「ヤコウタケ栽培キット」とその撮影方法を考えてみる
「ヤコウタケ栽培キット」というのをご存知だろうか?
岩出菌学研究所が開発して販売している「ヤコウタケ」を栽培できるキットなのである。
この写真をキノコにはまったく興味の無い友人に見せたところ、
「是非これを買いたい!!」
とLINEメッセージが飛んできた。
「『ヤコウタケ栽培キット』で検索してみ、運が良ければ買えるんちゃう?」
と教えてあげたら、
「もう売って無いって、、自分だけ楽しむつもりだな」
と返事が来た。
しかたない、僕が注文したのは発売開始より少し遅れて5月17日。
そこから毎日水をあげて、やっと大きくなったのが約2週間後の6月3日。
もうその頃には売り切れの状態になってたみたいだ。
「で、いつ売り出すん?」
と聞いてきたので、
「そやなぁ、、言うてもキノコやからなぁ、、季節の問題があるんで来年やろなぁ、、」
と言うとやっと諦めがついたようだ。
【注意】
ウェブサイトを見ると、2017年の販売は秋にも行われるそうです。。
「ヤコウタケ栽培キット」ってなに?
ヤコウタケ(Mycena chlorophos)はその名が示すとおり「夜」に「光」る「茸」なのです。
しかもその光の量は同じ光るキノコである「シイノトモシビタケ」に比べて10倍以上と言われています。
クヌギタケ科のキノコなので、クヌギタケを知っている人が見ればクヌギタケの特徴をそのまんま表しているのがわかります。
そのヤコウタケの人工栽培に成功し、個人でもその説明書に従って温度管理、湿度管理を行えばヤコウタケの菌糸が含まれている土の中と、腐葉土からヤコウタケの子実体(キノコ)が顔を出し、そしてキノコの形を作り出し、夜、電気を消してキノコを観察すると人知れず光っている、というわけです。
ヤコウタケ栽培キットがはこの様な箱に入っております。
絵が可愛い❤ しかも頭が光るんですよん♪
そしてこの詩がとっても素敵なんです!
「ヤコウタケちゃん」
星ふる夜は くすの木ぬけて
ヤコウタケちゃんに あいにきてじぶんのあたまの やさしい光で
本をよんでる かしこい子てんとう虫ちゃん となりにすわって
きょうはなんの おはなしよむの?ララシュララ ララシュララ
ヤコウタケちゃん おさんぼしてたら まいごのどんぐり みつかった
ほんのり 光って よみちをてらす よつゆが チュッと ほおえんだ
ガラにも無く、ほんわりした気持ちになりますよね。
ホントに育てられるのか?
心配だったのが、栽培キットが届き、説明書を読んだあと、、
「僕でもホントに育てられるのか?」
という疑問。
自慢じゃないが「育てる」という事に関しては、僕ほどマメじゃない人間は少ないかもしれない。
というのも日頃の雑事に追われ、その存在を忘れてしまうことがあるのだ。
キノコというのはセンシティブなものである。
例えば
その日、気温がうんと上昇したら、、、
雨が降らない日が続き、乾燥状態になってしまったら、、、
など、温度の管理と湿度の管理をきちんとしないと、キノコというのは出てこないのだ。
それは栽培であれ、野生のキノコであれ同じこと。
せっかく買ったのに、もしかして大きくならないまま、消えていくのか、、、
そんな思いを抱いたまま、買ってから何日か過ぎた。
僕より前に買っていた人たちはFacebook上で「本日大きくなって光り始めました」という投稿がアップされる。またTwitter上でも、そんな画像がリツイートされる。
やばい、、ここに来てかなり経つぞ、、、
そんな不安がよぎった頃、白い小さな原基が出てきたかと思うと、2、3日か後、仕事から家に帰ってくると一気に大きくなって白い子実体が現れてきたのでありました。
いやぁビックリ!!
Facebookの友達のよりも数が多く、まさに「一気に出てきた」感が尋常じゃない。
そして電気を消すとこの白い個体が緑の発光体となって輝くのですね!!
iPhoneで撮ったヤコウタケ写真
先にヤコウタケの写真をアップしていたNさんがこんな事を言ってはりました。
「コンデジで撮ったけど、上手くいかんかった、、、でもスマホで撮ったらちゃんと撮れたよ」
コンデジとはコンパクトデジタルカメラ。
設定はどんな設定なのかは聞いてないのだが、スマホ(iPhone)で上手く撮れたというので送ってもらいました。
それがこれです。↓↓↓↓↓
なかなか良く撮れてるとは思いませんか?
iPhoneで撮るというのはもちろんオートになるので設定はカメラ任せ、となる。
じゃあiPhoneはどんな設定でこの写真を撮ったのでしょうか?
Exifデータの中身を確認してみると
- カメラ:iPhone7 Plus
- 焦点距離:65mm(35mmフィルム換算)
- シャッタースピード:1/4秒
- ISO感度:1600
- 絞り:F1.8
こんな感じです。
この写真でのキーポイントは2つ
シャッタースピード、そしてISO感度です。
iPhoneではこの設定は手動で変えることはできませんが、被写体を検出し、こういった設定にするiPhoneの「スゴさ!」を感じますな~
たぶん、コンデジでAUTOで撮ってもこうはならないんでしょうね、、、
しかし、じゃあコンデジでこんな写真を撮るのは無理なのか?
と言うと、たぶん「そうではない」と言うことになるでしょうね。
いわゆる「設定次第」ってことね。
ヤコウタケ写真の撮り方を考えてみる
まず上記で撮影のポイントを2つ書きました。
シャッタースピードとISO感度
この2つの設定をどうすればいいのか??
いやいやその前に
カメラの設定で「A」とか「P」とか「M」とかありますよね?
あれをどうするか??って聞かれることがあるのですが、、、それはですね
「ヤコウタケを撮る時は『M』にして下さい」
と言うております。
『M』とはマニュアルのことで、シャッタースピード、絞りなどをクリクリとダイヤルを回して(大雑把だ w)自分で設定する必要があります。
まずはこの写真を見てください。
暗い、、暗すぎる、、、(笑)
この写真の設定は以下の通り。
- カメラ:NIKON D500
- 焦点距離:135mm(35mmフィルム換算)
- シャッタースピード:30秒
- ISO感度:100
- 絞り:F13
シャッタースピードは30秒にしてあり、iPhone写真の1/4秒と比べてかなり遅くしてありますね?
これにより「多くの光を取り込む事が可能」になるので暗い被写体でも明るく撮影することができますが、、、
それでも限界があるのです。
なので、次の写真を見てください。
これはISO感度だけを 100 から 640 に変えてみた写真です。
- カメラ:NIKON D500
- 焦点距離:135mm(35mmフィルム換算)
- シャッタースピード:30秒
- ISO感度:640
- 絞り:F13
これだけでうんと明るい被写体になりましたでしょ?
ISO感度を高感度(数字を上げる)にすることにより、被写体をより明るく撮ることが出来るようになるのです。ただし、高感度にすればするほど写真にノイズが発生するようになります。
さて、もう少し感度を上げた写真を示しましょう。
これはトップ画像の写真ですね。
Exif値はこうなっています。
- カメラ:NIKON D500
- 焦点距離:135mm(35mmフィルム換算)
- シャッタースピード:30秒
- ISO感度:1250
- 絞り:F16
iPhoneとほぼ同じぐらいのISO感度です。
ただしシャッタースピードが30秒ですので、より多くの光を取り込めていますね。
しかも、iPhoneと比べてノイズが少ない。
それはえぇカメラやからですわぁ、、(笑)
さすがのiPhoneまだそこまで行っておりまへん。
一度コンデジなどで試してみてください。
ヤコウタケ栽培キットはこちらからどうぞ、、、
「ガルガルガールWEBショップ」
http://www.gargalgirl.com/
次の販売は秋だそうですから、是非是非頑張って育てて、撮影してみてください。