ヤマドリタケモドキ七変化
ヤマドリタケモドキと書いて、その後ろに「広義」と付ける人が増えてきた。
どうもヤマドリタケモドキにもキグバナイグチ同様複数の種類があるのだよ、という噂が流れてきたのです。
※ヤマケイの「日本のきのこ(新版)」にも「ヤマドリタケモドキ(広義)」と記されてます。
まだ噂の段階なのか、それとも既に細分化の確たる証拠を固めつつ、名前をつけると言う方向に進んできてるのか、その辺りの詳細はまだ伝わってこないので、少なくとも
「だいたい判ってんねんけど、まだな、公にできまへんねん、、とほほ」
というレベルなんだろうと想像される。
じゃあ確定されるまで、自由に分類してみてもいいんだね?
という事で見た目だけですが、簡単にグループ分けしてみます!
いろんな表情を持っているヤマドリタケモドキ
「え?これ、ヤマドリタケモドキなの?」
というヤマドリタケモドキに出会ったことありますよね?
逆に
「これはヤマドリタケモドキやろぉ~」
「いえ、違います(きっぱり!)」
なんてことも、、、あるよね?
いやホント、、簡単なようで難しい。
難しいようで、やっぱり難しいのがヤマドリタケモドキ。
それを難しくしているのが個体毎の特徴の差異が大きいことなのですな。
いわゆる「形態的変異」が激しいのですよん。
これっていうのは
- 種類が違う
- 環境が違う
- 時期が違う
のどれかだと思うのですが、さてどれなんでしょ??
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わからないですよね?(笑)
じゃあ置いときましょう、、、(^_^;)
ではヤマドリタケモドキの特徴をピックアップしたいと思います。
- 傘の表面は暗褐色、黄褐色、オリーブ褐色、淡褐色で多少ビロード状
- 管孔は初め類白色のちに黄色からオリーブ色になる
- 孔口は幼時白色の菌糸で塞がれる
- 柄の表面は淡褐色、淡灰褐色でほぼ全面に網目模様がある
- 肉は白、変色性はない
- ブナ科を主とした広葉樹林にでる
と言う感じですが、トップ画像のヤマドリタケモドキなどは、公園の隅っこではあるものの、「木と共生してるよっ」っていう場所からは出ていない。いわば「君は誰とキンコンしてるのかな?」というポジションに居座っている。
でも、間違いなくヤマドリタケモドキである。
じゃあ僕が撮ってきた色んなヤマドリタケモドキを見てみましょ。
ヤマドリタケモドキこれくしょん
実はヤマドリタケモドキの写真はさほど多くない。
食べ菌ではないので「ヤマドリタケモドキ目当て」でキノコ散策に行かないからであります。たまたまキノコを探しに行って、たまたま見つけたし、可愛いので撮ってあげよ、、、と写真に収めるのが常。
しかもこのヤマドリタケモドキ、野生のきのこ好き(食べ菌ね)の人たちが見つけたら直ぐに抜いてっちゃう。どう見ても「虫が食ってるぞ」というやつも「とりあえず抜いて確かめる」のだそうな、、、
そんなことするもんだから「そこ」にヤマドリタケモドキがあったとしても、「あっち」にポイされちゃうことがあるのだよね、、あぁなんという、、、。
なので、分類できるほど多くはないのですが、それでも特徴のあるものはなんとか押さえてありますので、ちょっとご覧くださいませ。
ではでは、傘の色の違いを見てみましょ。
■黄褐色なヤマドリタケモドキ
かなり大きい個体。
網目はちょっと薄い感じですね。
全体的に黄褐色。
2015.9.5 神戸
クヌギの根元からポコンと出ていました。
網目は普通。
柄の部分はやや白味を帯びている
2015.7.11 大阪泉佐野市
■オリーブ色なヤマドリタケモドキ
初めてみたヤマドリタケモドキ
傘は綺麗なオリーブ色。
網目はやや薄い。
2010.7.4 大阪箕面市
ハイキングの途中で見つけた
傘はやや煤けたオリーブ色。
網目はかなりくっきり
2015.6.20 奈良生駒市
■暗褐色なヤマドリタケモドキ
公園の山道の途中に出ていました
傘は典型的な暗褐色。
網目も下の方はくっきり出てますが、上の方は薄くなってる
2016.9.24 滋賀県近江八幡市?
雨上がりのあとにぽっこり
傘はこれも典型的な暗褐色。
網目は全体的に薄いけどくっきり出ています
2016.10.9 神戸市
もしかしたらススケヤマドリに近いかも
傘はかなり暗褐色でビロード状になっています
網目もはっきりくっきり出ています。
2016.9.25 兵庫県三田市
■異端児なヤマドリタケモドキ
どうみてもヤマドリタケモドキに見えないけど、そうらしい、、
傘はかなり暗褐色にオリーブ色を混ぜたような不思議な色
柄の色もかなり濃い黄褐色
網目もはっきりくっきり出ています。
2012.8.26 大阪交野市
典型的なヤマドリタケモドキってどれ?
「形態的変異」が激しいと言われているヤマドリタケモドキ。
さていったいこの中で「典型的な」個体はいったいどれになるのでしょ?
だって「変異」というからには「原型」ってのがあってしかるべきだものね。
これは僕的に「典型的なヤマドリタケモドキ」と思うのですが、どうでしょう?
異論はあるでしょうけど、じゃあどれ?と聞かれると困るでしょ?聞いちゃうよ?(笑)
しかしアシベニイグチとかアメリカウラベニイロガワリ、そしてアカジコウなんかだと亜種がとっても多く、その「微妙な違い」にかなり困惑してしまうのですが、その点ヤマドリタケモドキは大らかですな~
だってこれだけ違っていても「ヤマドリタケモドキです」と言い切れちゃうもんな~
そう言う意味では「懐の深さ」は他のキノコたちを圧倒してると言っていいでしょうね。
このまま「広義」でいつまでも続くのか、それとも分類されちゃうのか、、、
僕自身は「どうぞこのまま」という思いが強いのですが、、、