されどタマゴタケ

神戸のタマゴタケ

タマゴタケです。

目視でもって判別できるとっても貴重なキノコである。

アナタもきっとこんなキノコを見つけたら「あ、タマゴタケや~ん❤」

とハートまで付けて甘えた声を出すに違いない。

しかし、、だ。
以前、友人たちと山登りしている途中で「タマゴタケあったよ~」と少しだけキノコのことを知っている友人が嬉しそうに呼ぶので、慌てて声の方へ駆け寄ってみるとそこには似ても似つかないヤブレベニタケらしきキノコがどーーーんと僕を待ち構えていたのでした。

え?これ間違えるの??タマちゃんと???(@_@;)

と思ったのですが、やはりキノコにそれほど興味のない人からしたら、赤くて立派なキノコがあればタマゴタケに見えてしまうのでしょう。

まぁ、そんな与太話は置いといて、、、このタマゴタケ、ちょっと流浪の歴史を持ったキノコだって知ってました?
 

ヘミバッファだった日本のタマゴタケ

さて、いきなり「なんだ、このヘミなんちゃらは!!」と思った方、おられますよね?

まずはそこから説明いたしますと、今日説明するタマゴタケの種類として3つの種類を覚えてもらわなければなりません。

  1. まずは現在のタマゴタケの学名「Amanita caesareoides」(カエサレオイデス)
  2. そして以前のタマゴタケの学名「Amanita hemibapha」(ヘミバッファ)
  3. ほんでからセイヨウタマゴタケの学名「Amanita caesarea」(カエサレア)

どうです?覚えられましたか?
覚えられないとキノコ検定落ちちゃいますよ・・・(ウソです w)

では、本題に入ります。
「ヘミバッファだった日本のタマゴタケ」と言うことは現在の学名は1にあるように「A.caesareoides(カエサレオイデス)」になっております。A.hemibapha(ヘミバッファ)は東南アジア系(スリランカで見つかった)のタマゴタケであり、もう一つのA.caesareoides(カエサレオイデス)はロシア沿海州で記載されたタマゴタケである。

日本のタマゴタケはずっとA.hemibapha(ヘミバッファ)を使われてきて、「日本のきのこ」(ヤマケイ)にも「北陸のきのこ」にも未だにA.hemibapha(ヘミバッファ)の方が使用されている(「北陸のきのこ」の方には注釈で「A.caesareoides」ではないかと言われていると書かれている)のであるが、遺伝子などを調査した結果、ロシア系のA.caesareoides(カエサレオイデス)に変更されたのであった。

なのでこれからはちゃんと「カエサレオイデス」と言ってあげて下さい!!
 

北海道の謎のタマゴタケ

学名が変われど、タマゴタケはタマゴタケ。
食べ菌さんたちからしたら、学名なんか知ったこっちゃない!ってことでタマゴタケを見たら猛突進している姿を良く目にしますよね?(笑)

しかしです。
この間、北海道のキノコグループでこんな投稿がありました。

「だんだら模様のタマゴタケ、初めて見ました」

そのタマゴタケを発見したSさんの投稿には綺麗なだんだら模様の柄をしたタマゴタケが写っていました。

「ん?じゃあだんだら模様じゃないタマゴタケがあるのか??」

誰しもそう思いますよね??

だって、、、

普通のタマゴタケの柄にはだんだら模様はあるもの、だからです。

じゃあという事で、だんだら模様がないタマゴタケの写真をいただきました。

これです。
指が写ってることなんか、気にしないで下さいね(笑)

だんだら模様がないタマゴタケ

さぁて、目をこすって下さい!!アナタの目に「だんだら模様」が見えますか?

見えませんよね??

そうなんです。やはりだんだら模様は「無い」のです。
アップしてくれたSさんは「いつも見ているタマゴタケにはだんだら模様は無い」んだそうな、、、、
で、確認のため別の写真も送ってもらいました。

だんだら模様が無いタマゴタケの傘

だんだら模様が無いタマゴタケの鏡写真

確かに最初のやつも含めてだんだら模様はありません。

では、今回Sさんが見つけた「だんだら模様があるタマゴタケ」と以前まで見ていた「だんだら模様がないタマゴタケ」は環境が違うのか?

という疑問が湧いてきますね。
Sさんに尋ねたところ「たぶん環境は変わっていない」らしいです。

それが証拠に最後にSさんが送ってくれた写真を見てみると、、、

タマゴタケたち

ん?なんか真ん中のタマゴタケの柄がだんだらしてないか、、、、???

しかもこの状況から察するにほとんど同じ場所で採られたような気もするし、、、

さてさてどうなんでしょうか?

 

だんだら模様のないカエサレア

ここで少し時間を戻します。

Sさんが、最初のだんだら模様が無いタマゴタケをアップしてくれた時にこんな意見が出ました。

「これってAmanita caesarea(カエサレア)だと思います」


「Amanita caesarea」で検索をかけてみる。
すると和名でこんな名前がヒットする。

「セイヨウタマゴタケ」

そう、一度ヨーロッパ在住の人がSNSサイトにアップしていたのを見たことがある欧米のタマゴタケなのです。

「確かあれって、傘の色が黄色っぽくなかったっけ???」

と思ってネットを検索してみる。
図鑑にはほとんど載っていない、なぜなら、それは「日本にはほとんど無いから」である。

ちょうどWikipediaがヒットし、そこにはセイヨウタマゴタケの特徴が少し書いてある。

編集して引用させてもらいます

  1. 秋にブナ科の森林下に発生する
  2. 日本では極めて稀で、ほとんど見つかっていない
  3. 帰化した可能性もある
  4. 菌根菌で傘は赤から橙色で周辺に溝線がある
  5. ひだは黄色
  6. 柄は黄色で中空
  7. つばとつぼがある
  8. タマゴタケに似ているが、タマゴタケは柄にだんだら模様があるので区別できる

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%A6%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%B4%E3%82%BF%E3%82%B1

この中で注目なのは2と3の解釈。

「日本では極めて稀に見つかることがある」

と読めないだろうか?

そして8番目のタマゴタケとの見分け方でセイヨウタマゴタケには「柄にだんだら模様がない」となっている。

確かに、セイヨウタマゴタケをネットで見たところ柄にだんだら模様は無い。これは間違いない。
だとすると、Sさんが言う「だんだら模様が無いタマゴタケ」はセイヨウタマゴタケ(Amanita caesarea カエサレア)なのだろうか??

Sさんの言い方のニュアンスだと「だんだら模様の無いタマゴタケは珍しいものではない」「私の住んでるところでは普通にある」という風に思えた。

だとするとWikipediaでは「極めてまれ」と書かれているものが、実は北海道では普通に存在するのか?

という話になるなぁ、、、むむむ。恐るべし北海道!!!

しかしだ、、、ほんとにそうだろうか?

と最近キノコの判別に疑いを持つことが習慣になってきた僕は、もう一度ネットに転がっている「Amanita caesarea」の写真を検証してみた。

するとどうしても拭いきれない「違和感」を感じるんですね。
それは検索して出てくるAmanita caesarea(カエサレア)の写真がどれも「ぷっくり」しているのだ。

そのぷっくり感は

  • 傘全体に厚みがありぷっくり
  • 柄がタマゴタケよりも一回り太そうでぷっくり
  • 柄の長さが短く、傘とのバランスの点でぷっくり

とまぁ、3点がどうもしっくりこない。
つまりはスラッとして紳士的な日本のタマゴタケに比べて、ちょっとぽっちゃり気味だが、とっても可愛らしく肉付きのいい女性的なセイヨウタマゴタケ、って感じ。

そのあたり「グーグルさんの画像検索」で検索した結果してみると、、、

セイヨウタマゴタケの検索結果

ほら、ぷっくりしてるでしょ?

さて、アナタはこの結果をどう見ますか?

ちなみに「タマゴタケ」のWikipediaにはこんな記述があります。

「ただし、針葉樹林帯に生息するものの中にだんだら模様がほとんどない個体も見つかっており、別種の可能性がある」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%B4%E3%82%BF%E3%82%B1

ここでは「別種の可能性がある」という表現に留めておりAmanita caesarea(カエサレア)であるとは言っていません。

うむむ、かなり混迷してる感じはあるなぁ、、、(汗)

と悩んでいたら、FBでお助けマンの39さんがやって来てコメントをくれた。

「A.caesareaは地中海地域に分布するもので、日本にはないとされています。日本の「タマゴタケ」はかつて南方系のhemibaphaとされていましたが、今では北方系のcaesareoidesとなっています。それでも、実際にはひとつの系統だけではななさそうなので、北方系と南方系があるのかもしれませんね。」

なるほどなるほど、、、

そして、同じく大阪市立自然史博物館のSさんもこんなコメントをくれました。

先日の菌学会では北のものがcaesaroidesで南は未知種の可能性という発表でした。

ふむふむ。。
お二人の意見をまとめると

  • A.caesareaは地中海地域に分布するもので、日本にはないとされています。
  • 日本の「タマゴタケ」は北方系のA.caesareoidesである
  • A.caesareoidesには北方系と南方系があるのかも
  • 北方のものがA.caesaroidesで南方は未知種の可能性あり

と言う感じでいいですかね。



さて、山に入って赤いタマゴタケを見つけたアナタ。この記事を読んだ後で、気軽にそのキノコに向かって「タマゴタケやん!」と言えますか?

言えませんよね?(笑)

 

『追記』だんだら模様の無いタマゴタケ写真集

この投稿をアップしたら、何人かの人から

「だんだら模様が無いタマゴタケよく見るよ」

らしいのでとにかく写真を送ってもらった。

で、なるほどなるほど、、確かに「無い!」。

で、それ以外のところも良く見れば「普通のタマゴタケ」とはちと違う気がする。

それを「個体差」と言ってしまえばそうかも知れないし、「別種じゃない?」という人が現れても否定はできない。

そう言えば、、、と思って、僕も以前富士山を登ってる途中で見たタマゴタケもだんだら無かった様に思ったので、過去の写真を調べてみたらやっぱり無かったよ、、だんだら。

なのでまずは自分のからアップしてみます。

富士山五合目あたり(写真提供:入佐)

そして和歌山の標高1000mあたりで撮ったというSさんの写真。
こちらも明らかにだんだら模様はありません。

しかしこの直ぐ近くで見ることができるタマゴタケはだんだら模様があるそうです。

和歌山(標高は1000m:混成林)写真提供:Sさん

和歌山(標高は1000m:混成林)写真提供:Sさん

長野県にお住まいのMさんからお借りしている写真。
これもだんだら模様を確認することはできません。

長野県、写真提供:Mさん

この上の写真と次の写真はだんだら模様が無いだけではなく、傘の色が変わってますね。
中心部が赤いのに対して、周辺部はかなり橙色になっています。

長野県、写真提供:Mさん

下の写真を見るとだんだら模様のと、そうでないものが混ざっています。

長野県 写真提供:Mさん

という事は和歌山のSさんの環境と同じ様に、出る場所によってだんだら模様のあるもの、無いものが出てくるのではないか、、、

その分岐点はいったい何なのだろうか???

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されどタマゴタケ” に対して1件のコメントがあります。

  1. 今尾 智恵 より:

    こんにちは。
    FBきのこ部会員、今尾と申します
    とても興味深いタマゴタケレポートをありがとうございます

    最後に「その分岐点」について考えておられますが、少し思うところあり。コメントさせていただきます。

    きのこを眺めながら、
    なぜだんだらはだんだらなのか!?
    …を観察してみました。
    すると、
    そこにはきのこの急激な成長が関係していることが推察されてきます。

    きのこが育つ→表面の細胞がその生育に追いつかない、または乾燥や硬くなっていることで伸びない→裂ける→下の細胞が見えてくる。
    タマゴタケの柄でも、裂けた薄い表皮の下から薄皮一枚下の組織が見えて、上皮と下皮の色の濃さや質感に違いがあればあるほど、だんだら模様が際立つ…
    という現象が起きていると考えます。

    同じような現象は、樹木の幹や妊婦さんのお腹でも見ることができます。

    このことが成り立つとして考えを進めると、
    だんだら模様があるものとないものの差は、
    ①柄を含む全体の色が薄く、上皮下皮とも同系色のため、だんだら模様が目立たないものと、個体差で柄の表皮の色が濃く下皮とのコントラストがだんだら模様となって目立つものとがある
    ②だんだら模様になるには柄の上皮が裂けることが関係するが、成長速度が遅いか、柄の表面の湿度や柔軟性が保たれ、上皮が裂けなくても成長できるもの(結果だんだらにならない)と、場所によっては乾燥しているなどで裂けて成長する(結果だんだらになる)ものが生じる

    …という②つにあるのではと考えます。
    ①は色の濃さの差によるだんだらのあるなし
    ②は表皮の柔軟性によるだんだらのあるなし
    です。

    だんだら模様への形而上学的なアプローチとでも言いましょうか…
    仮説に過ぎませんが、ご一考いただければ幸いです。

    1. いりさじょうじ より:

      今尾様
      いつも的確なコメントをしている人にこんなコメントしてもらってちょっと緊張しております(笑)
      さて、この今尾さんの仮説たいへん興味深く読ませていただきました。
      そして「その分岐点はいったい何なのだろうか???」のあと、思考停止しておりました自分をちょっと恥じております (^_^;)
      今尾さんの仮説は大きく2つのポイントがありますね。

      1.だんだらはどうやって出来たのか?
      2.だんだらはどうやって無くなってのか?

      の2点。
      まずは1について考察してみました。
      今尾さんの説なら

      「卵から出たてのタマゴタケの柄は真っ赤ではないのか?」

      となるのではないか?ということです。
      上皮と下皮があるとして、その上皮が赤く、下皮が黄色い、ということですね。
      で、その上皮が柄の成長に追いつかずダンダラになる、という仮定ならば卵から出たてのタマゴタケの柄は真っ赤である必要があります。

      しかしながら、僕の持っている写真を調べてみたところ2枚それらしい写真が見つかり、その2枚ともに卵から出たての柄は赤くありませんでした。また、その状態ではだんだらすらありませんでした。

      ということで1つめの仮説に僕の中では疑問符がついております(笑)
      ホントはもっと沢山のサンプルを見てみないとわかりませんが、、今尾さんの持っている写真ではどの様になっているか確認してもらえないでしょうか?

      こちらの写真はいつでも提供できますので、もし良ければMessengerでもお送りします。

  2. 今尾 智恵 より:

    入佐さま、早速のご検証ありがとうございます

    きのこの謎について考えている時間がとにかく幸せで、今回も投げかけた仮説に対しての入佐さんのお返事に思考をさらなるところへ導いていただいたような感じがして、とても楽しいです。

    上でお書きいただいた、
    「卵から出たてのタマゴタケの柄は真っ赤である必要があります」というのは、私の投稿における①の、外皮の色が濃色であり、それが裂けて内皮が見えることによってだんだら模様が発生するという観点に関する疑問立てで、
    だんだら模様が出来るタマゴタケに関しては、という理解でよろしいですよね?

    そこで、それについて今一度考えてみたのですが、必ずしも「卵から出たてのタマゴタケの柄は真っ赤である必要がある」とは言い切れないかもしれません。
    なぜなら、出たての時点または卵の中で既に赤い上皮を持っている可能性と、成長や外気に触れたり太陽にあたったりする後天的な刺激で上皮が赤くなる(つまり、もともとなんらかの刺激で赤くなる素質を持った上皮であるということ。下皮にはその素質がない)可能性の両方がありますので…

    ごそごそと写真をあさると、自分の仮説に有利なものがいろいろとありましたが、都合よく結びつけているだけのような気もして、なんとなくすっきりしません。

    ですので、新たに検証してみたいと思いました。(ああ、楽しい〜楽しすぎる〜)
    思いつく検証方法としては、
    まず、
    だんだらのあるタマゴタケ群落の幼菌を卵やそれぞれの成長過程の段階で真っ二つにし、外皮の色を見る。
    また、真っ二つにした幼菌をそれぞれ水を吸ったスポンジに置き、成長させ、それぞれの段階でのだんだら模様を見る。
    次に、同じようにだんだらのないタマゴタケ群落の幼菌を卵やそれぞれの成長過程の段階で真っ二つにし、外皮の色を見る。
    また、真っ二つにした幼菌をそれぞれ水を吸ったスポンジに置き、成長段階でのだんだら模様を見る。

    …ということでいかがでしょうか?
    タマゴタケが成長するにつれ、柄が伸びてだんだらの間隔が広がっていくことはすでに観察ずみですが、
    上記の検証実験ができれば、①の外皮の色が濃く、それが裂けて内皮の薄い色が見えることによってだんだら模様ができ、外皮の色も内皮の色もともに薄ければだんだら模様にならない、ということが証明できるかと思います。

    そして上皮が裂けることでだんだら模様になることが実証できれば、私のコメントの観点②の、
    上皮に柔軟性があるので上皮が裂けず、だんだら模様にならないものと、上皮に柔軟性がなくて裂けるのでだんだらになってしまうもの…ができてくるのではないかという可能性にも繋がってくるかな、と思います。

    入佐さんのアドバイスのおかげでテンションが上がって、
    検証実験に臨むべく
    さっそくタマゴタケハンティングに出かけましたが、ここ岡山ではまだまったくタマゴタケの影がありません…
    うっ、悲しい。
    少しお時間をくださいませ。
    またリポートさせていただきます。

    1. いりさじょうじ より:

      にゃはは、すごいなぁ、、、まいった(笑)
      確かにタマゴタケが幼菌の時代、柄が赤いのではないか?
      というのは違うように思えますね(実際にそうではないし)。
      ではいつから赤くなるのか?という問いには恐らく今尾さんの仰るように後天的な何かの要素(たぶん太陽光線が関係してるのかもしれませんね)が、タマゴタケの上皮を赤くしてる、という可能性が高いです。
      FBのコメント欄で「大きくなったらだんだらが出てくるんだ」という人がいまして、僕はその時半信半疑だったのですが、大きくなったらと言うより柄が伸びていってる間にある外的要素のせいで赤くなっていく、というのが事実なんでしょうね。

      まぁ、ここまではたぶんそうでしょう。

      で、そこまで行ってハタと疑問が湧いてきました。

      果たして上皮なるものがほんとにあるのだろうか?ということ。
      もし上皮というものがあるのなら、だんだらの赤い部分はピンセットか何かで挟んで剥けるのではないか、と思うのです。
      これで剥けたのなら「上皮がある」というのが確かだと思います。

      でも、もし剥けないのなら、、、???

      なんてちょっと考えてみました。
      なのでだんだらの赤い部分が剥ぎ取れるかどうか?で次の仮説に移れると思っています。

      もう一つの疑問が、では他のキノコは何故だんだらがないのか?というもの。
      キノコの生長というのはご存知のとおりどれも急速であります。
      だとすれば例えばツルタケなどの柄はツルッとしていて(ささくれてるのもあるが)、上皮なるものがあるようには見えません。
      また、もし上皮というものがあるとしてもヒビ割れたりすることは無いのでしょう。
      何が言いたいかというと、もし上皮なるものがあるのなら、それがひび割れるっていう現象は通常は起こらないのではないか?と思うのです。つまり何のための上皮なんだ?という話。

      人間の皮膚は妊娠したからと言って皮膚が破れることは無いよなぁ、、、なんてことを漠然と考えています。しかし例えば日焼けをした後に「皮が剥ける」ということはありますよね。
      あれは、下にもう一枚皮膚があるわけではありませんが、皮が剥けちゃう。

      その原理は良く分かりませんが、案外タマゴタケのだんだらと同じではないか?なんて思えてきましたぞ!!(笑)

      すんません、今尾さんの実験の話からはちょっと遠くなりましたが、何らかのヒントになればと思います。

  3. 今尾智恵 より:

    えーと、まず1番気になった点からお答えしますね。
    男性はあまりご存知ないのかもしれませんが、人間の皮膚がひび割れるという現象、ありますよー

    激しいスポーツをする人や妊婦さんに現れる「肉割れ」「妊娠線」というのがそれです。
    急な皮下組織の成長に外皮が対応できずに避けてしまい、傷というかミミズ腫れみたいなものが皮膚にできる状態です。
    ネットでググってみてください。全女子の敵とも言える憎いやつです。

    じつは1番最初に思い浮かんだのがそのイメージでした。きのこのだんだら模様にとても似ているんじゃないかなと。
    最初の投稿にも書いたのですが、樹木の幹の外皮は幼木の頃はなめらかなのに、大きくなる過程でひび割れてくるものがたくさんあります。
    大きくなるためや外敵・病気からの防衛のために「固さ」が必要で、でも固いと大きくなることが難しい。そこでいくつかの樹木は、固い部分をひび割れさせて伸ばし、その下から成長した部分が盛り上がって大きくなっていく方法を戦略として選んだのだと思います。

    同時になぜ他のきのこにはだんだら模様がないのか、という問い掛けについてもお応えしておくと、
    それも樹木と同じなのではないかと思っています。
    例えば松の木の幹は、成長してひび割れると、亀甲のように縦横にひび割れます。
    けれど杉の幹は主に縦長の割れ目でひび割れて成長します。
    柔軟性のある外皮を持つ樹木・草木にはひび割れないものもあります。

    そして入佐さんが出してくださった日焼けの例が、さらに私が言いたいことを捕捉してくれているので、ここに紹介します。
    https://www.kao.com/jp/binkanhada/uv_01_02.html
    ターンオーバーと言って、お肌を気にする女性なら知っている、細胞の入れ替わり現象です。
    つまり、日焼けによって皮が剥けている時、
    「その下にもう一枚皮膚があるわけではありませんが」とおっしゃっていますが、いえ、その下に皮膚はあるのです。この時、逆にめくれている皮の部分がすでに死骸、老廃物なのです。

    だんだら模様にならないきのこは、入佐さんのおっしゃるようにこのターンオーバーに近い方法で自分を成長させていっているのかもしれません。
    このように、樹種によって、外皮組織の構造や成長戦略は違っています。

    ここできのこのお話に帰ってまとめますと、つまり、だんだら模様になるきのことならないきのこがある理由は、
    きのこの種類によって外皮組織の構造や成長戦略が違うから、ということになります。

    同じタマゴタケでも、西洋のものと日本のものも外皮組織の構造や成長戦略が違っていてもおかしくはなくて、それがだんだら模様のあるなしの意味するところなのではないかなぁと。

    あと、最後に、
    外皮であるなら剥けるはず、というご指摘について。

    あ、ここで気がつきましたが、すみません。
    私の外皮と呼んでいるものの定義があいまいで、互いのイメージがズレているかもしれないですね。
    外皮と言っても、人間の皮のような、みかんの皮のような、細胞の種類から異なる組織体みたいなイメージではなく、菌糸の塊でしかない子実体の柄の、いちばん外側の部分、外側の層くらいのイメージです。
    これも人間の皮のように固かったり、完全に組織体として分離していたり、哺乳類から皮を剥ぐように皮下組織との間が剥離しやすければ剥けるのでしょうが、きのこでもハツの仲間のように外側の皮が剥けやすいものと剥けないものがあり、桃の皮も熟してないと剥けなかったりするので、「剥けない=外皮がない」とはならないのではないかなーと思いました。
    ちなみに、タマゴタケの柄の薄皮みたいな、だんだら模様の色の濃い部分に関しては、料理の際に汚れを落とそうとしてこすると、汚れと一緒にヌルッとした感じを残しつつ、簡単に取れてしまいます。つまり、剥けます。
    ぜひ擦ってみてください。

    タマゴタケのだんだら模様を探るスペシャル実験は、タマゴタケの発生を待って行う予定です。
    入佐さんが突っ込んでくださるおかげで、またぐっと、考えが詰まってきたように思います。ありがとうございます。
    ああ言えばこう言う、みたいになってしまいましたが、わたしにはとても楽しいきのこを巡る考察の時間でした。

    今思っているのは、
    だんだらが無い、と、だんだらが目立たない、は違うということ。
    ドクツルタケの柄が白一色で、でもディテール(光の反射率?)が違うためにしっかりだんだら模様に見えていることから、タマゴタケも、だんだら模様が無いように見えているものも、ほんとはだんだら模様があるものもあるのではないかと考えるようになりました。
    西洋のものはのっぺりとしていてだんだら模様の気配もないのに、日本のものは記事の写真をじっと見ていると、なんとなーく怪しく見えませんか?
    ひょっとしたら日本のだんだら模様がないように見えているタマゴタケは、色とディテールがドクツルタケのように異なっていないため、模様として見えてないだけの可能性があるのではないかと。

    その際に外皮の柔軟度や湿度と柔軟度の関係なども調べないといけないかなーと思っています。
    西洋のものは外皮の柔軟度が高いため、急に成長しても外皮が伸びて、だんだらにならない。日本のものも、ゆっくり成長するか、十分な湿度のもとで成長すると外皮が裂けず、だんだらにならないことがある…
    などなど、何らかの結論を導けるまで調べられたらいいなーと思っています。

    大好きなきのこのことなので、ついつい徹底してしまいますがお許しください。
    入佐さんの、たくさんのヒントとご指摘に感謝いたします。
    ありがとうございます。

    きのこ人、引き続きたのしみにしております。

    1. いりさじょうじ より:

      なるほどです。
      先にお知らせしたいので、ここに書き込みますね。
      きのこ部で「毒キノコ事件簿 その8」の投稿をしたのですが、そのコメントのなかにHiroshi Senbei Takaba という方がタマゴタケの生長をインターバル撮影されております。
      もしHiroshi Senbei Takabaさんに何かお願いするようなことがあれば、コメントしてみて下さい!!

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