アミガサタケはアルカリ性好き?

不思議な場所に子実体を現すアミガサタケ。
風のうわさでは「アルカリ土壌によく出ている」と言う話がまことしやかにささやかれている。

ほんとうだろうか?

何故アルカリ性を好むのか?と聞かれても誰も答えることができないだろう、、、だってアミガサタケじゃないしね(笑)

しかし、何故かしらアルカリ性の土壌から良く出る、というのはアミガサタケが良く出る土壌を調べればわかるではないか、、、
というのが今回の主旨。

感覚だけではなく、やっぱ出来るものはやってみないとね!

用意したもの

まずはph測定器。
Amazonで1000円ちょいで購入しました(安い w)

最初はリトマス試験紙でやろうと思ったのですが、菌友さんが

「そんなんあかんやろーー」

とご指摘を受けまして、ちゃんと買いました(笑)

そして ph校正液。
知りませんでしたが、ph測定器は正しいph基準にするために「校正」という作業が必要らしいです。

そうなんですよねー。基準値が間違っていれば、計測しても意味がないのですから、その基準値をどうやって求めるか(設定するか)というのは、基準になる液体を測ればいいのだと、、、初めて知りました、はい。

で、今回はこれを買ってみました。
中には粉が入っておりまして、これを入れると ph の基準値になるとか、、、

しかしなぁ、、これ水道水に入れたらアカンのちゃう?(笑)
まぁ水道水の ph を測ればそれを基準にすればいいか、、、、(って適当だ~)

いやいや校正キットで作った水も水道水、で、計測する水も同じ水道水なら、純水(ph7.0)との差分はなんら気にすることなど無いんじゃない?

この考え方、あってると思うんだけど・・・どやろ?

手順としては、

  1. この水道水で校正液を作り、校正する(この水道水はphは7.0ではない事を考慮している)。
  2. そしてその水道水のph値を測ってみる。
  3. で、導き出されたph値は正しい値であるのは「同じ水道水で校正したから」

となる。

確かに本当は純水ですべきだが、校正も計測も同じ水ですることにより計測した値は差分も含まれることになるので、結果的には正しいph値となる(で良いよね? w)。

土壌のサンプル

サンプルとしては9地点の土壌を採取してきた

A1:ソメイヨシノの並木道がある公園
A2:A1の近くだが、同じくソメイヨシノの並木道がある公園(溝があり落ち葉が溜まりやすい)
A3:竹林の横の坂道、対面にはヤマザクラがある。
A4:大きなイチョウの木がある神社の横の手入れしてない公園
A5:アスファルトの道路を挟んで向こうにヤマザクラ
B1:山道の対面に紅葉がある落ち葉溜まり
B2:石垣の上の落ち葉溜まり(木の種類は不明)
B3:イチョウの木がある神社
B4:公園の中にあるカツラの木の下

以上9箇所の土壌をスコップで採取し、それをビニールに入れて持ち帰ってきた。

また、いずれの場所もアミガサタケが出ていた(過去含めて)付近の土を採取している。
あくまでも「出ていた場所」であり、そこがアミガサタケの胞子が発芽して根付いた場所ではない、ことをご理解いただきたい。

計測方法

ここからは今までやったことが無いので自己流で。
もし何か間違ったことをしているのであればご指摘頂きたい。
また本来は水道の水など使わずに、純水を使うべきなのだが、初めてなのでご容赦頂きたい。

  1. 紙コップに土壌を適量入れます(ここ差がでるかも)
  2. そこに適量の水道水をいれる
  3. 割り箸でかき混ぜる
  4. しばらく置きます
  5. 他の土壌も同じように同量の水を入れてかき混ぜる
  6. それを土壌分用意する
  7. まず水道水のPhを計測する
  8. それが終わったら、1つずつ計測していく(ph値が確定するまで)
  9. 全部終わったら再度計測する

上記の様な方法で全ての計測を終えた。

測定結果

A1:ソメイヨシノの並木道がある公園

1回目:7.69
2回目:7.68
平均値:7.685

A2:ソメイヨシノの並木道がある公園(溝があり落ち葉が溜まり)

1回目:7.18
2回目:7.16
平均値:7.17

A3:竹林の横の坂道、対面にはヤマザクラがある。

1回目:7.36
2回目:7.37
平均値:7.365

A4:大きなイチョウの木がある神社の横の手入れしてない公園

1回目:7.71
2回目:7.67
平均値:7.69

A5:アスファルトの道路を挟んで向こうにヤマザクラ

1回目:7.92
2回目:7.87
平均値:7.895

B1:山道の対面に紅葉がある落ち葉溜まり

1回目:7.56
2回目:7.50
平均値:7.53

B2:石垣の上のガケ(木の種類は不明)

1回目:6.47
2回目:6.41
平均値:6.44

B3:イチョウの木がある神社

1回目:7.72
2回目:7.75
平均値:7.725

B4:公園の中にあるカツラの木の下

1回目:7.35
2回目:7.36
平均値:7.355

今回使用した水道水

1回目:7.78
2回目:7.73
平均値:7.75

ちなみにphの値から導かれる酸性・アルカリ性は以下を参考にして下さい。

ph値を検証してみる

さていかがでしょうか?

最後の「水道水」の値が純水よりもアルカリ性なので計測値が完全に正しいとは言えないのが苦しいところですが、下手に水道水のph値を元に調整するのも(仕方もわからないし)なんなので、ここでデータを正確に列挙だけしてみます。

水道水:ph値7.75

それと各所で採取した土壌のサンプルph値

A1:7.685(ー0.065)
A2:7.170(-0.58)
A3:7.365(-0.385)
A4:7.690(-0.60)
A5:7.895(+0.145)
B1:7.530(-0.22)
B2:6.440(-1.31)
B3:7.725(-0.25)
B4:7.355(-0.395)

ほとんどの土壌のph値は水道水より低いこと、、つまり各土壌は水道水と比べてより酸性だったので水道水のph値が押し下げられた、と考えられる。

だからと言って、この値をどう調整すればいいのか?

いろいろ考えたら良くわからなくなった(笑)
なので、この値はいじらないようにします。
ですのでこれは頭の良い人が答えを導き出して貰えれば助かります(他力本願モード w)

まとめ

いきなりですが・・・

今回の測定で「最大の不備」がありました。

それは普通の土壌のphを測っていないこと。

アミガサタケがあった土壌だけを採取してきてアルカリ性が高いか、低いか、と判断することは出来ないのです。
肝心なのは「アミガサタケがあった土壌が他の土壌よりもアルカリ性が高い」ということ。

つまり絶対的なph値ではなく、相対的なものが必要なのですね。

さてでは通常の腐葉土というのはph値はどれぐらいなのでしょうか?

検索してみるとこんなページがありました(Yahoo知恵袋)。

「腐葉土のphの値を教えてください!」
参考書を見ても腐葉土のPh値についての記述はありません。
日本の土壌は酸性のところが多いので石灰などで調整してくださいと書かれているだけです。
つまり腐葉土は、土壌のPh値を変える様なものでは無いということです。
一般土壌の5.5~6.0と殆ど変わらないという事です。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1059355190

この中で特に重要なのは「一般土壌の5.5~6.0と殆ど変わらない」という記述です。

普通の土壌(腐葉土含む)は5.5~6.0のやや酸性なのですね。

そうするとここで計測した値というのは、もともとの水道水のph値を差し引いてもアルカリ性が高いと言えるのではないでしょうか?

そしてこの中で注目すべき値を持った場所があります。

それは「B2]です。

ここは石垣の上が崖になっており、土壌がむき出しになっています(あまり落ち葉は溜まっていません)。そしてアミガサタケはそんなに沢山は出ないです(ここ重要)。しかし、過去に何回か見たことがあるので、参考程度に採ってみた場所なのです。ちなみに当日にアミガサタケはありませんでした。

そこの値だけは6.xxになっています。それ以外の場所については全て7.xxを叩き出しています。それを良い方に解釈すると、このB2の地点は「普通の土壌のph値」に近いのではないか?これが土壌としての基準ph値として良いのではないか?と考えることが出来ませんか?

僕はできます!(笑)

そう考えるとこの結果は「B2」地点は普通の腐葉土が示すph値でアミガサタケはさほど出ない場所であり、それ以外のphが高いところは「アミガサタケが好むph値の場所」と言えるのではないだろうか?

って言い切っちゃいます!(笑)

これはあくまでも僕の「希望的観測」です。
でもでも、やっぱりアミガサタケはアルカリ性を好む、と言って良いのでしょうね、たぶん。

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