ムラサキシメジ

ムラサキシメジ 岩間杏美作

  • 「ムラサキシメジは最近良く見かけるな~」
  • 「どこで?」
  • 「松と樫の木の混成林かな?結構落ち葉の溜まったとこね」
  • 「そうそう、私がこれを見つけたのもそんな感じ」
  • 「でね、去年キノコ鍋する時に入れてみたのよね」
  • 「あ、どうやった?」
  • 「大不評(笑)」
  • 「あちゃー」
  • 「業務スーパーで沢山キノコ買ってきて入れてたんやけどな」
  • 「業務スーパーねぇ~沢山の種類あるよね!」
  • 「そう、その中でもダントツに美味しくなかった(笑)」
  • 「おじちゃん、大減点やん、、、くっくっく」
  • 「そやねん、せっかく歩き回って確保した天然キノコやってんけどな~」
  • 「天然キノコ必ずしも美味からず、やね」
  • 「まぁでも、ビジュアルは紫色してて、とっても綺麗なキノコやなぁ」
  • 「でもね、最初はそうじゃなかったとよ」
  • 「ん?どやったん?」
  • 「やや紫がかっているけど、でも、肌色に近い感じ」
  • 「ほう、、肌色ねぇ、ちょっと褐色が入ってたのね」
  • 「うん、当時はキノコを勉強し始めた頃やったらかね」
  • 「あ、そうなん、勉強してたんだ!てっきり英才教育かとおもった(笑)」
  • 「英才教育って、、、」
  • 「キノコ千本ノックとか、キノコ養成ギプスとか、、」
  • 「いや、何の話してるん?」
  • 「♪キノコの星をつかむまで~血の汗流せ涙を拭くな~♪」
  • 「いやいや、そんな星無いし、なんで血の汗流さなあかんと!」
  • 「あはは、気にするな。それで、最初は分からんかったんやな?」
  • 「うん、これがあのムラサキシメジだなんて思いもしなかった」
  • 「そういうことあるある」
  • 「で、翌年も同じキノコがあるか、探しに行ったと」
  • 「ほう、で、見つかったん?」
  • 「そうそう、大きいやつがねぇ、たくさんあったんよ」
  • 「さすがキノコ探しの天才!!」
  • 「それでもね、ムラサキシメジって分からんかってね、図鑑とにらめっこやね」
  • 「うんうん、絵合わせってやつね」
  • 「形が似てるのはムラサキシメジだけど、図鑑のような紫色じゃないのよね」
  • 「図鑑のはとっても綺麗やしなぁ」
  • 「でもね、ある時、ピンときたんよね」
  • 「ほう、開眼したんやな?」
  • 「そう、『これはムラサキシメジだ』って」
  • 「キノコ神が降りてきたな、、、」
  • 「でね、別の場所やけど『これぞムラサキシメジだ』ってやつを見つけてね」
  • 「なるほど、、、執念の賜物やな」
  • 「うん、で、傘の色以外は全て一致したので、確信したよ、ムラサキシメジだって!」
  • 「ついにつかんだのね!!キノコの星を!」
  • 「で、なんなの、その星???」

「会話してる人」
岩間杏美  入佐城司

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