カッパときのこ

『カッパときのこ』魔神ぐり子 著

クールなカッパとノータリンなきのこがドタバタ漫才を繰り広げるギャグ漫画。

一言で言って駄本。(ああ、言っちまったよ)

というか、この程度のマンガが単行本化されたことにもっとも疑問を持っているのが作者自身で、そのこと自体をネタにしているあたり、もはや救いがないと言うべきか、それともしたたかというべきか。やる気のない装丁(これ自体もネタ)が全てを物語っている。

女性作者とは思えない下ネタの嵐&過激ドツキ漫才は『サイバラ茸』の西原理恵子の系譜か(そんな系譜があればの話だけど)。毎回ひどい目に遭い、血まみれになって倒れているきのこが哀れ……

ゴメンナサイ、けなしてから言うのもなんだけど、こういうしょーもないマンガ、私大好きです。

さすがにこれじゃまずいと思ったのか、描き下ろし四コマ漫画2作品を追加収録。それにしてもブックオフでこの本が一冊だけ棚から引き抜かれて置いてあったのを見つけた時は運命を感じたよ……ホンマしょんない運命だけど。

※サービス:カッパときのこの表紙でのやりとり

きのこ「単行本になるのはいいけどさ まずはこのタイトルはダメだろって マンガのタイトルってものすごく重要だぜ?読者が興味をいだいて本を手に取るかどうかが売上げを左右するんだし」「そんなワケでタイトルをいじるべきだと思う 今のままじゃ極一部のマニアが買うだけだ!!」「飽和状態の出版業界で手を抜いてはいかんのだよ!!」

カッパ「糞偉そうに言うからには読者の食指を刺激するタイトルを考えられるんだろうな?ええ? 言ってみろよホラ」

きのこ「…えーと」「『カッパときのこと辛そうで辛くない少し辛いラー油』?」

カッパ「表紙で時事ネタとは冒険するにもほどがあるぞ」

「月刊きのこ人」(こじましんいちろう)2011年02月18
日に掲載分を再掲載

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