街で見つける山の幸図鑑

『街で見つける山の幸図鑑』  井口潔

都会でも天然の食材が手に入る!なんて心踊ったりするのは私だけだろうか。山菜だとどこ探しに行ったらいいかわからない上に、遠くまで出かけても採れる保証がなかったりする。でもこの本で扱っているものは、街中でも探せばけっこう手に入るものばかり。しかもライバル不在で採り放題。もちろんタダで手に入るだけに、味は万人向けとは言い難いけれども、間違いなく新鮮でしかも旬、目新しさにくわえ、自分で採ってきたという実感がいいスパイスになって、意外とあなどれない味なのだな、これが。

『街で見つける山の幸図鑑』、著者はきのこ人として名が通っていて、いくつかのキノコ著作もある井口潔氏。

ボリュームたっぷりの本で、A5サイズに300ページもあってずっしりと重い。この本でとり上げるのはキノコ・野草・樹木からそれぞれ約30種類ずつ。その特徴から採取時期、場所、利用方法まで、ちょっとしたエピソードもくわえてたっぷりと紹介してくれるのがありがたいところ。しかもそのほとんどが身近でありふれた種類であるうえ、特徴が多くて判別しやすい種類を優先しているあたりもgood。さらにその利用法は、食べるばかりでなく果実酒やジャム、薬草、草木染めにまでおよんでいる。

巻頭にカラー写真ページがあるなど、情報がたっぷり詰まっているので定価2400円は妥当価格。装丁デザインは見て見ぬフリをするとして、内容の本気度は並大抵のものではない。

≪飼育しているダンゴムシにケヤキの落ち葉を与えてみると、餓死ぎりぎりになって、やっとしぶしぶかじり始めるというありさまである。葉は細かいガラス状の結晶を含んでおり、これが口に合わないということらしい。ちなみに、飢え死にしても食べなかったのはクスノキとイチョウの葉であった。≫

井口さん。あなたすごーくヒマ人でしょ。

えー、カレエダタケ食うのー?

「月刊きのこ人」(こじましんいちろう)に掲載分を再掲載

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