神戸ビーフ(カンゾウタケ)は美味いのか?

「神戸ビーフ」である。

正確に言うなら神戸で採った「貧者のビーフ(カンゾウタケ)」なので、

「神戸ビーフ」

なにか問題でも?(笑)

ちなみに元の画像はこれでありますな。

カンゾウタケのほぼ成菌。
裏側も見て下さい。

裏が真っ赤なのは幼菌でこの様に白味がかっているのは成菌。
もう少し茶色くなってくるともう老菌である。

さてこのカンゾウタケ、キノコを始めたばかりの人は必ずと言っていい程その洗礼を受けなくてはいけのだ。
その洗礼とは

このカンゾウタケを食べさせられる、ってことですな。

食べたあなたは

「うわっ、酸っぱい」

と言うだろう。いや言ってほしい。そして嫌な顔をしてほしい。

それが食べさした側の心理、だからだ。
まるで「罰ゲーム」みたいにね(笑)

生で食べられるけども「美味くない」キノコ。

それがカンゾウタケの正体なのだ。

...
...

しかしそんなカンゾウタケを食べて「美味い」と言う人が出現したのである。

我がきのこびとのメンバーでもある、小島さんとアミちゃんである。

えっ、キワモノですやん、、、

そう思っていますよね?

キワモノたちの「意見」など参考に値しない。

とも思ってますよね?

確かにその通りなんです。
我らきのこびとの目で見ても、二人はかなりキワモノの部類だ。その人達が「美味しい」と叫んでみたところで、この酸っぱいカンゾウタケを美味しいなどと言う人が出てくるはずも無いだろう、、、

そう高を括っていた。

しかし、、

現れたのだ。
「カンゾウタケが好きだ」
という人物が。
一人現れたかと思ったら今まで「こんなの食べられるか~」と言うてた人がまるでオセロの白い石が黒に挟まれ次々と黒に変わるかのように、「あれ、やっぱり美味いかも~」なんて言い出すようになってきたのだ。

おいおい、ブルータスユタカ、、、オマエもか、、、

僕の心はそう叫んだものだ。

しかし、反面、心に浮かんだコトがある。

もしかして、調理法によるのでは?

僕も頑固一徹ではない、と言うよりかなり頭は柔らかい方だ。
むしろ柔らかすぎて寝違えた時に頭の形がグニュっと変形したぐらいだ(ウソです w)。

そんな柔らか頭をフル回転させ、カンゾウタケを美味しいと言うてる人の意見をグイッと取り入れて、カンゾウタケが本当に美味しく食べられるのか?というテーマに取り組んでみたいと思います。

ちなみに僕が今までカンゾウタケを食べた方法とは

  1. 生でスライスして食べた
  2. ソテーして塩コショウだけで食べた

なのだが「それではダメなのよ」と彼ら(※カンゾウタケを美味しいと言う人々)は言う。

彼らが口をそろえて言うのが、、

「味付けは濃いめに」

である。
ん?それはどういうことだ?

それってやっぱマズイんじゃね?

と僕は思うのであるが、彼らは首を横に振りこう答えるだろう

「ニエット(ロシア語でノー)」

ではでは、そんな彼らの意見を取り入れつつ、ネットの情報も参考にしつつ、カンゾウタケの量も限られてるので4つの料理を作ってみた。

カンゾウタケの生レバー風


 

まさか神戸ビーフを生レバー風にして食べるとは、、、だよね?

だって「貧者のビーフ」って、言わばシャレですやん、、、

そんなシャレを真に受けて生レバーって、、、もうギャグの世界ですやん、、、

ってワケですが、作ってみました。

ちなみに左上にある小皿に入っているのはごま油と塩。
それにスライスしただけのカンゾウタケを付けてまさに生レバー風に食べるのです。
ギャグでも何でもなく、騙されたと思ってまずはこれから食べてみました。

しかし

これはなかなかイケたのですね。
と言うか、思っていた酸っぱさは完全に消され、変な臭みも何もないレバーがそこにあるのです。

「あれ、俺何食ってるんだろ?」

と、今まさにカンゾウタケを食べているのを忘れるぐらいのものなのです。

じゃあ今食っているものは何か?と聞かれたら答えづらいのよね、、これが。
確かに「キノコを食ってる」っていう気もしないのですよ、、まじで。
でも「美味しいか?」って聞かれると

「ニエット」

と言わざるを得ない。
カンゾウタケのことを考えると「イケる」が、美味しいのか?と聞かれたら「ニエット」である。

まぁそんな感じ(笑)

カンゾウタケのゴマドレッシングサラダ


 

「大根のサラダに入れんのが美味いで」

とのアドバイスを受けて作ったのがコレ。

冷蔵庫にあったサニーレタス、水菜、アボカドにカンゾウタケを薄くスライスして添えて、その上からゴマドレッシングをかける。

カンゾウタケはもちろん生である。

これは先程の「カンゾウタケの生レバー風」に比べて期待度「大」である。

何故ならこのカンゾウタケの酸味とごまドレッシングの酸味の相性がバツグンかな、と思われるからである。

それに加えてアボカドが味をよりマイルドにしてくれ、酸味をより芳醇な甘みに変えてくれるのではないか?

僕の心には「確信」に近い期待がムクムクと湧いてきたのであった。

その期待を胸にカンゾウタケとアボカド、両方を箸でつまんで口に運んだ。もちろん、ドレッシングはトロリとかかっている。

...

ん?ナニコレ??

ここは何処?アナタは誰?状態である。

いや分かっている、分かりすぎるほど分かっている。

アナタはカンゾウタケだ。そしてキノコだ。

僕の鼻腔の中にはキノコ臭がフワッと広がっていく。

わっ、キノコのサラダじゃ、、クセがたまらん、、、

...

はい残念でした。
これはダメでした。
ほんまダメ。

キノコ臭たっぷりのサラダ、、あきまへん、、、ムリ。

でも全部食べましたけどね。
だってカンゾウタケ無しで食べるとめっちゃ美味しいもん!(笑)

カンゾウタケのソテー(味濃いめ)


 

なんかブリの照焼みたいですなぁ~(笑)

しかしコレ、正真正銘のカンゾウタケのソテー(味濃いめ)であります。

菌友さんがアドバイスくれた「味濃いめ」です。

「それって美味くないからじゃね?」

なんて言ってはいけません。

だって「味を濃くしたら美味くなる」って料理、ありますよね?

思い浮かばんけど・・・

いや、思い浮かばなくていいのです。これがそうであれば、、、ですが。

でも僕は僕の信頼できる菌友さん達をある意味、無条件で信用しております。
みんな変わってるんですけどね(笑)
でも、悪い人は一人もおらず、みなさんピュアにキノコの事が好きなんです。

なので、そんな菌友さんが「味濃いめ」と言えば味濃いめにしますし、「美味しい」と言えばあぁ美味しいのだな、、と思うわけです。

さぁ、見た目は美味そうですね~

カリカリにしてみましたよ、かなり「固め」です。

塩もかなりふりましたし、胡椒も忘れんかったです。

そして満を持して一個目に齧りつきました。

「すっぱ!!」

はい、酸っぱかったです。もろ酸っぱい。

味が濃かろうが、カリカリに仕上げようが、酸っぱいのは酸っぱいのだ。

僕は心の中で叫んだ。

「これやん、、これがあかんねやん、、、」

「酸っぱいのが好き❤」って人はえぇでしょう。
いや僕も決して嫌いではありませんが、キノコが酸っぱいってのはあかんのです、、、
これは慣れようが何しようが、あかんのです、、、

なのでソテーはアウトです。ニエットです。

でも3つとも食べましたよ、、だって供養だもの(笑)

カンゾウタケのアヒージョ


 

この料理は菌友さんから教えてもらったものではなく「きのこの時間」のウェブサイトで載っていたものです。

それがここです

「カンゾウタケとベーコンのアヒージョ」
【材料】(2人前)

・カンゾウタケ 50g(収穫量に応じて適当に)
・ベーコン 1枚
・オリーブオイル キノコとベーコンが浸る程度
https://kinokonojikan.com/kanzoutake-10613.html

食べ菌さんたちの格言に

「困った時のアヒージョ」

と言うものがあります(ウソですけど w)。

「このキノコ、どうして料理しよう、、困った、困った、こまどり姉妹」

と言う時に必ずといって出てくるのがこのアヒージョなんですよね~(笑)

特にO塚さんなどはこれを多用しており、自分のことを

「料理の天才」

などと自慢したりしておりますが、なんのことはありません。

これは言わばキノコ料理にとっては「魔法の料理」なのですから!!

どんなキノコを入れても美味しくなりますから!!(笑)

という事で、その魔法の料理でカンゾウタケがどうなるのか??作ってみました。

しかしどう見ても食欲がそそりますよね~~

具材はカンゾウタケとベーコンとニンニクチップだけです。
それをオリープオイルでじっくりと煮て塩コショウをパラパラと振ります。

カンゾウタケの赤みが落ちて茶色になり「ブラウンフード」の貫禄がでてきてますね~(笑)

という事で、食べてみました。

これはイケます。
キッパリ言いますが、これは美味しいです!!
何のキノコか分かりませんし、キノコを食ってるのかどうかすら分かりません!

しかしイケると思います。

おぉ、やっとここにたどり着いたか、、って感じです。

オマエの居場所はここにあったのか、、、って感じです。

カンゾウタケ万歳!\(^o^)/

カンゾウタケに感謝!!\(^o^)/

これを食べながら、豆ご飯を頂きました。嫁さんが畑から採ってきた豆です。
取り合わせ、としては最高のパートナーかもしれません。

ほんとに充実したディナーとなりました。

...
...

が、しかし

これがタコのアヒージョなら10倍は美味しいんやろなぁ~(遠い目)

 
 

結論

 

料理次第によってはカンゾウタケのあの独特の酸味も消えるし、そこそこ料理の素材として使えるのではないか?

という事が分かりました。

しかし、キノコを探しに行ってたまたまカンゾウタケがあったので、ちょっと食べてみよう、、というのであれば良いのですが、コレのためにわざわざ山に登っていく、、、なんてことはオススメできません。
そんな苦労をしてまで採りに行き、そんな苦労を重ねて料理してまで手に入れたい食材とも思えないのです。

・・・なので、あっさり結論を申しますと、、

 
アヒージョを食いたけりゃタコを買え!!
 

ですな(笑)

 
 

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