アミガサタケを分解してみる

アミガサタケ
アミガサタケ

幼少の頃にアミガサタケを出会って以来、半世紀あまりアミガサタケファンだ、という人を知っている。
良くもそれだけ「LOVE」が長続きできるもんだなぁ、、と思っていたのだが、その「謎」の一つにはおそらくアミガサタケが持つこの不思議なアミアミとした造形にあるんだろうと思っている。

この何とも言えない不可思議なフォルムはまるで小学校の頃に虫かごの中で観察した「アリの巣」を想像してしまうのであるが、この自然が作り出した複雑な形をある人に言わせたら「気持ち悪い」と一蹴されたり、、またある人に見せてみたら「これってキノコなん?」と不思議がられたりするのが実に愉快である。

そんなアミガサタケが本日、大きくなっているのが一本だけあったので(例年に比べて少し遅いのですが)、それを採取してきてちょっと分解してみることにしました。

まずは抜いてみた

アミガサタケを抜いて、写真をパチリ。

土の部分を良く見ると白い根っこのようなものが見えますがこれが菌糸ですね。
植物と違うのはキノコの本体はこの菌糸であり、そこから地上に出てきているキノコは「子実体」と呼ばれる胞子を何かの力を使って今あるところより遠くへ飛ばすために出現してきた(または菌糸が作り出した)物体と言っていいでしょうね。そんな物体を我々は「きのこ」と総称して有難がって食べているのである。

で、この根っこを見ながらふと思った。

アミガサタケは腐生菌なのだろうか、それとも菌根菌なのだろうか?

これを観察しているだけではわからないので、Wikipediaで調べると、驚くべきことが書いてあった

おもに春、林内や庭園内の地上、あるいは路傍などに孤生ないし群生する。山火事跡や焚き火跡などを好むという報告もある。周囲の条件によって、随意に腐生菌としてふるまうことも菌根を形成することもあり、菌根についても外生菌根を作る場合と内生菌根となる場合とがある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%82%BF%E3%82%B1

言わば

「条件に寄って腐生菌にもなるし、菌根菌にもなるのだよ」

ということらしい。

腐生菌は栽培は可能であるが、菌根菌の栽培は極めて難しい

と言われているが、果たしてアミガサタケはどうなんだ?という事になってくるが、そう言えばアミガサタケを粉末にして、ほんでからミキサーに水やおがくずなんかと一緒に入れてミックス。その液体を庭のあちこちに撒くと、翌年にその液を撒いた辺りからアミガサタケが発生している、という海外のビデオを見たことがある。

それはつまり、腐生菌の性質を持たせたアミガサタケを培養(?)して栽培する技術(らしきもの)なのだろうと思われる。もしあのビデオが本物なら、日本でもそうやって栽培するのは可能なはず、、、だが、それは後日きのこびとメンバーのアミガサフェチな人が解明してくれるでしょう~~。

これはトガリアミガサタケ?アシボソアミガサタケ?

キレイに洗って撮影してみました。

一般的にブラックモレルと僕達が呼んでいるものの中で良く似ているのが以下の3種類

  • トガリアミガサタケ
  • オオトガリアミガサタケ
  • アシボソアミガサタケ

まぁしかしオオトガリではなさそうなので(オオトガリはもっとピンと尖っていて、大きい)、トガリアミガサタケかアシボソアミガサタケかになるでしょう。

そこで特徴をちょいと調べてみますと

アシボソアミガサタケはトガリアミガサタケに比べて

  • 柄(足)が細い(これが名前の由来)
  • 柄の色が白い
  • 網目が細かい

などの特徴から、この個体はアシボソアミガサタケなのではないでしょうか?
いや、でも自信持ってはそう言えませんが、足の特徴から見る限りどうもトガリではなさそうな感じなのです。

で、縦に切ってみた

まだまだ柄に対して傘が完全に隔生している、って感じはしません。
若い個体だからでしょうか?

しかしこの構造はほんと見事ですねぇ~

この構造になったのは傘をくねくねさせる事によって表面積を増やし、雨や風から胞子を作り出す組織を守り、そしてそこから多くの胞子を飛ばすための仕組み、なのでしょう。
どういう意図を持ってこんな造形が形成されていったのか?進化の過程を見たいもんですなぁ、、(嘆息)

またアミガサタケはきのこの中でも少数派の「子のう菌類」です(ここきのこ検定の試験に出ます w)。子のうという組織で胞子を作り出し、そして放出する。アミガサタケは、このアミアミ(肋脈)の内側から細かい胞子が飛び出していく仕組みができあがっているのでしょうね。

アミガサタケを引っこ抜いて、ちょっと振ってみると粉みたいなものがふわっと落ちます。
これは胞子が振ることによってアミアミの間から飛び出して行くのです。

「子のう菌類の子のう」(きのこ検定本より)

輪切りにしてみた

ちなみに「座り」が悪いので、紙で椅子を作ってみた写真です(笑)
雑な工作でごめんなさい (^_^;)

肋脈が何と言っても素敵すぎますよね。
横からカットではまったく分かりづらかった肋脈の複雑さ、巧みさ加減はいかがでしょう?

これだけ複雑であればヒダが無くっても雨風から胞子を守ることが出来るのでしょうね。

しかし、このアミアミは一種の神秘性を秘めていて、イラストや絵で描かれる姿は「悪魔的」「神秘的」な表現のものがちらほら見受けられます。それらの表現は作者の心の中の「闇」をアミアミが持つアンタッチャブルでミステリアスな部分をもって投影し、闇を余計に複雑化させる事によって我々を惹き付けているんだと思うのです。

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