アミガサタケ栽培キットの怪

注意書き:稲川淳二 口語風に書いています。

部屋の灯りを消して、頭の中で稲川淳二を思い描きながら読んでいただくとより一層効果的です。

アミガサタケ栽培キット、現れる

この話はね、ちょうど一年前の今くらい、世間でアミガサタケがワーッと見つかりだして、それがちょっと落ち着いた頃の話なんですけどね、

おそらく、その頃に、わたしが栽培キットなるものがあるらしい、と先生に話したことがきっかけだったんだと思います、それを先生が覚えてくれていて、ある日突然、アミガサタケの栽培キットを手に入れたよ!と、わたしに連絡をくれたんです、

いやぁ~、はじめてみましたよ~、アミガサタケの栽培キット!

わたしは、子どもの頃、学研と科学っていうのを定期購買してましてね、それにカブトガニの飼育セットやら付録で付いてまして、そんなのを想像していたんですが、ウクライナから送られてきたアミガサタケ栽培キットという小さい小包には、ソルダム(モロコシ)の粒と、簡単な英語の説明書だけ・・え?これだけ??って、ほんと、驚きましたよ!

申し訳なさそうに、コピー用紙の切れ端がついてましてね、なにやら暗号のようなものが書いてありましてね、

Morchella elata

 Externally, the morel is very similar to a high conical morel.  Characterized by darker color and larger size of the fruiting body (apothecia) (5-15 cm, 25-30 cm tall).Chose a section on well warmed by the sun exalted place better on light sandy or loamy soils.  Ridge prepare to fall or early spring, placing them across the main slope.  For the convenience of care for mushrooms and collect the width of the ridges do 1.2-1.5 m length is arbitrary.  When growing morels on the surface ridges make shredded spoiled apples.  Additionally, the ridges on the  surface of burnt paper, cardboard or sealed straw ash and finely.  Then moisturize, bring a specially prepared planting mycelium, cover them with a layer of small (1-7.5) of forest litter and top are covered with spruce or aspen spruce branches, as well as a coating can be used dry leaves or straw.  Further care is to systematically hidden moisture ridges.  Early in the spring of next year cover removed.Morel fruiting bodies appear hedgehog to the next spring after planting.  Crop reaches 1.5 to 2 kg. 1 sq. m. The ridge.  After collecting mushrooms for the summer again harbor and periodically moisturize, avoiding strong drying mycelium.  Annually ridge fertilized with ash and apple waste.  With proper care – mushroom ridge will bear fruit for several years.

Consumption rate: one package mycelium is enough for square meter.

お暇な人は、訳してみてください、でも、なにが起こるか責任持てませんよ・・・・

アミガサタケは本当にいるのか

わたしは、けっこう疑い深い性格でね、これで本当にアミガサタケが出るの?なんて、まず思ったわけですよ、

愛用のOlympus CHB!

そこで、さっそくアミガサタケの種菌と思われるソルダムについていた白い菌糸様のものをはがして顕微鏡で見ようと思ったわけですよ、

”ギーッ、ギーッ、ギーッ”

顕微鏡のステージをゆっくり回しながら顕微鏡のレンズを恐る恐るのぞいてみたんですよ、

そうしたら、

「うわーーっ!!!!!」

なんと、アミガサタケの菌糸じゃありませんか!!!

アミガサタケの菌糸にはけっこう特徴がありましてね、よくコンタミ*1してくるカビ菌とは違う!って、すぐにわたしはわかりましたよ、

でも、やっぱり、まだまだ疑問は残りましてね、なんとなくこの種菌を培養してみようって思ったわけです、

アミガサタケを培養してみる

アミガサタケってちょっと変わってましてね、なんとリグニン分解能*2があるんです、リグニン分解能がある菌って白色腐朽菌とか限られてるんで、これけっこう便利でね、わたしはリグニン分解能があるきのこを分離するとき、コンタミかそうでないかの指標のひとつにしてるんです、今回も、これは使えるな、と思って、リグニン分解能の反応が出る培地にそのソルダムを置いて培養してみたわけです。

コロニーの周辺が褐変になるとリグニン分解能があるとわかる

しばらくすると、フワフワと白い菌糸は確かに出てきたんですけどね、どうもコロニー*3の周辺が褐変になってこない・・!

これは、アミガサタケじゃない可能性が高い!たぶん、カビ菌!!という結果になりまして、それは、もうかなり落ち込みましたよ・・・・

そのまま、培養シャーレはゴミ箱行きになりました・・

たしかに、ソルダムの周辺にはアミガサタケと思われる菌糸がまとわりついてたんですけど、こいつらは乾燥にものすごく弱くて、死んでしまったという可能性が強いですね・・

でも、アミガサタケって菌核も形成するので、もしかしからもしかするかも??なんて思われる人もきっといると思いますが、それでもちゃんとコロニーの周辺が褐変するだろうし、菌核ってけっこう大きくなるものが多んだけどそれらしきものはなかったですね・・

ソルダムを培地に置いてみたところ、菌糸らしきものが伸びてきた

それにまぁ、シャーレの環境なんでカビ菌のほうが強くで出ようにも出られなかった、とも考えられないこともないですが、しかし、これを土壌に撒いたところで本当にアミガサタケが出るんだろうか?って思うと、今でも、うぅ~んって思ってしまいますよね。。あれはやっぱり生きてはなかったんだ、って思う気持ちのほうが強いです、死んでしまったものは生き返りませんから・・

残りの半分は、自分の庭に撒いてみたい、という人に分けてあげました。
説明書では翌春には発生する、とあったので、そろそろかな、という頃に聞いてみたんですが、やっぱり駄目みたいだねぇ~なんて言ってました。

でも、わたしは、それでも、忘れたころにひょっこり顔を出すんじゃないかって、ちょっとだけ思ってたりします、

いや、ほんと、真実なんて誰にもわからないものですから。

アミガサタケの栽培のコツ

ちなみに、ポールが書いた本 ↓↓ に、アミガサタケ栽培についてめっちゃ詳しく書いてます

ここには、アミガサタケ栽培にはこんな条件があるって書いてあります

*子実体を作りやすい系統を選抜する!!
*菌核形成をしやすい環境が適しているかも
*培養した菌床を屋外に埋めて定着させる方法でいける
*焚火した跡がいい
*リンゴ畑だったところもいい
*ポプラの木を好むようだ

やっぱ、一番の近道は、わたしが思うに、人工栽培できる種を探してくるのがいいみたいだなぁ~・・
ちなみに、この栽培キットについてきた菌株は、オオトガリアミガサタケ(Morchella elata)で、この種がやっぱ一番いいみたいな気がする!

余裕とお金とリンゴ畑を持っている人はぜひお試しあれ~~

 

ちょっと解説・・

*1 コンタミ・・

コンタミネーション(contamination)の略称。純粋培養では目的の菌のみを培養させるのが必須であるが、空気中、使用する器具、その試料でさえすでに多くの雑菌等に汚染されている場合が多く、滅菌下で分離培養していても、どうしても目的以外の雑菌等が混入する場合が多い。
まぁ、その人の分離培養の技術に依るところが大きいけどね!(ドーセ、わたしはヘタクソさ!)
熟練してくると目に見えるはずのない浮遊している雑菌を感じることが出来るようになるらしい、「あ!今、アスペルがコンタミした!」とかつぶやき、確かめるとけっこう本当にその通りだったりする!

*2 リグニン分解能・・・

植物の細胞壁は、主にセルロース、ヘミセルロースなどの多糖類と、芳香族ポリマーであるリグニンで構成される。木材を白色腐朽させる腐朽菌は、このリグニンを分解する酵素(ラッカーゼなど、いわゆるポリフェノールオキシターゼ)を生成する能力を有する。タンニン酸または没食子酸などを添加した培地で培養するとコロニーの周辺が褐変する。これをバーベンダム反応といい、リグニン分解能の有無の指標となる。

*3 コロニー・・

菌糸体のことをいう。胞子などから発芽した菌糸は、同心円状に成長していく。例えば、ヒトの皮膚に感染するハタケなどが円状なのは、菌類は同心円状で成長するためである。自然界でも同じで、同心円状に成長した菌糸体の末端部分に子実体を形成するため、子実体は円を描くように発生する(フェアリーリング)また、菌根菌も同様で、一本の共生している樹木の根に沿って成長しているのではなく、共生できる樹木の根を絡みこみながら同心円状に広がるように成長していると考えるのが正しい。したがって、共生できる樹木の根がその菌糸体内に複数本ある場合、一つの菌糸体がいろいろな樹木に対して共生関係を築いていると考えることができる。(自然界においてはこのケースのほうがはるかに多い)

 

 

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