コンパクト版6 原色きのこ図鑑

『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』 印東弘玄 成田傳蔵 監修

お、旦那さん、その図鑑が気になるってんですかい?こりゃまたお目が高い。ええ、じっくりとご覧になってくだせぇ。

掲載種数800以上はキノコ図鑑の中でもトップクラス、しかもコンパクトで持ち運び可能、と、こう来りゃメインにすえて使っても良さそうな図鑑なんでやすが、少々難点がございやして……。

1986年発行のこの本の内容はちょいと古い。いまだによくわかっちゃいない菌類のこと、年々新事実が発見されるような状態でありやして……へぇ。まあそこんとこ、勘弁してくだせぇ。

もう一つ、キノコの並び方が普通と違うんでさ。ほら、ページめくるといきなりテングタケ科。普通はヒラタケ科ヌメリガサ科キシメジ科と来て、次にテングタケ科が来るんでやすが……え? 大して違わないじゃないかって? いやいや旦那さん、あっしらのようにキノコ図鑑をくびっぴきで眺めるようになると、なんですかね、英和辞典をA・B・C…と調べるのと同じように、キノコ図鑑を調べられるようになるんでさ。マツタケはシメジの次のこのあたり……ってな具合にね。それが、C・A・B・D…なんて具合になってたら、旦那は辞書引く時に困るでしょ。それと同じなんでさ。ま、普通の人が使うんなら、どうってことはないんですがね。

え? キノコの図版が全部イラストじゃないかって? さすが旦那さん、鋭いとこを突く。なに、写真図鑑は値が張る上にかさばっていけねえ。手描きのイラストだって逆に写真より調べやすいことがあるって言うし、気にするこたァありませんや。この図鑑のイラストはそっちの「原色日本新菌類図鑑」のに比べると少々見劣りがするんで、それをどうこう言うお客さんもいらっしゃるんですが、ありゃあ、あっちが良すぎるんです、他の図鑑と比べるのは気の毒ってもんで。旦那さんも分かってくだせぇ、いつどこで生えるかもわからない800のキノコのスケッチをするその苦労を。

いかがですか。こっちにゃ他で載ってないキノコだってたくさんあるし、巻末にくっついている「きのこ概説」は力作、ついでのおまけに読みやすい。えぇ、あっしの名にかけてもいい、旦那に損はさせませんよ……。

……図鑑出版の老舗、北隆館から1986年に刊行されたイラストきのこ図鑑。きのこ写真家・井沢正名を中心とした後発のカラー写真図鑑の質があまりに良かったために陰に隠れてしまったけど、掲載種数800で携帯可能というのはかなりの労作、もっと評価していいように思う。各キノコの記述がちょっと物足りないのと、イラストの出来不出来に多少バラつきがあるのが難点だけど、定価5000円弱を払うだけの価値はある。

『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』

これ裏表紙。どっちが表かちょっと考えてしまう。キノコの彩色がちょっと派手すぎるのは気のせい……じゃないよな。モエギタケそんな真緑じゃないって。もしかして「原色図鑑」ってそういう意味なわけ?

『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』

図版はおそらく複数人数で描いていて、テイストにかなりバラつきがみられる。そんでもイラスト図鑑ってのが個人的に大好きなので、評価甘めになっちゃうんだけどね。見るの楽しー。

『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』

このへんのキノコ図版……子供のころの愛読書だった旺文社の『貝と水の生物』を思い出す。キノコの形もそうなんだけど、画が大味なあたりとか特に。

『コンパクト版6 原色きのこ図鑑』

巻末の『きのこ概説』をはじめとした文が50ページほどあって、これがかなりリキが入っている。簡単なキノコ料理レシピまで。食べ方まで指導してくれる図鑑ってすごいよな。っていうかやり過ぎじゃ?


コレクター的には◎だが、実用性はかなりあやしい、というのはここだけの秘密。「これどう見ても違うだろ」ってのがかなり混じってる。ミダレアミイグチが緑色なのには笑った。

「月刊きのこ人」(こじましんいちろう)に掲載分を再掲載

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