『書籍紹介』みんなが知りたい! 「きのこ」のひみつ ふしぎな色や形のなぞにせまる (まなぶっく)

中島淳志氏の新書がやってきた。

1年前の札幌合宿の時にこの本の概要(児童向けの内容)を教えてもらっておりましたが、その話されていた内容がこうして形になって発売されたのは何よりも嬉しいことですし、また内容も大人が読んでも大変面白いので、少しでも興味のあるかたは是非この機会にご購入してもらえば良いんじゃないかと思います。

「みんなが知りたい! 「きのこ」のひみつ ふしぎな色や形のなぞにせまる (まなぶっく)」https://link.amazon/B09d74hlu

「まなぶっく」というメイツ出版から発行されている児童向けのシリーズ本で、「きのこ」以外には「薬」とか「空港」とか「隕石」などの”ひみつ”がこれらの本の中で明かされているようです (#^.^#)

それではまず作者の中島淳志氏がFacebookのきのこ部で書かれた紹介文を引用させてもらいます。

8月4日発売『みんなが知りたい! 「きのこ」のひみつ』は、これまでの児童向けきのこ本とは一味違う内容になっています。
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美しい写真が並んだ本でも、
きのこの生き方を紹介する本でもありません。
自分の頭で考えて、
「どうやって答えにたどり着くか」を学ぶ、
これまでにない一冊です。
――著者コメントより
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名前を暗記するのではなく、「同定推論」という名探偵のワザで
きのこの正体にせまる、「調べ方」と「考え方」を学ぶための本です。
自由研究にも使える市民科学ツール「iNaturalist」を
扱った、おそらく初の児童書でもあります。
「宝探し」と「推理」をテーマに、30年前の自分がワクワクするような内容を目指しました。
児童書の皮を被った濃密な一冊です。
きのこ好きのお子さんはもちろん、大人の方にもきっと楽しんでいただけます。

https://www.facebook.com/groups/mushroomclub.japan.kinokobu/posts/27087590080920523

さて、この記事を読んでいる方たちの多くは「大人」だと思います。

「児童向けなら読まなくっても良いかぁ、、きのこの事知ってるし。」

と思っていませんか?
そして本当にきのこの事、わかっていますか?(笑)

例えば

「なぜキノコは生える場所を選ぶのか?」

なんてこと、わかります?
もしあなたがあるキノコを見つけたいと思ったときに、「そのきのこが生えそうな場所」を探しに行くことでしょう。その際の「生えそうな場所」というのを経験的に知っていたとしても、何故そのきのこがそこに生えてくるのか?は知らないかもしれません。

僕は初めてこの書籍の中で「宿主(基質)選好性」という言葉を知りました。

きのこ達は発生する場所を選んでそこ(土や木や葉っぱなど)に出てきます。
「きのこの発生」という現象はそこできのこ(菌糸)が生活している証であり、生活するということはきのこが食事をし、成長し、次の世代に繋げるための新しい命を作り出すというサイクルの証でもあります。

そう言ったきのこ達の営みを”知る”ことによって初めて「そこにきのこが発生する」ということが分かってくるのですね。

この本の中には上記の様なトピックが満載なのですが、もう1つだけ紹介したいと思っていることがあります。
それは

種内変異をどう判断するか?

という内容です。
「『また同じきのこ?』と思ったら」というセンテンスに書かれている内容です。

これは僕も常日頃から悩んでいるトピックなんですよね。

例えば「ヤマドリタケモドキ」。
傘の径は10cmぐらいで平滑。色は茶褐色。
そして柄には網目があり、管孔は白く、孔口は菌糸で塞がれている。

ヤマドリタケモドキっぽいですよね?

しかし、

  • 菅孔が黄色く菌糸で塞がれていないものがある。
  • 傘の色がオリーブ色をしている。
  • 柄の網目がほとんどない
  • 傘の径が20cm近くある

などなど、時々図鑑の写真とは違うものがあったりします。
さて、これらの特徴を持ったものはヤマドリタケモドキなのでしょうか?

恐らく良くヤマドリタケモドキを見ている人は「Yes」と答えるでしょう。
しかしあまりヤマドリタケモドキを見たことが無いけど、図鑑だけしか見ていない人なら「I’m not sure」と答えるでしょう(なんで英語なのだ w)。

この違いは何でしょう?

この本の中では同じきのことの出会いを「星」に例えて、同じきのこに出会う度に星が増え、星座の形が見えてきて、そしてそのきのこの種内変異が経験的に積みあがっていき、やっとそのきのこの全容が理解できる、という感じで説明されています。

なのできのこを理解するためには図鑑だけを眺めているのではなく、フィールドに出て、同じきのこの「変わりっぷり」を良く観察して覚える必要がある、ということが重要だ、という事が書かれていたりします。

この本の中では僕が読んでも「ほぅ、、そうだったんや」と改めて認識するところが沢山出てきます。ぼんやり感じていたり考えていたものを、理路整然と言語化されているのですね。中島氏の言語化能力の高さを思い知ることが出来ます。

そして何より、この本は「児童向け」ではありますが、きのこに関心がある、そしてきのこの同定に自信がない、多くのきのこ愛好家の「大人」たちに読んで欲しい本なのです。
例えばFacebookのきのこ部では多くの「これは何というキノコですか?」という質問が寄せられます。
きのこを同定することは簡単ではありません。
判断材料としては多くのポイントがあるのですが、質問される方はそのポイントをご存じない方が多い印象を受けます。また、それらの質問に対して答えている方々の中にもポイントを押さえることなく印象だけで答えている方もいたります。

きのこの同定は一日にしてならず。

やはり順序を追って、長い道を歩いて、経験を積んでいくこと、そしてそれは正しい方法で行わなければならないのですが、その正しい方法は誰が教えてくれるのか・・・?
というのが大事で、キノコ名人はほぼその対象からは外れますのでご注意ください(笑)。

そしてもちろんきのこに少しでも興味のある少年少女たちにはこの本を教科書としてきのこ散策に出かけていって欲しいです。
実は多くの大人たちはこの本に書いてある「謎」を知らないはずです(苦笑)。
ってことはきのこの探し方や調べ方、そして同定する方法も知らないので、この本を「先生」として自分で探っていくことになると思いますが、難しい言葉があっても大丈夫、イラストやわかりやすい例えを読んでいると直ぐに理解できるようになると思いますのでご安心を。

そして何よりこの本の凄いところは「読み進めて行くといつの間にか同定出来るようになっていく」という思考方法を提示してくれているところなのです。
これは「暗記する」という学習とは違い、「観察する」「想像する」「考える」「調べる」という子供たちにとって本当に必要な「真の学び」を得られるまさに「まなぶっく」なのだからなんです。

なので、小さな子供を持つ親御さん!是非お子さんの手元に1冊置いてあげてください (#^.^#)

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