酸っぱいお肉
気が付けば秋も過ぎ、寒さもより一層厳しくなってた。
夜は寒く、朝には葉っぱやガラスに氷の結晶ができていた。
「よし!この時期は、地下生菌が出る時期やね!」
※地下生菌とは…地中もしくは地上付近に子実体(きのこ)を形成する菌類のこと。世界三大珍味のトリュフはこのグループに所属する。
今回は実家から、近くの里山へと足を運んだ。
この場所は“ツブラジイ”が立ち並んでいる森で、昔、樹木は薪炭として利用されたのだろう。あちらこちらにある木は幹がやや細く株状に立ち並んでいた。
「この辺かな~」
この辺りではやや大きいツブラジイのそばにやってきた。落ち葉が積もりふかふかしている。
落ち葉をめくってみる。冬眠中の虫たち、そして驚いてでてくるムカデたち。よく見るとちいさなトビムシたちもいた。
一息つき、小鳥たちのさえずりを聞きながら周りを見渡してみる。
間隔のそろったツブラジイ林はとても落ち着く。冷たい風や雨も守ってくれるしこぼれ日は優しくつつんでくれるかのように暖かかった。
そんな時、ウチワタケがびっしりついている木が一本。目についた。
「ん?ウチワタケやないのもおるな~なんだろう…」
実際に行ってみた。
「やば!カンゾウタケやん!」
その正体はカンゾウタケというきのこだった。
このきのこ、生えるイメージが春しかなかったのだが実は10月頃にも生えることがあるのだという。(図鑑にも書いてありました)
しかし、このカンゾウタケ。本当に肝臓のような色、形をしています。そしてとても肉厚なのです。
断面を切ってみると霜降りのような白っぽい模様。まるでお肉みたいです…これはおいしかろう。と思い食べてみました。
カンゾウタケのもう一つの特徴。それは酸っぱいということ。
今回は刻んでスパゲッティの中へ…やはり酸っぱいですね。
春も秋も酸っぱさは変わりませんでした(笑)