「きのこ!キノコ!木の子! ~きのこから眺める自然と暮らし~」(その5)

今回からはブースはバラバラになりますが、ちょこっと面白かったものを何点かピックアップしてお送ります。

キノコの図

この絵の上のタイトルには「尋常小学校◯科掛図」と書かれていますね。
「◯」に何が入るかはわからないのですが、尋常小学校っていうところから見るともしかして授業でこれを使ったいたのかもしれませんね。

しかし、そもそも何でこんな掛図を作ったのか?というのはとっても謎なんですよね、、、見ている限り。

そしてイラスト自体はとても精巧に描かれているのですが、ところどころで「ん?」と思うものがありますよね~なので、ちょっとピックアップしてみましょう~

  • 「有毒のきのこ」側にキツネノエフデとかスッポンタケが入っている
    う~む、キツネノエフデは「不食」でスッポンタケは確か「可食」のハズなんだがなぁ、、、
  • 「アシタカベニタケ」って何?
    これは絵で見ればわかるとおり「ベニテングタケ」なんですよね。確かに有毒だけど、それおど代表的な(目立つけど)毒菌では無い気がするのだが・・・・
  • 「せんぼんしめじ」はもしかして?
    「せんぼんしめじ」って書いてあって、通常「シャカシメジ」の別称がセンボンシメジのことなのですが、調べてみるとホンシメジの別称でもあるみたいなのですね。なのでこれはホンシメジだと思われます。

いろいろツッコミどころが満載の掛図ですよね。
いくら考えても「この掛図がどんな意図」でつくられたのか謎なんですけど、、、
 

吉見昭一氏作

アマチュアキノコ研究家でもあり小学校の先生でもあった吉見昭一さんが描いたという絵ですね。

吉見昭一氏はキノコの研究ではあまり調べる人のいなかった腹菌類(スッポンタケ、キヌガサタケ、サンコタケなどなど)を専門に研究していたそうです。
また色んな本も出されているようなので、一度手にとってみてはいかがでしょう?

で、この絵ですが、これも先程の掛図と同じ様に小学校の教室(?)などに掛けてあったそうです。吉見昭一氏の本職が小学校の教諭であったので、自らの手描きでこういう絵を描かれたのでしょうね。

しかし、先程の掛図と異なり、この絵の意図は明確に伝わってきます。
つまりは

「これらのキノコを見つけても食べちゃあかんぞ!」

というキノコを示しているわけなのです。
そういう意志が明確に現れている字がありますね、、すなわち「毒(どく)」という一文字(笑)

う~む、確かに明確ですな。
この毒キノコを食べたときに人がどんな症状に陥るか、によって毒キノコを4つに分類しています。

「生命」・・・命にかかわる毒を持ったキノコ
「重病」・・・かなり重い症状に襲われるキノコ(命の危険は少ない)
「特殊」・・・命の危険は無いけど、幻覚や神経系に異常を起こすキノコ
「下痢」・・・下痢や嘔吐に襲われるキノコ

まだまだ種類的に足りないものもありますがこの4x4のマスの中ではこれぐらいの種類しか入れれなかったのかなぁ、、とは思うのですが、やはり「え?」って思うものもありますよね。

例えば「ベニテングタケ」「テングタケ」は命にかかわる程のキノコではありませんね。
この2つを入れるのであれば、例えばドクツルタケやフクロツルタケを入れておいたほうが、、、などと思ってしまいますが、もしかして別バージョンもあったのかもしれません。

ちなみに吉見昭一さんは1928年~2003年ですので、この絵は戦後に描かれたのは間違いありません。
食糧事情が厳しかった時代、人々が飢えを凌ぐために山に入ってキノコを採ってきて食べる、ということは今よりももっと日常茶飯事だったのでしょう。また、情報が少なかった時代ですので、単に「美味しそうだ」「食べられそうだ」というだけで天然のキノコを採って来て食べて食中毒になった、というのもありきたりな日常のことだったのかもしれません。

だからこそ、こういったキノコ教育は小学校の現場でも必要だったのでしょうね。
 

きのこを持って踊る人(笑)

謎の踊ってる人の写真。
ここにはキャプションがついてなかったので(20日当時)、これは謎の人であった。
たまたま近くにいた人が佐久間さんに「これは誰か?」という質問をしていた人がいたので、横で聞き耳をたてていると謎が解けた。

これは牧野富太郎氏らしい (@_@;)

あの植物学者の牧野富太郎氏がこんなことを、、、、

「この方ねぇ、、真面目な人なんですけど、キノコを見つけたらこんな風になるみたい、、」

とは佐久間さんの弁。
まぁ言わば「研究者あるある」ってやつですかね(笑)

でもすごいなぁ、、手に持っているのはカラカサタケでしょうか?
踊ってる姿が堂に入ってますよね~(^_^;)
 

つづく、、、

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