世界一大きいオニナラタケを空から眺めてみる

去年の夏、大阪市自然史博物館で開かれた特別展「きのこ!キノコ!木の子」のギャラリートーク「きのこブームは本物か?」の打ち上げ兼オオサカきのこ大祭の決起集会が長居駅前であったのですが、その席で学芸員の佐久間さんからこんな話が出たそうなのです。

「世界一大きな生物はオレゴン州で見つかったオニナラタケである」

この話は、実は僕たちも知っていて、きのこ検定の教科書にもちゃんと明記してあったし、うちの神戸キノコ観察会のリーダー「きのこ話の鉄板ネタ」の一つでもある。
そしてここからが重要で、、

「上からみるとその菌糸が延びてる森の色がちがうらしい」

とのこと。それはまさかまさかである。
が、考えられないことではない。ナラタケは「ナラタケ病」といって生きている木の根元に寄生してその木を枯れ死させる、と言われている。
ってことはだ、、この世界一大きなオニナラタケがある一体の山々は、そしてその上に生えている多くの木々は枯れ死していてもおかしくないのである。

じゃあやっぱそこら一体は茶色くなってるんじゃね?

という疑問が出てくるのは当然のことと言える。
で、それを「Google Mapで確かめてみよう」、、という人が現れた。
我がオオサカきのこ大祭の大久保さんである。
Facebookにアップしたその投稿を引用させてもらいます。

きのこ!キノコ!木の子!レポ番外編
🍄🍄世界一おおきなきのこといわれるオニナラタケをGoogleマップで探す(笑)🍄🍄
この前、座談会後の飲みの席で佐久間先生との話題のなかで、世界一おおきなきのこオニナラタケの話がでました。
オレゴン州でみつかったオニナラタケは同じDNAの菌糸が山に廻っていて、東京ドームでいうと約600個分にもなることから世界一巨大な生物なのではないか!?といわれています。
ちなみに、「世界一おおきなきのこ」で検索すると記事たくさんでてきますよ(^_^;)
で、佐久間先生がぽろっと「上からみるとその菌糸が延びてる森の色がちがうらしい」というので、私も「それならGoogleマップで見つけれるかもですね(^_^;) 」なんて普通笑い話で終わらせるところ。私はおバカさんなので、Googleマップでオレゴン州の航空写真を見始めるという(笑)(笑)(笑)
まずは東京ドーム約684個分てどんな大きさやねん!?を調べると8.9平方㎞という記事をみつける。
菌糸は丸か楕円じゃないかな?と推測して直径を求める→だいたい3.3kmくらい?→あってんのか?
よし、Googleマップでオレゴン州をば!!
ぎゃっはーーーーめちゃんこ広い(笑)←やはりアホ (^_^;)
オレゴン州の面積
255000平方㎞
その中の直径3.3㎞の森を色だけで見分けれるはずもなく、ロマンは打ち砕かれた (^_^;)
そもそも何故その森は色が違うのだろうか?という疑問も残る。
もしかしたらナラタケ病というのが関係しているのでは??
分解と吸収が進んでしまうので他の森にくらべて木の色が変色してしまうのでは?
とまた新たな推測に頭がぽわーんとなってしまうのですが、そこらへん研究者ではなく作家なのでなにかもの作りの糧になったらいいなーと考えてしまう→だいたい活かされない (^_^;)

https://www.facebook.com/maki.okubo.73/posts/1044225975752254

全部引用してしまいました(笑)
確かにオレゴン州という広大な土地の中から直径3.3kmの「色が変わった森」を探すのは途方も無いことで、たとえ「色が変わった森」があったとしても、そこに巨大なオニナラタケがあるという証明はできるはずもなく、、やはり途方にくれるしかないのであった、、、

しかし、、、

やはり佐久間さんが参考になる論文と記事を教えてくれました。

論文の方はこれです
https://nature.berkeley.edu/garbelotto/downloads/humongousfungus1992.pdf?fbclid=IwAR2oLFkeo3BFdSRujWWi4lO1wOTxgsRGsXx6-YTQURT5KqdFSOna-fC0_K4

こちらは記事です
https://www.scientificamerican.com/article/strange-but-true-largest-organism-is-fungus/

ざっと眺めてみましたが、これらの論文や記事の中に場所を表すようなものを探し当てることが出来ませんでした(単に英語力が無いだけ?)

が、しかし、またまた佐久間さんがFacebookの会話の中で

「 どうやらこの記事で言及されているのは『Malheur National Forest 』のようです」

との有り難いアドバイスを頂いた。
いやいや、これでほぼほぼ場所の特定出来るやん!!

と思った迂闊な僕でした(笑)
でも、そこからも結構苦難の道でした、、、その経緯を記してみたいと思います。

ヒントを見つける

Malheur National Foresttという名前で検索してみるとある記事が引っかかってきた。
ナショナル・ジオグラフィックの記事で、タイトルは

「THE WORLD’S LARGEST LIVING ORGANISM」

というもの。
リンクは↓ ↓ ↓ です。
https://www.nationalgeographic.com.au/nature/the-worlds-largest-living-organism.aspx

読み進めていくと、佐久間さんが教えてくれた記事と似ているだが、記事の中でこんな記述があった。

Covering 2,385 acres of Malheur National Forest, Oregon, it’s our largest organism, and from the way the fungus has been growing, it may also be our oldest organism. Humongous is estimated to be around 2,400 years – 8,650 years old.

オレゴン州のMalheur国有林の2,385エーカーをカバーする、それは私たちの最大の有機体です、そして菌が成長している方法から、それはまた私たちの最も古い有機体かもしれません。 人間性はおよそ2,400歳 – 8,650歳と推定されます。(グーグル翻訳そのまま w)

https://www.nationalgeographic.com.au/nature/the-worlds-largest-living-organism.aspx

まぁグーグル翻訳そのままでも大体の意味はわかるが、この中で一番重要なことは以下の言葉である。

Covering acres of Malheur National Forest (Malheur国有林の中の2,385エーカーを占めている)」

この巨大ナラタケは「Malheur National Forest」の中にある、というのが分かる。そこでこの Malheur National Forest をGoogle Mapで検索してみると、その広すぎる公園に愕然とするだろう(笑)
これ↓ ↓ ↓ ↓ 検索してみて
https://goo.gl/maps/MMLgLbC915J2

マルー国立森林公園 (Malheur National Forest )

この森林公園の広さがわかる様にもうちょっと引きで見てみます。

オレゴン州の中のマルー国立森林公園

ちなみにオレゴン州の広さは 251,418平方kmで日本の面積の65%ぐらいの広さである。ちなみにこのマルー国立森林公園の広さは 6,880平方キロメートルなので東京ドームは146,382個分の面積となる、どひゃー (@_@)

オレゴン州も広けりゃ、この公園もとてつもなく広い。
我らがよく観察会に出かける再度公園とは大違いだな(笑)

しかし、、この記事の最後の最後でこんな画像があった。
※重要なので画像を貼らせてもらいます。

Image: Shutterstock

これね、画像の中で赤丸で囲まれた部分が世界一のオニナラタケが支配していることろらしい。
これだけ見ても「色が変わってる」ってのはわからないよね?(笑)

じゃあこの場所はどこなんだ・・・・???

オニナラタケがある場所を絞り込む

この地図の中に「FS-2635」とか「FS-026」という文字が見えるよね?

この文字は一体何を表しているのかというと、この地図と照らし合わせたところこれは「道路」につけられた記号(番号)であると推測できる。

では、この番号をGoogle Mapで探せば場所は特定できるやん♪

と気軽に考えたのだが、さてあなたも探してみてみ。
以下にマルー森林公園の地図のリンクを貼っておくが、この道路の番号をこの地図から探す、というのもなかなか難しいのですよ、、、
↓↓↓ここから探してみましょう
https://goo.gl/maps/3H96EhMDVyP2

あなたはたぶんこの森の大きさにただただため息をつくばかりだと思います・・・(笑)
地図もある、ヒントの道路やその形も描かれている、でもわからない、、、

こんにゃろー!!

と叫んだあなた。
あなたのいらだちは良くわかります。それは僕も通ってきた道、だからです(笑)
あ、いや、同じ苦しみを与えたいわけではありません。でも苦労は分かっていただきたい、、、ただ、そう思っておるわけなのです。。

The Humongous Fungus はどこに?

検索しているとわかりますが、この世界最大のオニナラタケには名前が付いているらしい。

「The Humongous Fungus」

それがこのオニナラタケにつけられた名前。
日本語に訳すと

「バカでかいきのこ」

というらしい、、、そのままやん(笑)

それは置いといて、、ではもう一つ重要なドキュメントを見つけたのです。
それがこれ ↓↓↓
https://www.fs.usda.gov/Internet/FSE_DOCUMENTS/fsbdev3_033146.pdf

公共機関が作ったのでしょうか、このPDFの中に以下の様な地図があります。

これは目印となる道路の地図とともに、 The Humongous Fungus の位置が塗り込まれているのがわかるでしょうか?
この道路はかなり広角で描かれており、Google Mapと見比べて位置を特定するにはかなりわかりやすい地図となっておるのです。

そしてそして、やっと見つけたのが以下のリンクで示したあたりです。
拡大したり動かしたりして眺めてみてください。
https://goo.gl/maps/E6VdFf8cKcP2

で、それを画像にしたものが以下の写真です。
残念ながら「色が変わっている」という感じには見えませんが、緑が青々しいことはなさそうですね。

この画像から読み取れることはオニナラタケに覆われている場所は

  • 緑に覆われていない
  • しかし、まったく焼け野原状態でもない
  • 周辺の区域もところどころ緑じゃないところもある

ということで、この写真レベルではオニナラタケの存在らしきもの(またはその形跡)を空から確認することはできませんでした。
本来はオニナラタケに覆われている山々だけが茶色くなっていて「おぉ~これかぁ~オニナラタケ」と言えればよかったんですけどね(笑)

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