ナメコはナラ枯れと共にやってくる?(前編)

ナラ枯れナメコ探索に行ってきた

大阪と奈良の境界に横たわる生駒山系は現在ナラ枯れの最盛期である。

京橋から学研都市線に乗って京都へ向かう電車の中から生駒山系の山々を眺めていると、何年か前までと違った異様な光景を目にする。

春、落葉して丸裸になった木々たちが新しい芽を出し始める頃、それら異様な木達は枯れた茶色い葉っぱをまだその枝に掴ませたまま、倒れることもなく、枯れたまま、すっくと立っている。

「ナラ枯れ」した木である。

夏になればそんな木々たちが緑の中に混じって、遠目にはあたかも紅葉している様にも見えている。そして「そんな紅葉」が年を追うごとに増え続けて、今回調査しに行った交野市の山では凄まじい数のナラ枯れの木(主にコナラ・クヌギ)を目にしたのでした。

この木は既に葉っぱはついていないので、この枯れた状態のまま何年かここに立っているのであろう。

で、今回の目的はナラ枯れを見にきたわけではない。

ナラ枯れの木にナメコが発生しているかどうかを調査しにきたわけなのです。

菌友たちによると

「ナラ枯れの木にナメコが発生するんだよね~」

とか

「ナラ枯れの終焉とともにナメコの発生も終焉だな、、」

とか

「ナラ枯れした木もだいたい5年したら枯れきってしまう」

などの、会話がちらほらり。
ただし、これは大阪での話ではない。
もっと北の方の「寒いところの話」(何という曖昧な w)として、である。

でもここんところの大阪は寒い。
しかも、交野市の方は僕のいる大阪市内よりも、もっともっと寒い。

ならば、ナメコぐらい出てないか?

なんて事を考えて今回調査にやってきた、というわけなのです。

ナラ枯れのそもそもの原因とは?

しかしその前に「ナラ枯れ」というものはいったい何なのか?ということを調べてみました。

ナラ枯れしている三兄弟

この写真はちょうどナラ枯れしている木であるが、何年か前までは元気でした。そんな元気に「見えた」木がどうしてそんなあっという間に枯れてしまうのでしょうか?

ちょうどナラ(奈良)県のWEBサイトを見たら良い説明があったので引用します。

近年、奈良県でも、ナラ類やシイ・カシ類の木が枯れる「ナラ枯れ」という被害が広がっています。
これは、カシノナガキクイムシ(以下「カシナガ」という)という昆虫が「ナラ菌」という病原菌を木の中に運び込むことよって引き起こされる樹木の伝染病です。

カシナガは、体長4.5~5mm程度の小さな虫で、メスの背中にはマイカンギア(菌囊)とよばれる、餌となる菌を貯蔵・運搬する器官をもっており、このマイカンギアに餌となる菌の胞子のほか、ナラ枯れを引き起こすナラ菌の胞子が含まれ、木の中に運び込まれます。

カシナガは、6月上旬頃~ナラ類の幹に穿入し、樹幹内で産卵を行いますが、この時にナラ菌の胞子も木の中に持ち込まれます。ナラ菌は、カシナガが掘った坑道を伝って蔓延し、その結果、ナラ類がナラ菌の蔓延を防ごうとして通水機能を止めてしまうことにより、7月~8月頃葉がしおれて茶色に変色し枯死に至ります。

木の中で成長・羽化した新成虫は、翌年の6月上旬頃~ナラ菌を持って脱出し、健全なナラ類に飛来・穿入を行うことで、被害が拡大してしまいます。

http://www.pref.nara.jp/40492.htm

ナラ県の説明ではカシナガが持ち込んだナラ菌がナラの木に蔓延するのを防ぐためにナラの木自身が通水機能を止めてしまうため、葉まで水が行かなくなり葉がついたまま枯れてしまう、と言うことらしい。

つまりはナラの木の防御システムが自分自身を枯れ死させている、とも言えなくないな、、、ふむふむ。

でも何故現在生駒山系にこんなにナラ枯れが大発生しているのだろう?

生駒山系にナラ枯れが急速に拡大している理由

ちょっと生駒山系にナラ枯れが広がっている理由を考えてみました。

固いキノコに覆われているコナラ

山を登っていくと登山口の辺りは凄い割合(8割ぐらい)でナラ枯れが進んでいるのが見て取れます、が、しかし、どんどん登っていくとその割合が少なくなり、また北の方に進むとまったくナラ枯れがまったく見られないところもあったりします。

よく見るとナラ枯れになっている木は古そうな木ばかりなんですよね、、、

これってもしかして、もう老木だからカシナガにやられてるだけでは、、、???

ってことでちょっと調べてみるとこんなのが出てきました。

「ナラ枯れ(ナラ類の集団枯死)」

カシノナ ガキクイムシは直径10cm以上の樹木で繁殖効率が良いため、大径木ほどたくさん羽化し、翌年の被害拡大につながります。そのため、高齢のナラ林で被害が 激しくなります。

http://www2.kobe-u.ac.jp/~kurodak/Japanese_oak_wilt.html

つまりは太い木ほどカシナガの標的になりやすい、、、っていうことですね。

「太い木=高齢の木」と考えても良いかもしれないので、ナラ枯れっていうのは山自体が自らカシナガという「木こり」を招いて、古い木をバッサバッサ切り倒して、若い木や、これから生まれてくる木に「大きく育つのだよ」と言ってチャンスを与えているように見えてきますよね。

だって大きな古い木がずっとそこにのさばっていたら小さな苗木のような木達は途中で大きくなれずに死んでしまうんだものな、、、

小さな苗木のようなコナラ

こんな小さな木たちを大きく育てるためにも、ナラ枯れってのは必要じゃないのか、、、??

なんて思ってしまいます。
ナラ枯れは一般的な感覚で捉えると「木を枯らす悪者」扱いされている感じをどうしても受けてしまうのですが、僕にはどう考えても悪者には見えないのです。

そして生駒山系の森林の歴史を調べてみると面白いことが分かってきました。

「参考:生駒山系の森林の歴史」
http://www.pref.osaka.lg.jp/chubunm/chubu_nm/ryokuti17.html

まとめるとこんな感じ。

  1. 平安時代に、シイ類を中心とする照葉樹林の森から、アカマツ・雑木林の森に近い形態になった
  2. 戦前までは燃料とする薪や炭を作る薪炭林(しんたんりん)の経営が広く行われていました
  3. 戦中・戦後の乱伐により、ほとんどの山々がはげ山となってしまった
  4. 昭和20年代後半から、多くの人々の手による植林作業が進められた結果、緑がよみがえった
  5. 昭和40年代、松くい虫被害の蔓延や度重なる山火事のため、アカマツ林や雑木林などの多くが枯死した
  6. その後、植林や自然生えにより森林が蘇り、現在の生駒山系の姿となった

さて、この中で注目したいのは「5」の昭和40年代に「多くの林が枯れ死(無くなる)した」、というところ。
つまり、今から50年ほど前に生駒山系の木々たちは壊滅的なダメージを受けていたんですね。

そこから復活したのが今の姿、というわけらしい。

山火事というのも山の木々たちの新旧交代するいい機会と捉えるとしたら、このナラ枯れの進行はやはり森を再生するための一大プロジェクトなんだと思うんですよね、、、

ナラ枯れの木に生えていたキノコは・・・

さて「ナラ枯れ」についてはここらで置いといて、、今回の目的である「ナラ枯れの木にナメコは出ているのか?」という調査である。

しっかりと調査してきました。
立ち枯れしているナラ枯れの木の周りや、もう既に切られている木などをくまなく調べてきました。

しかしどの木を見てもそのほとんどがこのキノコ(たぶんシロハカワラタケ)だけが、ナラ枯れた木を侵食していたのです。

シロハカワラタケに覆われたコナラ

このキノコはカワラタケの仲間で、とっても固いキノコです。

いかにも固そうですなぁ、、
多くのコナラの木がこのキノコに取り憑かれ、食い荒らされてるって感じがしますね。

さて、全てのナラ枯れの木からこのキノコが出ているわけではありません。3年ほど前に来た時は少し時期が違いますが、ナラタケモドキが気持ち悪いぐらいわんさか出ていたこともありました。

ですので、今回も「ナラタケぐらいは出てるんじゃないか?」と幾ばくかの期待を込めてやって来たのですが、こんな黒炭化したナラタケ(的)なものが見つかったのが、せいぜいでした、、、

ナラタケか??

ここまで黒炭化すると、もう何かまったく分からなくなりますが「なんとなくナラタケ?」って感じはしますよね?(笑)

こんなのを見つけてちょっとばかし喜んでいたのですが、でもほとんど出ているキノコって言えばこのシロハカワラタケばっかりで、肝心のナメコは見当たりませんでした。

で、考えました。

「ナメコは生駒山系に出ないんじゃないのか??」

またちょっと調べてみました。

生駒山系と言えば「奈良きのこの会」ですよね

そのWEBサイトを見ていきますとナメコが出てきました。

http://www.geocities.jp/ks_kinoko/kininaru-html/kinoko-html-na-no/nameko.html

生駒山に出ているナメコの写真がありますよね?
そうです、探せば生駒山系にもナメコは出るようですが、どうも量はそんなに多くなさそうですし、ほんと限られた場所だけのようです。

僕も「北の方で」(大阪じゃない)ナメコが出る場所を見ていますが、現在ここ生駒山系でナラ枯れが起きている木にはナメコが出そうな気配がまるでないのです。

めっちゃ乾燥してるんです、、はい (T_T)

ではナメコはどんな所にでるんでしょうか、、、?

つづく、、、

 

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