ムラサキシメジを分解する

場所によってさまざまであるが、ここ六甲山系では11月の頭ぐらい(晩秋あたり)からこの紫色のキノコを目にする事ができる。
良く見るのはシイやコナラの落ち葉溜まりで、ちょっと薄暗くいようなところの落ち葉をかき分けてその頭を出しているような事がおおい。

ただこの写真のムラサキシメジはなかり明るい場所で、「落ち葉をかき分けて」というわけではないところに出ていたので、多分であるが紫色が濃く出ているのではないかと思われます。
実際去年出ていたものと比較すると歴然。

写真の違いもあるかもしれませんが、こちらの個体は少し紫色が薄い感じです。

これは単なる仮設ですが、落ち葉に埋もれていたり、太陽の日が当たらない場所などで成長すると傘の色が日に当たったものよりも薄い色合いになってしまうのではないのでしょうか?

ムラサキシメジの特徴

このムラサキシメジの写真を見て「こんな分かりやすいものはない」と思う人、手をあげてください(笑)

そう、最初はそう思うのです。
でも「これムラサキシメジだよね?」というきのこの中には違う種類のものが案外沢山あったりします。

なので、形態的な特徴をまず押さえていきましょう。

  • 最初全体が紫色で美しい
  • しだいに色褪せ、ことに傘の表面は汚黄色または褐色を帯びてくる
  • 傘の経は6~10cm
  • まんじゅう型から開いて平らになる
  • 縁部ははじめ内側に巻く
  • 肉は淡紫色、緻密
  • ヒダは湾生または小歯により多少垂生、密
  • 柄は4~8cmx0.5~1cm
  • 普通基部は膨らみ
  • 表面は繊維状、中実

「原色日本新菌類図鑑」より抜粋

上の写真で言うと

・最初全体が紫色で美しい
・傘の経は6~10cm
・まんじゅう型から開いて平らになる
・縁部ははじめ内側に巻く
・柄は4~8cmx0.5~1cm
・普通基部は膨らみ
・表面は繊維状

という特徴を観察することができます。

これではまだ確証が得られないよ、、、ということで分解してみます。

ムラサキシメジを分解する

ヒダフェチにはたまらん写真ですよね~(笑)

この写真ではまず傘の裏をじっくり観察してみてください。

ここで確認できるのは

・縁部ははじめ内側に巻く
・ヒダは湾生または小歯により多少垂生、密
・表面は繊維状

傘の縁部を見てください。
すでに成菌なのにも関わらず、内側に巻いているのがわかります。
そして何よりもヒダ。
このヒダは湾生しているのわかるでしょうか?

ヒダと柄の接する部分(キノコ検定本より)

そしてヒダは「密」でもありますね?

では真っ二つに切ってみましょう。

多少中に虫が巣を作っておりますが・・・(笑)
以下の特徴が観察することが出来ます。

・縁部ははじめ内側に巻く
・肉は淡紫色、緻密
・ヒダは湾生または小歯により多少垂生、密
・柄は4~8cmx0.5~1cm
・普通基部は膨らみ

基部の部分はちょっと微妙ですが、良く見れば膨らんでおります(汗)

なのでこの個体はこうやって見る限りムラサキシメジの特徴を良く表している、と言っていいでしょう。

ムラサキシメジなのか、君は?

これだけ特徴的なムラサキシメジ。

「もうオレは確実に同定出来るよ!」

というあなた。
僕もそうでしたが、その自信が崩れることも、、、時々あります。

この紫色の子、なんだと思います。

まだ幼菌なので、わかりづらいですが、

・最初全体が紫色で美しい
・まんじゅう型から開いて平らになる
・縁部ははじめ内側に巻く

「縁部ははじめ内側に巻く」は微妙な感じですが、、(汗)

でも何か「質感」的なものが違うと思いませんか?
なんかこう「しっとりとした」ところが無いのです。

では傘の裏を見てみましょう。

こちらも幼菌なので何とも言い難いとことはありますが・・・

・ヒダは湾生または小歯により多少垂生、密
・柄は4~8cmx0.5~1cm
・普通基部は膨らみ
・表面は繊維状

ヒダは湾生しているように若干見えます、、、が怪しい。
ただし、、基部はめっちゃ膨らんでおります!!

これ、ムラサキシメジなのかどうか、、、自信ないのですよね、、、

じつはフウセンタケ科だったりして・・・・(笑)

Facebook コメント

Follow me!

コメントを残す