寒さにも負けず、霜にも負けず(フサタケ属)

雲のない晴れた日の朝には、とても冷たい空気が地表の草たちに氷の衣をつけてカチコチに凍ってしまいます。今日も、そんな1日の始まりです。

さて、今日は標高800mくらいの山に登りに行きました。この山はとても険しく、斜面地を滑りながらのぼるハードな山です。そして、この山は高い杉の木が人ごみのように集まっています。ですのでいうまでもなく、きのこはあまり期待できないのです。しかし、そんなスギ林の中でも、伐られずに残ったシイの木やスギ林の隙間から入ってきたシロダモなど、少なからず広葉樹と言われる木々たちがひっそりと住んでいます。

登っている途中、空に向かって伸びている植物たちに負けじと小さくて細いきのこが顔を出していました。そのきのこは、枯れて地面に落ちた木に細長い体を伸ばし生えていました。朝霜にさらされ、冷たくなった体はきのこの柔らかさではなく、木の棒のように硬く、寒くないようにカイロで温めた手も、そのきのこに触れると一気に冷たくなりました。

このきのこは、図鑑に載っているのをなかなか見つけることができませんでした。唯一、家に置いてあった「北陸きのこ図鑑」に載ってるのを見つけました。
似ているものに、カレキタケやカンザシタケモドキがあるようです。ただ、いずれのきのこもまだ比較をしたことがなく、また情報量的にも少ないので、今回は“フサタケ属”として描かせていただきました。

“同じように見えるきのこでも、実は違っていた。”

生き物の世界全体でそれは言えるかもしれませんが、きのこの世界でもこんなことが日常茶飯事ですもんね。
だけど、こうやって知らないことを知れるというのは本当に嬉しいことだし、将来このきのこの正体が分かった時、理解し、そして新たな知識として貯まっていきます。

生き物を観察したり、調べたりすることは本当に楽しいな。と思う瞬間でした。

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