からここまでよく頑張ったでしょ~」
と苦笑いされておりましたな。
ではでは前置きはここまでにしてちらりと内容を紹介したいと思います。
まずはこの特別展のポスターを穴があくほど見て下さい(笑)
なにか気づきました?
こうやってポスターにしてしまうと分かりにくいのですが、実際のものを良く見てみると、このキノコたちに不思議な陰影がついているのがわかります(会場前の巨大ポスターならもっと良く分かります)。
その不思議な陰影はどこからくるのか、というと実はこのキノコたち実は「切り絵」で出来ているのですね。
なので、見れば見るほどその陰影に心を奪われていくことだと思いますので、まずは入り口前の大きなポスターでじっくり眺めること、そしてうっとりすること、それがまず一つ目の「見どころ」なのですね (*^^*)。
1.台所からはじめるきのこ観察
最初にこの展示があるのは少し意外と思われるかもしれませんが、実は「今回の展示会の目的」がそこにあるのです。
佐久間さんが内覧会の場でこんなことをお話されました。
「今回の特別展では『一般の方がキノコについて図鑑を見て調べる』そんな繋ぎの役割が担えたらなぁ、、と思ってます」
この様なニュアンスだったかと思いますが、その役割の「最初の第一歩」がこの「台所からはじめるきのこ観察」であることは、実に自然な流れなのだと思いますね。
しかし「台所からはじめるきのこ観察」のパネルに北大路魯山人の話が出てくるのですが、ここに「椎(しい)の木で栽培したシイタケ」と「櫟(くぬぎ)の木で栽培したシイタケ」は味がまったく違う、と書かれているのですが、どうなのでしょうかね?
僕自身は「菌床栽培ものも美味しいぞ!」と主張したいのですが、、、(笑)
2.きのこから見る自然
「ん?この方はどなた??」
と思うかた、たくさんいると思います。
でもキャプションを見てもらえれば、「あ!」という方も沢山いるかと。
僕もお顔は初めて拝見した牧野富太郎さんです。
京都の一乗寺にある有名な本屋「恵文社」で「牧野日本植物圖鑑」という本が置いてあって、買って帰るかどうするかで1時間ほど逡巡したという思い出がある、あの「牧野富太郎」さんです(知らんがなってか w)。
そうですねぇ、NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」を観ていた人ならもしかして記憶に残っているかもしれませんが、植物オタクの坂口健太郎演じる青年はこの牧野富太郎がモデルだと言われております。
この松茸を愛でる表情はあの坂口健太郎演じる青年を彷彿とさせませんかね?(笑)
で、この「きのこから見る自然」というブースなのですが、ここには日本人に古来から愛されてきたキノコ、松茸の事について、いろんなエピソードとともに「いかに松茸が人気があったのか」などが分かるようになっています。特に南海電車が作っている「沿線案内」などからその「人気ぶり」を伺い知ることができたりします。
これは松茸の栄枯盛衰を知るにはとっても面白い「見もの」でありますね。
キノコの絵がマークとなって沢山ついているのがわかりますか?
ちょっと見づらいので、和歌山市駅周辺を拡大してみました。
泉南の山々にキノコのイラストが並んでいます。
3.いろいろなきのこ
さてここからは少しマニアックになってきますが、「きのこの事を知りたい!!」という方にはこれほど嬉しいものはありません。
ここでは代表的なキノコを「属(または仲間)」毎にその特徴などを説明してあり、例えば今見つけたキノコが「こんな特徴がある」から、「あぁこれは、○○属のきのこだよね」というキノコの名前を探り当てるとっても良いヒントになるのですね。
で、ここでまた嬉しいのが、属(または仲間)の解説と、そのスケッチ(恐らく本郷次雄先生のもの)、そしてその標本までが一緒に展示されていること。これはキノコをやっている人にとってはとっても勉強になるものだと思うのです。
はい、みんなの大好きなヤマドリタケの仲間です。
この特徴をしっかりと目に焼き付けていたら、僕のようにホオベニシロアシイグチとヤマドリタケモドキを間違えて、俗に言う「すっぱパスタ」(ホオベニシロアシイグチは酸っぱいのです w)を食べなくても済むというわけです(笑)
ハラタケ目の系統図があったり、、、(@_@;)
これはもしやKさんが持っていったカゴタケの標本やん!(*^^*)
そしてそして、、、!!
「大阪・箕面のシイ林のキノコ」というタイトルに目が釘付け(笑)
「え?これ僕と39さんが持ってきたキノコやん!!!」
生キノコを募集しているということで採取して持ってきたキノコたちがこんな形で展示されるとは思ってもみませんでした。
佐久間さんに聞いてみたら
「はい、いりささんが持ってきたときにはとくに考えてませんでしたが (*^^*)」
とのこと。
つまりは急遽設置が決まった、って感じなのですな、、さすが。
こういう形で持ってきたキノコたちがまとまって展示されるっていうのは、とっても感慨深いものがありますねぇ、、、
ちなみに下の写真は、持っていった時に既にフニャフニャだったホオベニシロアシイグチ
こうやって見るとなかなかカッコよいではないか!!(笑)
皆さんも是非是非このキノコたちを観に来て下さい!!
「その2」につづく、、、