毒キノコ119番

『毒キノコ119番』 佐藤金一郎 著

なんだかすごいタイトルの毒キノコ本。

毒キノコの中毒症状や判別方法などの概論にはじまって、各キノコの紹介につながってくスタンダードな構成だが、読んでるとちょっとメロメロになる。

毒キノコの章だと思ってたら突然食用キノコが乱入してきたり
有毒として紹介したキノコを次のページで「毒キノコでない」と紹介したり
ほぼ同じアングルの写真が何枚も貼ってあったり
食えるキノコのとこで食えないキノコ紹介したり。

「も、もーアカン」

思わず電話に手をのばして119をコールしそうになる。

っていうか編集担当者!ちっとは手伝え!著者に仕事丸投げすんな!

逆にいえば文・写真・イラスト・構成・レイアウトその他もろもろ、ほぼ一人で仕事してここまで仕上げたのだとしたら、そういった意味ではすごいかもしれん。
いや、私は好きだぞ、こういうのが。優等生の面白みのない100点満点よりは、間違いだらけでも個性や温かみのある落第点の方がよほど価値がある。
クロハツの写真があまりに殺風景だと思ったのか、コスモスの花を添えてしまったところなんかは、もうこたえられん。

間違いは偉大だ。なぜって人間の存在そのものが間違いみたいなもんだからな。

「月刊きのこ人」(こじましんいちろう)2011年01月28日に掲載分を再掲載

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