きのこの好み①(テングツルタケ)

「このきのこは、結構どこでも見られるきのこである。」
※福岡県での発生状況です。地域で異なる場合があります。

とかいいつつも、このきのこもいろいろな場所で発生するのではなく、決められた場所・環境に生えます。

きのこはみんな、「好みの場所」というものがあります。

 

例えば、

①シイタケ(枯れたシイ、クヌギ類に生えます)→腐生菌

②タマゴタケ(生きているシイ、コナラ林の地上に生えます)→菌根菌

③ヤグラタケ(腐ったきのこに発生します)→寄生菌

 

このようにきのこも大きく分けて3つの役割があります。
今回紹介している「テングツルタケ」は②の菌根菌になります。
菌根菌とは、菌根(菌類が植物の根に入ること)を作って植物と共生する菌類のことです。

 

この「テングツルタケ」、これは、うちの父が採取をしてきてくれたものです。(再度登場です)
うちの父は、時間を見つけては近くの公園を散歩します。そして、きのこが出ているのか見てくるのです。いわゆる「きのこパトロール」ですね(笑)
この日は、ちょうど実家に帰ってきた日で、帰った直後、机の上に3種類くらいのきのこが並べられました。

「あみさん、そこの公園で見てきたやつなんやけどさ。テングタケ類っぽいけど。食べれんやつよね?」

並べられたきのこを見てみる。左から順番に、キタマゴタケ、タマゴテングタケモドキ、テングツルタケ。
まるで暗号を言っているかのようですね(笑)
キタマゴタケは食べれるが、どうも虫食いが多く父も食べる気はしなかったらしい…
そのほかは毒きのこである。

どういう場所に生えていたかとてもきになったので、帰って早々、現地に行くことにしました。この公園は昔からある公園なのですが、実はこの公園、近所なのに最近知りました(笑)
この公園は主にアラカシ(ブナ科樹木)が多く生えている公園で、梅雨時期になると一気にきのこが出ます。
この「テングツルタケ」もアラカシの木の周辺にぽつぽつと発生しているのが確認できました。
この発生場所は、昨年と同じところですね。

 

「菌根菌」の面白いところ。
それは、“共生している樹木が元気であると毎年同じ場所に発生する”ということです。
また、その環境が豊かであれば発生するきのこの種類も多くなります。
きのこは同じ種類でも生える環境というのは違ったり、思わぬところで新発見をしたりします。
きのこは知れば知るほど興味がでる。こうして、はまっていくのでしょうね(笑)

次回は「腐生菌」についてお話をします。

 

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