クリフウセンタケを分解する

クリフウセンタケ、、、この名前は以前から知っていた。

「クリフウセンタケ、たくさん採れたどーー!!」

という菌友たちのFBへの投稿。

そんな嬉しそうな投稿を横目で眺めながら「いったいどんなキノコなのか、、」と図鑑をながめつつ、ついこの間(10月の初め)までは実物を見たことがありませんでした。いや、もしかして見たことはあったのかもしれないが、良く似たキノコが沢山あって、もしそれが観察会で見かけたとしても「その存在」は他のキノコに埋もれていたのかもしれないのでした。

クリフウセンタケという名前を「原色新菌類図鑑」(今関六也、本郷次雄編纂)で探すと、この本には「クリフウセンタケ」で掲載されていない。

そうだ、と思い別の名前をうろ覚えで索引を引いてみると、その名前はちゃんと図鑑に載っていました。

「ニセアブラシメジ」

そう、確かそんな名前で菌友も呼んでいたなぁ、、と珍しく名前を覚えていたことに我ながら感心したのであった(笑)

「ニセアブラシメジ」と呼ばれていたものが、いつから「クリフウセンタケ」になったのか?
「原色新菌類図鑑」にはこんなことが書いてある。

「中部以北でクリフウセンタケと呼ばれ、食用にされているのは本菌であろうと思われる。」

つまりこの時点(昭和62年当時)では「クリフウセンタケ」と呼ばれているものは単なる一地方名であったのだと思われます。

クリフウセンタケの特徴

「クリフウセンタケってどんなんですかね?」

その日(10月の初めですね)は「コウタケを探しに行きましょう」とA子さんに誘われ、A子さんとS川さん、それとA子さんのお母さんと4人でA子さんの知っているところへ案内してもらったのでした。
その連れて行ってもらった場所というのが僕がいままで探していたフィールドとは違う種類のキノコがいろいろ出る場所で、その「違う種類」の一つにクリフウセンタケがあったわけなのです。

「そうですねぇ、、口ではなかなか説明が難しいですが、柄の途中が茶色くなっているものがありますので、それがクリフウセンタケですよ」

というA子さんの説明であった。
それだけではなかなか見分けがつかないかな?と思ったが、近くでA子さんも一緒に探しているので、何か見つかって聞いたら分かるだろう、、そんな風に考えながらも探していると、まずはA子さんが、クリフウセンタケを見つけてくれて、その特徴がなんとなく判った僕たちは次々とクリフウセンタケを見つけることが出来たのでした。

では「柄の途中が茶色く」だけでは判定基準が抽象的すぎるので「原色新菌類図鑑」から説明文を引用してみます。

・傘の径は4~8cm
・まんじゅう型からやや中高の平らに開き
・表面は帯黄土橙色
・中央部は帯黄色
・周辺には白色絹糸状の破片を付着するが消失しやすい
・湿っていると多少粘性がある
・肉は白、ほとんど無味無臭
・ヒダは直生または上生し密
・類白色のち粘土色からにっけい褐色となる
・柄は上下同大、または下方に向かってやや細まり
・表面は密に繊維を有し、白色後に多少粘土色を帯びる
・クモの巣膜は量が多く
・傘が開いた後に、綿毛状のツバになって柄の上部に付着する

そこで改めて上の写真を見てみましょう。

ここで一番目につくのは「クモの巣膜」でしょうか?
傘の縁にまだ沢山付着していていますね。それと柄の上部にも膜の跡が残っており、それがツバとなっているように見えます。
柄の太さは上部も下部もほどんど変わりませんし、A子さんが言ってた「柄の途中が茶色くなっている」というのも確認できます。これは図鑑の説明では「白色後に多少粘土色を帯びる」という部分でしょうね。

クリフウセンタケを分解する

まだ完全に傘が開ききってない時のクリフウセンタケです。

傘はまだ「まんじゅう型」ですね。
傘の表面を見てみると「帯黄土橙色」だというのが良くわかります。

傘の裏側にクモの巣状の膜が張っているのがわかりますでしょうか?
まだ幼菌の時はこうしてクモの巣状の膜がヒダを覆っているのです。

これはほぼ成菌のクリフウセンタケです。
柄がだいぶ細くなっている感じですが、これは個体差なのでしょうか?それとも背が高くなるにしたがって柄が細くなっていくのでしょうか?その辺りは不明です。

しかしこの様な形がクリフウセンタケの典型と言っていいでしょう。

A子さんの説明通り、柄の中心部分が茶色になっているのがわかりますね。
これは内被膜が柄にこびりついてこの様な色に変色しているのだと思われます(説明には無い模様)。

先程の幼菌をカットしてみました。
肉は白で臭いもほとんどありませんでした。
またヒダの様子を見てみると、説明通り「直生または上生」していて「密」であることがわかります。

クリフウセンタケの生えてる様子

クリフウセンが生えている環境を「原色新菌類図鑑」から引用

・秋
・コナラ・クヌギ林
・アカマツ・コナラ林
・地上
・群生する

とあります通り僕が今回みたのもアカマツ・コナラ林で比較的日の当たりやすい場所でした。
ただ、アカマツ・コナラ林であっても出ないところには出ない。
なので、それだけの条件ではダメなような気がします(単に胞子が飛んできてないだけかも)。

では、その生えている様子を見てみましょう。

こんな形で群生しているのがおおかったですね。

しかし、この傘だけ見ていて「クリフウセンタケ」と分かる人はどれぐらいいるだろうか?

「クリフウセンタケかな?」と言う人はいてても「クリフウセンです」と断言する人はきっとタイホされますね(笑)

それだけ根拠は「薄い」はずです。

これはだいぶ特徴が現れていますよね!!

傘はまんじゅう型からやや中高の平らに開いているのがわかります。
また、傘の周辺には白色絹糸状の破片がしっかりと付着しているのがわかります。
柄は少しここでは見えにくいので、もう一枚別の写真を貼り付けます。

この写真では傘の周辺に白色絹糸状の破片がまだ残っているのも分かりますし、柄の上部にはクモの巣膜の跡が綿毛状のツバになって付着しているのがわかります。

似たようなキノコはたくさんありますが、こうやって見ていくとクリフウセンタケだと言うことがわかります。

クリフウセンタケを食べてみる

クリフウセンタケと、この日はアカヤマドリもちょっと頂きましたので、こんな料理を作ってみました。

「クリフウセンタケとアカヤマドリのジョージ風ドリア」

1.グラタン皿の上にご飯を敷きます。
2.クリフウセンタケを炒めて味付けしたところに
3.クリームシチューの元を入れ水と牛乳で溶かし
4.クリフウセンタケから滲み出る旨味をシチューにこれぞというぐらい溶け込ませて(ここ重要1!)ソースは完成。
5.そのソースをご飯の上にかけ
6.その上から少しだけ炒めた(ここ重要2!)アカヤマドリをのせます。
7.その上からとろけるチーズをのせてオーブントースターでじわじわ焼き上げると完成!!

クリフウセンタケとアカヤマドリのジョージ風ドリア、いかがでしょうか?
美味しそうでしょ?



クリフウセンタケを分解して、最後は食べちゃいました(笑)
いかがでしょう?クリフウセンタケとはどんなものか、分かっていただけたでしょうか?
納得いただけたならガッテン!!
 

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